文化創造の街「大和」にある怪しい路地裏と異常に増えたエステ店
本日は神奈川県大和市に来ております。
こちらは大和市内にある複合施設「大和市文化創造拠点シリウス」です。同施設にある図書館が一般的なそれとは全く違うのだとか。
図書館は知識や文化を継承するための記憶装置であり、それを公衆が利用することで国民の知識および教養が向上し、ひいては国力の増強につながる大切な施設です。文化的な生活をするには教養がいります。図書館は人類にとって必要な施設なのです。
しかし近年は図書館の利用者が減っています。スマホの普及により手軽に情報を入手できる時代。そのため若者の利用者が減っているんだとか。毎日来るのは時間を持て余した高齢者ばかり。そして読むのは週刊誌くらいで知識の継承には到底及ばない利用しかされていないのです。
このような状況のため図書館の不要論なんかも叫ばれています。著作権の問題があるのですぐにはできないのでしょうが、オンラインで書籍が読めるならば一等地に図書館を建てる必要もなくなるでしょう。家にいながら図書館の本を手に取ることができるならそれで十分なんです。
このように衰退の一途をたどる図書館ですが、大和市のこれは2018年4月に開設した「次世代図書館」なんです。
一般的な図書館は書籍の汚損を避けるため飲食は禁止されています。でもこちらの図書館では飲食が認められています。認められるどころか図書館内にスタバが併設されています。コーヒー片手に図書館の本が読めるってのはいいですね。
図書館は私語厳禁やスマホ禁止などの制約があります。その窮屈な環境が利用者に制限をかけている部分もあるのでしょう。
本来自由に本を手に取れる空間であるはずの図書館ですが、実際は様々な制約があるのです。かつてはそれでも利用者がいたのでしょうが、時代は変わりました。シリウスは今の時代に合わせたスタイルにしたようです。談笑をしてもよい場所とダメな場所を作り、どちらにも対応しています。
世界的に認知されている日本の文化「マンガ」。図書館だと取り扱っている量は少ないですが、同館では結構な数のマンガ本を取り揃えてあります。ほぼ漫画喫茶状態。
これなら丸一日居られます。
新聞も各社取り揃えられてあります。家の近くにこれがあればここで仕事もできるし読書もできるし使い勝手がよさそうです。
郷土資料などこれまで通りの図書館としての機能も当然あります。唯一ないのがエロ本くらいでしょうか。エロスの探求は文化そのものだと思うのですが、一般公衆には受け入れがたく文化的ではないと考えられているのでしょう。
このように大和市は文化の発信地となっているようです。
そんな文化的な街「大和」。図書館の最寄り駅は大和駅になります。駅前もやっぱり文化的なんでしょうね。いったいどういった店があるでしょうか。
非文化的な店。
いわゆる風俗ビルです。大和市民の憩いの場。
一階は案内所、二階はハイクオリティサロン。三階もサロンで四階もサロン。ここまでサロンで統一するのは清々しいです。
反対側のビルはクラブ、サロン、クラブ、クラブです。手前のビルはハイクオリティサロンでしたが、こっちのビルはハイグレードサロン。
もともとはサロンを名乗る店が複数あったようですが現在はキャバクラやクラブといった水商売の店が多くあるようです。
大和シアターエクスプレス。劇場があるんですね。
劇場は文化芸術を継承する場である上に、人々の創造を育む重要な施設です。図書館がシリウスならば、こちらはペテルギウスでしょうか。
こちらは大和ミュージック劇場ってところのようです。ミュージックなので歌劇をやるのでしょうか。オペラは400年前にイタリアのフィレンツェでうまれたそうです。そんな文化的な歌劇が大和市で味わえるんです。
歌劇ではなく過激な方でした。
こちらはストリップ劇場です。音楽をかけ舞台で踊る。女優が演じるってところは演劇ですが、その女優はAV女優。でも私はフィレンツェで生まれたオペラよりもヌードさんがいるこっちの方が楽しめます。
現在全国で18館しか営業していないストリップ劇場。10軒は関東にあります。私は栗橋のストリップ劇場に行けば関東のストリップは全制覇です(入館してないけど)。
ストリップ劇場こそ日本の文化。次の世代へと受け継いでいってほしいものです。
ストリップやピンサロがある大和駅前。かつては不純な喫茶店もあったのでしょう。
看板の雰囲気は不純な感じがしますがこちらは純喫茶です。駅前が昭和な感じ。
こちらは喫茶フロリダの下にある商店街「南店街」です。こっちも昭和の雰囲気のある街並みです。南店街マーケットってところです。
マーケットって名前が闇市を連想させますが、この薄暗い雰囲気もそれを彷彿とさせます。駅前の路地裏、ここで一杯ひっかけるってのが大和市民の日常なんでしょうね。
大和駅の南側に来ました。こちらはすずらん通りという商店街で飲み屋街となっておりスナックが軒を連ねてます。
これが文化的な街並み。
昼の公共領域が図書館であればスナックは夜の公共領域。職業や身分などに関係なく誰もが気軽に利用できる場所です。
人付き合いは苦手、独りのほうが気楽とか言いますが、人は一人では生きられないんです。誰でもよいから誰かとつながっていたい。そのため他人と関われる空間を欲してるのです。それがスナック。これこそが日本の文化なんです。
っと思いきや他人と交わる非文化的な店。
おしゃれ泥棒は比較的スナックに使われる店名です。こちらはファッションだけどオシャレのほうのファッションじゃないから「おしゃれ泥棒」なんでしょうね。
この手の店って一カ所に固まってあるもんですが、利便性を考えてるのでしょうか。あっちこっちにあるんです。
かつて大和駅界隈には複数のサロン的な店があったそうです。しかし徐々に減っていき今では数えられる程度になってしまいました。このように時代とともに変化するのですが、駅の周りを歩いているとどうもエステ店の看板を見かけます。
大和市民は健康に気を使ってるのかってくらいエステ店があります。でもリラクゼーションって言葉がどうも引っかかるんです。
これはアレですかね。
ちょっと特殊なマッサージもあるのでしょうか。
かつてあったサロン的な店の場合、表向きは飲食業なので食品衛生管理者の設置および保健所に営業許可の許可申請が必要でした。また酒を提供し24時以降の営業をする場合は深夜酒類提供飲食店営業許可を、キャバクラのような接待サービスをするのを名言しているならば風俗営業許可を警察に申請しなければなりません。営業をするまでに煩雑な作業があり、許可が下りない場合もあります。でもエステ店であれば開業届を出すだけで始められます。これが近年駅前にエステ店が増えている理由のひとつなんでしょう。
全てのエステ店が非文化的な不健全な営業スタイルではなく、中には真っ当なエステ店もあるのでしょう。そのため看板だけではどちらだか判断できない。そして開業がしやすい分、この手のエステ店は出来ては潰れの繰り返しです。
そのような中でお目当ての店を探すってのも一興なのでしょうね。
そういえば東名高速道路を走っていると大和市のあたりで「70歳代を高齢者と言わない都市」という横断幕を目にします。てっきり役所が年金を払わない意志表明だと思っていましたがそうではなく大和市は健康都市を目指しているようです。まさにエステ店は大和市の目指す「あっちのほうが健康都市」に一役買っているようです。