山林生活

【新宿のオアシス】都会の片隅でウイグル料理を【ケーリンコルミス】

【新宿のオアシス】都会の片隅でウイグル料理を【ケーリンコルミス】

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昨年中国からインドを陸路で目指しました。
しかし所用が入りミャンマーで帰国しなければならない事態に。再度ミャンマーから継続を願うも2020年は新型コロナウイルスによって海外への渡航が制限されてしまいました。そんなこんなで“天竺を目指す旅”は立ち消えてしまった状態です。
でもいつかは達成したいという気持ちがあります。感染症が落ち着き、仕事も問題なくでき生活が安定した際は天竺の旅の続きをしたいです。

こんな感じで目的を達成できずに中途半端な状態になっていますが、別の旅も構想中なんです。

マルコポーロってやつがヨーロッパからアジアまで陸路で移動したんだとよ。

そうです。東方見聞録です。
今から750年ほど前、マルコポーロはイタリアから中国まで旅をしたんだそう。当然飛行機も電車もなく移動手段は徒歩だったのでしょう。
距離は8000km。マルコポーロは往復24年ほどかかったそうです。
それから750年経ちました。中国は一帯一路で経済圏を広げ、シルクロードだった場所には鉄道が敷かれています。歩いたら遠いけど電車とバスで片道だったらそこまで日数はかからないでしょう。

マルコポーロとは反対の中国からヨーロッパに向かいます。
ウイグル自治区を通りキルギスへ。カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンを経由しつい先日まで戦争をしていたアゼルバイジャンへ。ジョージア、トルコを経由してヨーロッパに入るルートです。
理想はインドからパキスタンやアフガニスタンを経由してイランを通ってトルコに行きたいのですが、ちょっとハードモードすぎます。そのため南の国ではなく北の方を通る形になりそうです。
ウイグル自治区の1月の平均気温は-12.6℃なんだそう。過去最低気温は-41.5℃。7月の平均気温は23.7℃なのでもし東方見聞録の旅にでるのであれば春~夏時期になりそうです。
まぁこれらもいつ実現できるかわからず、企画段階で頓挫してしまうかもしれません。まずは海外に行けることを願うしかありません(神頼み)。

海外旅行を望んでいますが、それが叶えられないため新宿で過ごします。

新宿は様々な人種の方がいます。新大久保はコリアンタウンだけでななくタイやベトナム、ムスリムの方も多く住んでいるのです。そこに外国人が居住していればそこの文化も街に広がります。そのため新宿では万国のご飯が食べられるのです。

これまで様々な店に行きました。
タイ料理やインド料理、中華といったスタンダードなものから新大久保にある北朝鮮と中国の国境で食べられる「延辺料理屋」で犬肉を食べたり、フィリピン人がいるパブでボッタクられたり、中国人エステでタケノコ剥ぎにあったり。色々な経験をしているわけです。

新宿はパスポート無しで海外に行けるのです。

でも中華やタイ料理といったスタンダードな店は新宿じゃなくても行けるわけです。今日は少し変わったところに行きたいと思います。

西新宿の外れ、新宿駅から1.5kmほど離れた場所です。初台からであれば500mの距離。
お店の名前は「シルクロード・タリム」というところです。こちらではウイグル料理を出してくれるんだそう。

お店の場所はわかりづらく甲州街道沿いにあるアダルトビデオ店の脇にある路地を中に入っていかなければなりません。

そもそもこのあたりは新宿の外れなので用事が無ければきません。

周りにはお店がありません。初台駅から直線距離で500mですが、商店があるような場所ではなくマンションやオフィスビルがあるようなところです。別件で用事がありたまたま通りがかったところ看板を見つけました。

「べっ...別にTENGA買いに来たわけじゃないんだからね!」

もしかしたら近い将来新疆ウイグル自治区に行くかもしれません。事前に知っておくことで現地に行ったときの不安が解消されます。ウイグル料理がどんなものなのか期待し、お店に行きました。

ウイグル料理のイメージは羊肉。それ以外はよくわかりません。そもそもウイグルに対する知識があまりありません。
今のウイグルはあまり良い話は聞きません。中国の民族浄化作戦の的となり迫害されているんだとか。イスラム教徒の多いウイグル族、中国側からしてみるとそれらは不穏分子なのでしょう。育つ前に芽を摘んでおきたい。そのため「教育」という体で弾圧を続けているんだとか。どこまでが本当なのかわかりませんが、中国からしてみれば信仰心の高い民族は国を運営する上でリスクになるのでしょう。新疆ウイグル自治区の土地の広さは中国の16%にあたります。同じように迫害されているチベット自治区、内モンゴル自治区を合わせると国土の40%もあるわけです。これらの地区には天然資源もあります。
万が一独立をされると中国にとっては国土が狭くなるだけでなく脅威になるわけです。ただでさえ大国のロシアとインドに接している中国です。独立しないように弾圧をして民族浄化を目指しているのでしょう。
世界に国境が無ければ自由に出入りできるのですが、国境が無ければこのように民族間でトラブルを起こすだけ。平和な世界を保つためには線引きが必要なんです。ボーダーレスの世界は実現不可能なのでしょう。

