山林生活

SDGsを目指せ!荒川にある胞衣工場と三河島汚水処分場

SDGsを目指せ!荒川にある胞衣工場と三河島汚水処分場

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三ノ輪駅前に来ました。

この駅はこれまで何度も利用しています。いつも迷うんです。入谷で降りて裏手から行くか、それとも三ノ輪で降りて大門側から登楼するか、はたまた江戸の頃の習わし通りに山谷掘を登っていくか。三ノ輪は新吉原に行くための一つの入り口なんです。というよりそれ以外でここを利用したことがありませんでした。でも本日は新吉原にはいかず、反対方向を目指します。

こちらは都電荒川線の新三ノ輪橋駅です。都電荒川線は何度か乗ってますが、頻繁に乗る電車ではないですよね。この辺りから新宿に帰るのであれば山手線か秋葉原まで出て総武線に乗る形ですが、都電荒川線は早稲田のあたりまで行けるんですよね。池袋方面にも行けるのもよいですね。まぁ若干中心地からズレていますが、逆に使い勝手が良い路線なんでしょうね。ただ終点まで50分くらいかかるようなので早稲田に行くなら東西線を使う方がよいのでしょう。

こちらは三ノ輪銀座商店街(通称ジョイフル三ノ輪)という商店街。アーケードとなっていて食料品店が多くあり、結構活気があります。歴史は古く大正の頃からあるんだとか。この商店街が出来た当初は今のような地元密着型の商店街といった雰囲気ではなく当時は新開地と呼ばれ、銘酒屋、現代でいうピンサロ的な店が軒を連ねていたそうです。
ただ太平洋戦争では空襲の被害があり、荒川区の約半分が被災により消滅したそうです。今の街の雰囲気は戦後造られたものでしょうか。ただ狭い路地の中に家屋がひしめき合っています。

こちらは第六瑞光小学校近くにある史跡案内の看板です。ここには加藤屋敷跡と書かれてあります。この付近は江戸時代藩主の屋敷が結構あったようです。しかし維新後は明治政府に接収され、別の用途に使われたんだとか。荒川の近くだったからでしょうか。もしくはそのような施設ができる土壌がここにあったからでしょうか。この辺りには屠場ができました。

近くに精肉店があるのはその名残でしょうか。

都内には深川、寺島、野方、玉川(世田谷)、そして三ノ輪にありましたが昭和15年に現在の芝浦に統一されたようです。ここもかつては命のおわりの場所だったんですね。三ノ輪にあった箕里屠獣場以外にもこの付近には浅草田中町(現台東区日本堤)に田中町屠場、足立区千住東に千住屠場、荒川8丁目に三河島屠場がありました。

このあたりは荒川8丁目です。

こちらには少し変わった施設があります。こちらは「大正胞衣社」という企業で、同社は大正時代からあるそうです。三河島にあった屠場は明治20年から昭和11年まで続いたそうなので、その当時から存在している企業なのでしょう。胞衣という言葉はあまり聞きなれませんが意味は胎盤やへその緒など胎児を被う衣ってことなのでしょう。産汚物というものでむやみやたらには捨てられず、各都道府県の条例で許可を得た取扱業者しか処理ができないようです。東京都の場合は胞衣及び産汚物取締条例が昭和23年に施行されています。

食肉加工場のあったところに産汚物の処理場がある。同じ命と言えどちょっと異質な場所ですね。

同社の敷地内には「鹽竈神社」があります。祀られている塩土老翁神(シオツチノオジ)は塩釜の名の通り航海安全など海や塩に関する神様のようですが、安産祈願のご利益もあるんだとか。産汚物は胎盤だけでなく妊娠四カ月未満の死胎も対象なんだとか。安産で産汚物が出るケースもあれば、産むことができないと「汚物」として扱われるようです。

