Youtube動画配信で使う楽曲の著作権侵害問題
動画制作で一番注意しているのは著作権です。
とくにBGMはかなり注意しています。権利関係は法律を勉強していないと難しいですよね。
以前バンコクの市場で調理をしている動画をアップしたのですが、屋台で流れているBGMが著作権の侵害にあたりました。私からすればたまたま流れていた環境音の一つなんですが、著作者がいる以上そこには著作権が存在し、勝手に使用できないのです。そのため最近はYoutubeが用意している音源と大手のフリーBGMを使っています。
一番安全なのはやはりYoutubeが用意している音源です。
オーディオライブというサイトで1500曲ほど用意されています。ジャンルごとにソートをかけられるのでよいです。ただ日本人向けではないってのが玉に瑕。音楽って全世界共通ですが、日本人が聴きなれた音楽って存在するんです。そのような曲は日本人にしか作れないのでしょう。そのため外部のフリーBGMサイトを利用しています。
DOVA-SYNDROMEというサイトで有名ユーチューバーも利用しています。
作曲者によって規約に差があるものの基本的には何もせずに利用できるものばかり。
しかし著作権侵害の申し立てがありました。
ただ、私は著作権を侵害していないんです。
この動画に入れる予定だった曲は「軍艦行進曲」です。通称軍艦マーチ、パチンコ屋でかかっているアレです。最近のパチンコ屋に行っていないので、もしかしたらもう流れていない曲なのかもしれませんが、昔のパチンコ店のメインテーマといえばフォースクエアのトゥルースか、軍艦マーチでした。
ジャンジャンバリバリのアナウンスを添えて。
私は軍艦マーチを動画に使いたかったのです。
軍艦マーチができたのは今から120年前の1900年。海軍軍楽師の瀬戸口藤吉氏の作った曲でした。瀬戸口氏は日本行進曲の父といわれています。
日清戦争が終わりこれより日露戦争が始まろうとしていたときでした。戦争で重要なのは最新兵器でも屈強な兵士でもなく「士気」です。その士気を高めるため軍歌は重要だったのでしょう。富国強兵を願い作成した軍艦行進曲が、まさかパチンコ屋のジャンジャンバリバリの掛け声とともに流れる曲になるとは作者も思わなかったでしょう。名誉を傷つける行為であり作者は著作権侵害を訴えてもよいと思うんです。でもこの曲は瀬戸口氏の死後50年を経過した1991年に著作権保存期間が終了し、パブリックドメインとなっています。
パブリックドメイン、つまりは公共に帰した。誰からも愛された曲は皆で共有しようってことです。
軍艦行進曲は1967年以前に作者がなくなっているためそれ以前の著作権法が適用され死後50年になっていますが、現在は環太平洋パートナーシップ協定により著作権が切れるのは70年となっています。そのためミッキーが2023年末で著作権が切れるそうです。まぁ切れないんでしょう。
だって彼は夢の国の者ですから ハハッ!!
ミッキーは著作権は切れないのでしょうが軍艦マーチは既に切れています。
つまり音源に使っても何ら問題ないんです。そんなわけで動画に使用しました。
海上自衛隊のサイトに軍艦行進曲の楽曲があります。しかも自由にダウンロードでき、使用してよいとのこと。
おそらく海上自衛隊の楽団が演奏しているのでしょう。プロが演奏しているものを自由に使えるとは太っ腹です。ってわけでダウンロードして動画に挿入しました。挿入した動画をアップロード。
しかしここで問題が発生しました。
軍艦行進曲が著作権に触れるとのこと。
訴えてきてるところはCOLUMBIAの代理のCASHとMUST_CSってところ。
COLUMBIAとは恐らく日本コロムビア、つまり日本のレコード会社。CASHとMUST_CSってところは香港と台湾の著作権管理会社のようです。調べたところCASHとMUST_CSは著作権管理団体「JASRAC」と管理契約を結んでいるようで「COLUMBIA⇒JASRAC⇒CASH,MUST_CS⇒Youtube⇒私」という流れで訴えがきているようです。
全然解せない。
だって軍艦行進曲って大日本帝国軍の曲でしょ?著作者がいたとしても死後80年を経過しているんです。
そんな曲に対しどこの馬の骨ともわからない三国人が訴えてきてるってのが納得できない。やはり軍歌への抵抗でしょうか。
そりゃ異議申し立てしますよね。著作権が切れている旨を伝え異議申し立てをしました。
ちなみに異議申し立てをせずとも動画は配信できます。ただ収益化した際、著作権所有者を名乗る人に対し収益が行くシステムになっています。そのため悪徳業者の中には権利者でないのにも関わらず、著作権侵害と訴えてくるところもあるようで、そういうのがyoutubeでは横行しているみたいです。
ただ今回のはそうではなく、おそらく「著作隣接権」によるものだと思われます。
著作権は著作者が所有し死後一定の年数が経つと消滅しますが、著作隣接権はその楽曲の演奏者が所有する権利です。例えば君が代は著作権がありませんが、GACKTが歌う君が代には著作隣接権があるのでしょう。今回の訴えはCOLUMBIAが管理する演奏者による楽曲とみられたため、このような訴えが来たのでしょう。
私は国の機関から許可を得てダウンロードしているため著作隣接権に関しても問題ないんです。つまり「似てるから差し止めた」ってだけなのでしょう。そのため異議申し立てをしたのですが、相手方からの回答は30日間の猶予があります。その間待ち続けなければなりません。相手からの回答がない場合は異議を認めたとして訴えは棄却されるようですが、結局30日間待たなければならないのです。
1000人達成記念の動画。今後収益化するかもしれないってタイミングの著作権問題。
仮に権利侵害ではないとしても30日間宙ぶらりんの状態は不安ですよね。そのため動画の音声は差し替えました。
やはり今後も音源はYoutubeが用意したものを使うのがよさそうですね。
その方が気兼ねなく使えます。ただすでに異議申し立てはしているため、その後どのように処理されるか気になったので様子を見ていました。
一般的には異議申し立てをして数日後には相手側から何らかのアクションがあるそうですが、今回は何に連絡もなく30日経過しました。30日間相手が今回の異議申し立てに対する異議申し立てをしなければ「異議がない」とみなし、著作権侵害がない扱いになるわけです。
30日間経過し、私の異議申し立ては受理され著作権侵害ではなくなりました。おそらく機械的に弾いているのでしょうね。そして面倒だから対応すらしないのでしょう。クソみたいなシステムです。
今は出来る限りフリー音源だけにしています。たしかにBGMが良いと動画の質も上がるのでしょうが、この手の面倒なリスクがついて回るのは避けたいです。
恐らく今後は大丈夫でしょう。
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