改札抜けたら5秒でホテル!正岡子規も愛した「鶯谷繁華街」
本日は山手線の鶯谷にきました。
鶯谷駅と聞いて何を思うでしょう。
駅前がラブホ街。
チャイエスや韓デリといった言葉が似あう街。
新吉原への玄関口。
大人のアミューズメントパーク。
このようにアダルト要素が強いです。
実際に駅前からホテル街だしアジア系デリバリーのメッカみたいになっているし、吉原の店は送迎してくれるし、町全体が風俗街となっています。
鶯谷は山手線で一番利用者が少ない駅。
その少ない利用者の中、この駅で降りる男性はこの街の利用者で、この駅で降りる女性はこの街の従業員の印象があります。まぁ実際は多くの住人が使っているのでしょうがあまり良い印象はありません。ただこれは日本人だけで海外の人からは別の認識のようです。
こちら、バンコクのアソークにある商業施設の一角です。日本のカワイイやサイケデリックな文化は海外でも定評が高く、ブランドとして確立しています。ここに「鶯谷」の文字がみられます。
日本人からしてみれば「トウキョウガールじゃなくチャイナガールだろ!」となりますが、外国人にはうぐいす谷は日本の玄関口のようです。
日本は数年前から観光に力を入れ、コロナになる直前まで外国人観光客を多く受け入れてきました。しかしインバウンドビジネスは発展途上の段階で京都では泊まる施設がない状態でした。そして京都市内だと高いため、安く済ませたい観光客の中には大阪の西成に泊まる人も多くいたそうです。都内でも同じような現象が起き、中心部にある高級ホテルではなく、山谷の簡易宿泊所を利用する訪日外国人も多くいたんだとか。
実際に今の山谷はドヤ街ではなくゲストハウスが増えました。宿泊費をおさえて別の部分にお金をかける訪日外国人がいるのでしょう。
そしてこのうぐいす谷も山谷同様に訪日外国人が多く押し寄せていたようです。
訪日外国人のために民泊を普及させようと国交省は頑張っていますが、法規制や近隣住民の理解など様々な問題を抱えているため思いのほか普及していません。でも、うぐいす谷には「既存のホテル」があるんです。
そうです。ラブホテルです。
日本人の認識ではラブホテルは“致すところ”ですが、外国人にはホテルと遜色ないんです。しかもご丁寧にコンドームまで用意されているユーザビリティの高さ。お風呂場も広いしベッドも大きいし、ベッドが回るホテルもあるんです。
なんとなくサイケデリックな感じが鶯谷のイメージってのも理解できます。
世界遺産の国立西洋美術館も目と鼻の先。山谷とは違いホテルから駅まで徒歩圏内。しかも山手線なので東京駅に出やすい。成田にも羽田空港にも出やすいので移動が楽チン。観光もしやすく利便性も高い。そんなわけでホテル街として外国人に人気のようです。
そもそもここがラブホテル街になった起源は、元々は旅館街だったからなんだとか。
ここには山谷などでみられる簡易宿泊所が集まっていたそうです。
上野駅まで徒歩圏内である鶯谷は労働者にとって好都合の場所でした。地方からどんどん人が来るため旅館も増えていったのでしょう。都市の発展のため出稼ぎ労働者も多かったのでしょうが時が経つとともに徐々に減っていき、旅館経営が立ち行かなくなりました。その結果、いつしか連れ込み宿に業態を変え、今の風俗街が形成されたようです。
ふれあいの街「鶯谷」。これは「おさわりOK」ってことでしょうか。
アイラブうぐいす谷。
ここは治安が良いそうです。日中は比較的人通りがあり、夜は夜でデリバリーの人たちが往来しています。
痴漢で捕まるリスクより対価を払ったほうが良いため性犯罪も少なそうです。駅前から危険な香りがプンプンするので警察の目も厳しく、犯罪率が少ないのかもしれません。治安が良いため女性にもおススメみたいなに言われていますが、なかなか住みづらいですよね。
細い路地の中にホテルや風俗店があります。
ホテル街の中にある神社「元三島神社」。ホテルと無料案内所に囲まれている神社は珍しいです。お参りしていきます。
