【品川宿】生命の終焉の地「食肉市場」と「鈴ヶ森処刑場」
日本橋から少し離れたところで自転車を借りれました。これより東海道で京都に向かいます。しかし借りた自転車のバッテリー残量が少ないです。
借りた時点で30%しかありません。シェアサイクルなんで前の利用者がバッテリーを使い切ってしまうことも。運営会社がフル充電されたバッテリーに交換してくれることもあるのですが、おそらく深夜などに交換する感じなんでしょう。
バッテリーのへたり具合にもよりますが10%程度で5kmくらい走るようです。都心部は利用者が多くて借りれないこともあるようです。借りれただけよかったというところでしょうか。
今日の予定では横浜もしくは藤沢まで進めようと思っています。
日本橋から40kmの距離に当たるのが保土ヶ谷なんだとか。昔の人の初日に目指す宿場町が保土ヶ谷。自転車で向かうのでたぶんたどり着けるでしょう。できればもう少し進みたいですね。藤沢が50kmくらいでしょうか。
しかし現状のバッテリー残量だと15km先までしか行けません。行ける距離は川崎より少し先、横浜の手前くらいでしょうか。つまりこの自転車で藤沢まではいけません。でも都心部にはサイクルポートが多くあります。バッテリー残量100%の車両を見つけて乗り換えればよいだけです。そんなわけで電池残量を気にせず坂道モードで進んでいきます。
日本橋を出たのが11時前。日中の銀座は暑いかと思ったのですが高層ビルによって日陰となっています。そしてハイブランドの店舗のドアは新型コロナウイルスの影響により開け放たれそこから冷気が漏れていて結構涼しいです。楽に移動ができました。
日本橋をもう少し早く出ようと思ったのですが、自宅を出たのが遅くなり出発が昼前になってしまいました。そんなわけで早々に食事にしたいと思います。
東海道五十三次の最初の宿場町は「品川宿」です。日本橋から8kmしか進んでいませんが食事にしたいと思います。行った先は東京都中央卸売市場食肉市場です。日本最大級の屠畜場です。
ここで豚や牛、鶏が解体され食肉加工されて小売店に流れるわけです。
ちなみに市場内は撮影禁止となります。
撮影禁止の理由は情報流出とか衛生面の問題とかではなく「プライバシー保護の観点」から撮影ができないということです。まぁそういうことです。
今回は市場内に入るわけではありません。お肉の情報館というところが解放されておりそちらで屠畜場の歴史から解体の流れ、人権の話などの展示を見ることができるようですがそれだけではもの足りないです。市場やセリの見学はできないっぽいです。であればご飯だけをこちらで済ませようと思い、場外にある飲食店に立ち寄りました。
配給のような食事が出てきました。でもこれが食べたかったのです。煮込み定食880円。煮込みって下処理とか煮込むのとか手間がかかるので家で作らないんです。居酒屋とかに行けばありますがその場合は酒の肴。もつ煮込みでご飯を食べたいときがあるんです。定食の内訳は牛筋煮込みっぽいやつと生卵、そして味噌汁と思いきやモツが入っている汁です。
こちら牛筋かと思ったのですがどうも違う部位の肉っぽいですね。屑肉なんだと思いますが味付けもしっかりしていておいしいです。
こちら味噌汁と思いきやモツが入っているモツ汁です。モツ煮込みだと根菜類が入っていますがこの煮込み汁はモツだけしか入っていません。全然臭くないです。たぶん豚モツでしょうね。
牛と豚と鶏の全てがこの膳に乗っています。まさにハッピーセット。食肉市場は肉の出発点となる場所だからこういうのが出せるんです。
色々と撮影をしたかったのですが前述の通りプライバシーの観点から撮影は控えました。仏教の考えから殺生にかかわるのは穢れだということで屠殺を生業とする人を穢多と呼んだわけですが、現在日本人がそこまで信仰心が高いとはいえません。そして大昔もそこまで差別意識があったとも思えません。あるのならば賤民と呼ばれた人たちは「賤眠と区別される代わりに一定の業に対し独占権が与えられてた」のが、明治の四民平等の際に「区別されなり独占権はなくなったがそれまでの事業を継承し既得権益を得た」ため周りから文句がでたということでしょうか。つまり区別だったものが差別に変わった感じでしょうかね。でもそんな差別も形骸化しつつあります。それはそれでよいことですが、それを良しと思わない人もいるようです。
部落問題、同和問題は東京でも少なからず残っている、もしくは残っている体でいるのでしょう。
むかし不動産屋の人に聞いたことがありますが品川や大井のあたりは色々と問題を抱えていて...というような話をしていました。品川駅も近い、羽田空港も近い。周りには商店も多くある場所です。唯一海際だから地震の不安がありますが内海なので被害は少ないのでしょう。つまり好立地の場所なんです。そんな街ですが問題を抱えているんだとか。実際のところは問題があるのではなく問題であってほしいと考えている人もいるようです。つまり灯を絶やさぬように薪をくべる誰かがいるみたいなんです。
この辺の話は詳しくないのでちゃんとした回答ができませんが「肉は潰したてが旨い」ということです。
品川宿の通りです。このあたりの街並みはキレイですね。なんとなくイメージする宿場町の街並みです。このあたりに旅籠があり岡場所もあったのでしょう。落語の「品川心中」もこの辺りが舞台なんじゃないでしょうか。今は性風俗店などはなく一切その雰囲気がありません。
吉原は高いが品川なら安く済む。上野から品川まで電車ですぐに行けますが昔は風俗に通うのに8km歩いたんですよね。昔の人は健脚というより元気だったんでしょうね。
品川宿を抜けたところにチャリポートがあったのでそちらで自転車を乗り換えます。
ここに来るまで16%使いました。利用している自転車のアシスト機能は節約モードと坂道モードみたいなのがあります。アシストする能力が違うわけです。ここに来るまでほぼ平地でしたが坂道モードを使用しました。
100%の自転車があればよかったのですが40%のものしかありませんでした。これだとちょっと足りないのでまたどこかで乗り換える必要があります。15分70円です。15分~29分だと140円なのでタイミングよく切り替えるのと無駄な出費を減らせます。
こちら、泪橋と呼ばれるところです。
基本的に刑場の手前には泪橋と呼ばれるところがあります。これから処刑されるためここで俗世との別れに涙を流す、または残った家族が別れの涙を流す場所なのでしょう。
以前山谷のあたりを回った時にも泪橋がありました。あちらはあしたのジョーの舞台でもあります。
泪橋があるということは先に刑場があります。鈴ヶ森処刑場という場所です。昔は人が処理され、現在は家畜が処理される場所、それが品川というところなんです。
線香一束50円。さきほど食べたハッピーセットは現金払いでした。そのため100円玉があります。ここは無人線香販売のためおつりが出ません。そのため100円を入れて二束購入。
全く知らない、そして何らかの罪によって裁かれた人を偲び線香をあげたいと思います。
これより多摩川を渡って川崎宿に行きます。ちなみに3時間前まで川崎にいました。川崎は散々行ってるから見たいところは何もないでしょう。