胎盤って捨てられちゃうんですね。なんか地域によっては妊婦が胎盤を食べるなんて風習があります。人間の体の一部でそれなりに栄養価もあるのでしょう。産後体力的に消耗している人には良いのかもしれませんね。またプラセンタ製剤としても胎盤は利用されています。当然日本では人間の胎盤を使用したプラセンタ製剤は製造されていないのでしょう。でもこのように廃棄処理するのであれば、有効に利用すべきではないでしょうか。

SDGs17の目標とかなんか胡散臭いです。
「コンビニの手前取りはフードロスを減らし、結果的にサスティナブルな社会につながる」みたいなことを言っていますが、フードロスを減らす努力は企業がすべきだと思うんです。それよりも胎盤です。胎盤を捨てるのはもったいないんです。もういっそのことみんなで食べましょう。産汚物ではなく産食品。これこそがサスティナブルな社会につながるのではないでしょうか。

大正胞衣社の隣には日本胞衣衛生があります。こちらも産汚物を取り扱っている業者です。

壁のレンガがよい雰囲気です。

こちらは煙突です。条例で焼却窯に制限があり、窯は煉瓦または石材で構築し、高さ6メートル以上の煙突を設け、消煙防臭機能を有しなければならないようです。また施設内は外から見えないように2メートル以上の高さの壁を設けなければならないようです。

産汚物と言っていますが、要は人間の体の一部です。それらを焼却すれば当然臭いがします。人体が焼ける臭いってのは結構なニオイのようですね。そのため産汚物取締条例では「学校、病院、官公衙、人家及び国都道その他重要な道路から三百メートル以上の距離を保つこと」と書かれてあります。まぁ人が往来するような場所が臭いのは問題ですからね。

それにも関わらず胞衣工場の真横にはアパートがあります。工場は古くからあるのでアパートの方が後にできたのでしょう。個人が勝手に建てたのであれば自己責任ってやつですが、こちらは都営アパートです。衛生上の問題から300m以上離すように産汚物取締条例で規制しているのにも関わらず、自らアパートを建てちゃう東京都。何のために用意した条例なんでしょうかね。

それよりもこの付近、ちょっと下水臭いんです。その理由は近くに下水処理場があるから。

三河島水再生センターというところで荒川区、台東区、文京区、豊島区、千代田区、新宿区、北区の下水処理を行っているそうです。新宿は一部だけのようですが、私のウンコはおそらくここに流れ着いてるのでしょう。

こちらに下水処理場ができたのは大正11年。明治維新後、東京は人口が増加し下水処理が追い付かなくなっていたそうです。またその当時はコレラなどの伝染病が流行していたため下水処理施設の新設は急務でした。その話が持ち上がってから新設するのに50年もかかりましたが、日本で初めての下水処理施設となったようです。それが今でもこの場所にあるってのはなんかいいですね。

強烈な臭いがするわけでなく、風が吹くとちょっとだけドブ臭いです。まぁこういった施設が無いと東京はクソまみれになりますからね。

現在、三河島水再生センターで処理された下水は水は放流し、汚泥は焼却処理されるそうです。でもこれ、元々は人糞なので肥料になりますよね。もともと日本では人糞を発酵させ肥やしにしていました。日本の土は肥沃とは言えず、食糧生産は肥料に頼っています。その肥料は外国から輸入しています。今後食糧難となった際、輸入肥料を使うのも大変になるでしょう。そのため、昔のように人糞肥料を復活させるのが一番なんだと思います。佐賀県ではすでに汚泥堆肥化施設があり、ウンコが資源となっているようです。佐賀県で80万人の人口、東京だと1400万人。17倍の肥料が生産できるわけです。当然たい肥化するためには重金属の処理など簡単にはいきませんが、リサイクルできるのであれば、持続可能な社会を目指せるのではないでしょうか。

産汚物処理に下水処理場。
終末処理場だった荒川区のこの辺りが、はじまりの地になる日も近いのかもしれません。

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