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日暮里駅そばにある人気銭湯、三助のいた「日暮里斉藤湯」

日暮里駅そばにある人気銭湯、三助のいた「日暮里斉藤湯」

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2020年、新型コロナウイルス蔓延により自粛の期間が続きました。隣県への移動は好ましくないため自宅で過ごす人も多かったようです。私もできる限り外出はせず外食はせずに自炊をし、神奈川県から出ませんでした。多摩川の向こう側は東京。すぐ目の前にあるのにも関わらず、その橋を渡ることが禁じられていたのです。

このように規制がありましたがその中で楽しんでいました。私はこの期間中に銭湯に目覚めたのです。

銭湯は公衆衛生を保つために必要な施設。そのためコロナ禍でも規制されませんでした。たまたま立ち寄った銭湯の雰囲気が良かったので、せっかくならば市内全てを巡ろうと川崎市にある35軒の銭湯に行きました。全ての銭湯を巡った後も地方に行った際はその土地土地の銭湯に行くことに。
洗い場があって湯船があるのはどこの銭湯も同じですが、お風呂の大きさや天井の高さ、湯温など店舗によって全然違うため銭湯巡りって結構楽しいんですよね。そんなわけで今でも週一ペースで銭湯に行っています。

そもそも私は湯に浸るのが好きだったのです。
箱根に行けば温泉に入り、川崎堀之内に行けばお風呂に入る。湯とは切っても切り離せない関係なのでしょう。

こちら、日暮里にある銭湯、日暮里斉藤湯です。この銭湯はずっと前から行きたかったのです。この銭湯に行きたかった理由はここには日本で唯一「三助」がいる銭湯だったからです。

銭湯の仕事は釜炊きや掃除、番頭業務など営業中は結構作業が多いです。店主ひとりで回すのは難しいため助っ人が必要でした。三助は番頭の手助けをするサポーターだったようで、昔はどの銭湯にもいたのでしょう。しかし内風呂の普及、釜炊きのオートメーション化により三助を必要としなくなりました。でも日暮里斉藤湯では唯一三助がいる銭湯だったのです。そんな三助に会いに行きたかったんです。

裏方の仕事を担っていた三助ですが、有料で空き時間に客の背中を流すサービスをしてくれるんです。それが三助の収入源で、江戸の頃は人気のサービスでした。男湯だけでなく女湯でもそのサービスをしていたそうです。
人に背中を流してもらうなんて滅多にないですからね。そういったサービスを受けたかったんです。ここ日暮里斉藤湯ではそのサービスが受けられたのです。
しかし日暮里斉藤湯の三助は2013年に引退してしまいました。もう三助が消えてから10年経っています。あの時行っておけばと後悔しています。

目黒区の緑が丘に「みどり湯」って銭湯があり、そちらでも三助サービスをしていたのですが、こちらの方も終了していました。現在銭湯でこの手のサービスは受けられない状態です。

三助にはもう会えない日暮里斉藤湯。でもせっかくここに来たんだからひとっ風呂浴びていきます。入浴料は500円。コロナ以降毎年のように入浴料が値上がりしています。公衆浴場は補助がありますが、それだけでは厳しい状態なのでしょうね。今後も値上がり続けそうです。
三助がいる銭湯だったので古い昔ながらの浴場をイメージしていましたが2015年にリニューアルしたそうでキレイです。湯船はジェットバス、電気風呂、炭酸泉、熱湯、水風呂、露天風呂があり楽しめそうですが、スゲー混んでるんです。オープン直後に行ったのに芋洗い状態。湯舟が空くのを待たなければなりません。なんかせっかく大きな風呂に入りに来たのに縮こまって入らなきゃダメな状態です。それだけ人気のようです。
湯温は大分低いです。おそらくこの低い温度が人気の理由なのでしょう。ゆっくり入る人が多くなるから混雑する原因でもあるのでしょう。
昔ながらの銭湯ではありませんが新しい設備でスーパー銭湯のようなサービスが500円で受けられるためそれも人気の理由なのでしょう。空いてる時間帯に行けばのんびりできそうです。

三助はもういませんが、いい湯でした。

三助は背中を流したり入浴を介助してくれる人。今でも新吉原に行けば似たようなサービスをしてくれる浴場があります。
もともと江戸時代に入る前は湯女が背中を流すサービスをしていたようですが当然過激化して性的なものへと変化しました。当然そんな状態となれば規制されるわけで江戸時代に入ってからは男性三助になったようです。そして昭和となり、また湯女に戻る。現在で三助サービスを受けるためには特殊浴場に行くしかないわけです。

私はこれまで何度も“三助”に背中を流してもらっていますが、あちらは「身体を洗う」のではなく「心を洗う」ところです。ちなみにここ日暮里からでも新吉原まで送迎してくれる特殊浴場があるそうです。つまり私はこれより心を洗いに送迎の車に乗ることになるのでしょう。

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