変化する歌舞伎町。ゴンドラは回らない【ノーパンしゃぶしゃぶ探索】
緊急事態宣言真っただ中の東京。不要不急の外出は自粛、また都県を跨ぐ移動も自粛ということになっています。今年は年明けからそんな感じでした。私は事務所が新宿にあるのですが、以前からフルリモートで行っている優良事業者。そのため緊急事態宣言中は事務所に一切行かない状態でも問題ありませんでした。今年はもう6月ですが、事務所へは緊急事態宣言が明けたあと一回だけしか行っていません(家賃払っているのに)。そして現在もまた緊急事態宣言のため新宿に行くことができません。
このように国や行政から自粛要請があるためしっかりと守ってるんです。それにもかかわらず、行政手続きの関係で書類を取りに事務所まで行かなければならなくなりました。
久しぶりの新宿です。良い天気です。
お店が結構閉まっているためか人通りはかなり少ないです。
思い出横丁は線路側のところは酒類を提供しており繁盛していましたが、真ん中の通りは開いていても酒類の提供無し。
または緊急事態宣言が明けるまでは休業しているところもありました。
店で飲めないので外で飲む人も。ガード下では路上飲みをしている人たちがいましたが、多分普段からそこで飲んでいる人たちだと思います。
歌舞伎町も人通りがまばらです。全くいないというわけではありませんがかなり少ないです。
「I love KABUKI-CHO」と書かれたビルです。以前はありませんでしたが数年前、外国人観光客向けにこの看板ができました。コマ劇のすぐ近くで歌舞伎町の中心地のようなところです。
本日お話したいのはお店の名前は同ビルの7階にあるゴンドラというところ。お店の業態はキャバレーになります。接客を伴う店、いわゆるキャバクラです。
でも普通のキャバクラとは少し違います。看板の通り「カウンターが回る」んです。
50周年を迎えたということなので同店ができたのは1971年。高度経済成長のまっただ中で大阪万博の特需により好景気だったころにお店ができたようです。三経ロンドングループのキャバレー「ロンドン」ができたのも1973年くらいでした。
現代でも水商売という名の通り不安定な業種のため、できては潰れを繰りかえしています。アジア最大級の街歌舞伎町で生き残るためには他店とは違う営業スタイルでなければなりません。これは70年代のころも同じなのでしょう。それを突き詰めた結果が「まわるカウンター」だったんだと思います。
同店には今から七年ほど前に行きました。「カウンターが回るキャバクラって、回転寿司かよ!」とすごいそそられたんです。女の子を寿司ネタに例えて好みのネタを選ぶキャバクラを想像していました。
その当時、ちょっと変わった店に行くのが好きでした。目指していたのは「ノーパンしゃぶしゃぶ」です。
だって頭おかしいでしょ。飯食うときに見るもんじゃないでしょ。でもそういった昭和っぽい店をずっと欲しているんです。
歌舞伎町には大蔵省接待事件の現場となったノーパンしゃぶしゃぶ店「楼蘭」がありました。すでにそこは閉店していましたが、そういった一風変わった店を求めていたのです。まさに「ゴンドラ」はそれっぽい雰囲気がコンセプトに感じられるじゃないですか。というわけでこの店に行ったんです。
廻るのはカウンターではなく自分らだったー。
「カウンターが回る」のではなく「カウンターごと回る」でした。
ボックス席にレールがついていて、ボックス席ごと店内を一周するシステム。要は観覧車が平面になった感じ。女の子が回っていて指名するスタイルだと思っていましたがそうではありませんでした。
ぶっちゃけ回る意味がまるでない。眺望レストランのように景色が楽しめるわけでもなく、回っても何も変わらない。
ただこの店の素晴らしいのは会計が明瞭です。この手の飲み屋は時間制です。何時間たったのかを教えてくれない店もあり、それにより料金トラブルとなることもあります。とくにここ歌舞伎町ではその手のトラブルは毎晩のようにあり、高額請求されるケースもしばしばあるようです。でもゴンドラはその心配がありません。カウンターが一周すると100分経過するんです。一周がワンセット。誰も間違うことはありません。もう一周するとさらに100分なので一周だけで帰りましたが、良い思い出でした。ちょっと期待したのとは違いましたが。
ただこの店で情報を手に入れたのです。
どうやらここのママが「楼蘭」の経営者だか関係者だったそうです。
とりあえず何かコンセプト持たせるところが同じ経営者っぽいですね。
楼蘭の話を聞きたかったんですが、別の人の接客中で断念。また次回来たときにでも話を聞こうと思っていたらもう7年も経ってしまいました。そしてゴンドラは2021年3月31日をもって閉店。「ノーパンしゃぶしゃぶ」の話を聞くことができなかったのが悔やまれます。
このコロナ禍で接客を伴う飲食店は感染の温床でもあり、槍玉にあげられたことでしょう。
歌舞伎町の飲食店はとくにひどい扱いとなりました。それは今でも変わらず続いているようです。
ある意味コロナにノーパンしゃぶしゃぶは殺されたってわけです。
ゴンドラのキャストはパンツ履いていたと思いますが、こうやって歌舞伎町は変わっていくのでしょう。一つの時代が終わったようで感慨深いです。
まだ看板は外されていません。当然今のコロナの状況では新しい入居者も期待できません。でも感染症が落ち着けばまた歌舞伎町にも多くの外国人観光客が集まってくることでしょう。次に入る店舗はどんなコンセプトなのかが楽しみです。そろそろ令和最新版のノーパンしゃぶしゃぶ的なヤツができてもいいころなんじゃないでしょうか。