つまりウイグルのイメージは羊ってこと。

とりあえずビールを注文。

おつまみはグリンピース的な豆と枝豆、キュウリを和えたもの。中華っぽい味付けです。

どんな料理があるのかよくわからないのでじっくりとメニューを見ていきます。
案の定羊肉料理が主のようです。どうやらウイグル料理は麺が有名なんだそう。というのも麺の発祥がウイグル料理なんだとか。パスタもラーメンも源流はウイグルにあるんだそう。ちなみにピザの源流もウイグルのナンなんだそう。ラーメンもピザも起源は韓国だと思ってましたがそうではないようです。

発祥と言われれば少し気になりますが、どうもそこまでお腹が空いていないのです。孤独のグルメのように色々頼みたいのですが小食のためあまり食べられない。

ということでスタンダードなシシカワプを注文。羊肉の串焼き、シシカバブと同じものですね。

【上海観光】豫園で小籠包を食べるの巻
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七宝老街から歩いて地下鉄七宝駅へ。そのまま電車で移動します。地下鉄の乗り方というのもだいぶ手馴れ

これに似たようなものを上海で食べました。中東の人が屋台で売っていました。

シシカワプの臭いはクミンの香りが強く腋臭症という感じ。この臭い、苦手な人は食べられないでしょうね。味もクミンが強く、香辛料たっぷり。でも旨いです。肉の臭みを消すための香辛料なんだと思いますが獣臭がしない羊肉。そして柔らかいです。羊肉は美味しいですね。

羊脂の融点は44~49℃と高いので人の体温では溶けづらいそうです。そのため吸収されにくいんだとか。そんな融点の低い羊肉をキンキンに冷えたビールで流し込むんです。冷えたもので羊を食べると腸閉塞になったという記事を先日見かけました。でも、やっぱり羊肉にはビールが一番です。

といいつつ別のお酒をチョイスしました。こちらは「カンカのお酒」というものです。カンカとは砂漠人参のことなんだそう。砂漠人参はカンカニクジュヨウというもので高麗人参と同じように漢方みたいなやつでこちらのお酒はいわゆる養命酒的なやつでしょうか。焼酎に砂漠人参を漬けた感じ。
味は焼酎に砂漠人参を漬けた味です。ちょっとアルコール臭が強いです。甲類焼酎に漬けただけの味。そこまで美味しくないです。でも男性の勃起不良に効果があるんだそう。

すみませーん。ボトルでいただけますか??

そもそもウイグルはイスラム教徒が多いのです。宗教上酒を飲まないんです。つまりご当地の酒というのがあまりないのでしょう。アルコールメニューには一般的な飲み屋で取り扱っているビール、ワイン、焼酎といたっところ。カンカのお酒と紹興酒がそれっぽい飲み物ですが、新疆ウイグル自治区は中国の一部ってことです。つまりカンカのお酒はウイグル料理というより中華料理に近い感じでしょうか。
ウイグルの人たちはお酒を飲まないためアルコール類は普通お酒しかないですがチャイの種類は豊富でフレーバーチャイのようなものがあります。お店にいたお客さんで中東っぽい感じの人はお酒を飲まず紅茶を飲んでたのでウイグル料理を楽しむならば酒ではなくチャイなんでしょうね。

麺は頼まずにケーリンコルミスを注文しました。
やっぱりウイグル料理といえばこのケーリンコルミスです。
コルミスが良い感じじゃないでしょうか。ケーリン感もあってよいですねー。

すみません。何もウイグルのことは知りません。
羊の胃袋炒めって日本語で書いてあったので注文しました。
全然ウイグル語が分からないのですが多分「ケーリン」は羊の胃袋か内蔵って意味で「コルミス」は炒め物って意味だと思います。

羊の内蔵とか食べたことないわーって思って注文しましたが、シャウエッセンの皮って羊の腸でした。なんかかんだで日頃から羊肉に触れてるんですね。

このケーリンコルミス、中華っぽくて美味しいですね。酢豚とか回鍋肉とかそういうのに近い感じ。結局は中国に近いので似たような味付けになるのでしょう。

これでお腹いっぱいになりました。チャーハン的なヤツもありましたがそれも頼めずでした。食が細くなると楽しみも減ってしまいます。でも初めてのウイグル料理。日本にいながら触れることができて良かったです。

つい最近までウイグル料理専門店は都内でここだけだったようです。
また関東ではここと埼玉に一軒だけだったんだとか。それだけ貴重なお店ってことです。でも数年前よりウイグル料理専門店が新しく出来ているようです。イスラム教徒にとっては食事の問題があるので住みにくい日本ですが徐々にそれも変化しているようです。10年後にはもっと多くのウイグル料理屋が出来るかもしれません。

新宿の片隅にあるウイグルのオアシス。今度は麺料理も注文したいと思います。

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