尾久橋通りを越えた先もホテル街が広がっています。
正岡子規の邸宅であった子規庵。現在はコロナの影響で内覧は出来ないようです。
子規(しき)は「ホトトギス」とも読むそうで、正岡子規は結核で34歳の若さで亡くなりました。ホトトギスは血を吐くまで鳴き、口の中が赤いと言われたため、結核を患った子規は喀血した様子をホトトギスと重ね屋号としたそうです。ウグイスにホトトギス。なんだか鳥に縁がありますね。というより正岡子規って34歳までしか生きてないんですね。34歳で100年以上経った今でも語られるってすごい人なのでしょう。
もともとこのあたりはラブホ街でも風俗街でもなく、料亭が軒を連ねる根岸三業地と呼ばれる花街だったんだとか。まぁそれが今の姿へと変貌を遂げた一つの理由かもしれませんが、もう少し文化的な街だったそうです。とはいってもアダルトな街であったのは昔からのこと。そこに住んでいた正岡子規もそういうのが好きだったのかもしれませんね。おさわりオーケーな店とか出入りしていたのでしょう。
駅の近くにある公衆浴場「ひだまりの泉 萩の湯」です。見た目はスーパー銭湯ですが公衆浴場なので490円で入浴ができます。しかも食事もとれるのでほぼスーパー銭湯と同じ。都内で最大級の銭湯なんだそうです。さらには銭湯では珍しくタトゥー禁止なんだとか。
銭湯は公衆衛生のために用意された公共性の高い施設です。公共施設なので税金などの免除や優遇があります。水道代は実質無料。固定資産税も一部免除、さらには補助金も出るそうです。これら部分は国や地方の税金でまかなわれています。優遇される代わりに料金が一律で決められていたり、スーパー銭湯と違ってある程度制約が課せられています。
スーパー銭湯の場合、ほとんどのところがタトゥー禁止です。歌舞伎町にあるスーパー銭湯は男性はタトゥー禁止、女性はオーケーという明らかな男女差別をしているところもあります。まぁ場所柄歌舞伎町はカタギじゃない人が多いですからね。
でも公衆浴場は刺青で入浴拒否をするってところって少ないです。川崎市ではそのようなところはありませんでした。また東京でもここと月島にある銭湯の二軒だけしかないそうです。
刺青があると風呂に入れないってしちゃったら公衆衛生上の問題も出ますからね。銭湯の存在する意義を真っ向から否定しているようなもんです。まぁ今更銭湯に公衆衛生を求めるってのが現代的では無いのでしょう。そもそも公衆衛生における公衆浴場が不要な時代ですからね。
刺青禁止を掲げている都内二か所の銭湯の考えも理解できなくありませんが、それであればスーパー銭湯になるのが変な摩擦も起きずに済むと思うのですがいかがでしょうかね。
鶯谷にある公衆浴場が刺青禁止にしている理由って、ここは歌舞伎町と同程度の危険地域なのでしょう。
なんとなく歌舞伎町二丁目に雰囲気が似ている感じもします。
そういえば鶯谷には「鶯谷デッドボール」というちょっと変わった店があります。詳しいことはネットで検索してみればわかりますが、この店を知った時衝撃を受けました。
この手の商売は高齢者や容姿がファニーなキャスト好まれず、若くてかわいい人が人気です。一般的に考えて利用者は美人を選ぶわけですが、その美人の定義は人それぞれ。かならずしも皆が同じ人を指差すわけではありません。
この店は一般的に一般的では無い人に焦点を当てているのです。いわゆるニッチ市場を狙ったのでしょう。
「若くてかわいい子多数」とか「容姿端麗で美人」といった感じで自社のコンテンツを褒めるのが普通ですが、デッドボールは「レベルの低さ日本一の風俗」といった具合にマイナス要素を前面に出し、自ら「地雷店」を名乗ってるんです。
そんなところ、一度は行ってみたいじゃないですか。
まぁ地雷店を名乗るところに行く勇気はなかなか出ませんよね。
でもユーチューバーとして、生業としてであれば突撃すべきでしょう。
正岡子規が愛した鶯谷繁華街。今宵、地雷を踏みに街に繰り出します。
と思いましたが、youtubeでアップロードできないコンテンツでした。