運河沿いのムスリムタウン バングラデシュ難民の多いスラム「トプシア」
こちらはJBSハルディーンアベニューで上を走るのはイースタンメトロバイパスです。コルカタの東西をつなぐ道路で交通量が多いです。本日はトプシアってところに来ています。
コルカタ東部にある住宅密集地域「トプシア」。
トプシアの人口は10万人。インドでは8割がヒンズー教徒ですがこの界隈は90%がイスラム教徒のムスリムコミュニティーのようです。イスラム教とヒンズー教は宗教対立をしてますが多宗教文化が根付くコルカタでも争いが起きないように住む場所を分けています。
トプシアはムスリムタウンなので街中ではムスリムっぽい人を見かけます。
ムスリムタウンとなったのは1971年におきたバングラデシュ独立戦争後。パキスタンを支持した一部のムスリムが難民としてインドに逃げてきたそうです。この辺の話は複雑なので私は詳しく説明できませんが全てはイギリスのせい。
そんな感じです。だいぶ雑な説明。
遠くに見えるのは建物はアトモスフィアという高級住宅です。2017年にできた高層マンションで高さは39階建ての152m。コルカタで4番目に高いタワーマンションです。
見た目はほぼマリーナベイサンズ。というよりマリーナベイサンズを模しているそうでこの34階に設けられたスカイブリッジにはスパやサウナやプールのほか会議室などがあり住人が利用できるようになってるんだとか。
部屋の価格は3憶から。値段もかなり高めです。
インドの平均月収は中央値だと6万円ほど。格差はかなりあり月収1万円の人もいれば月収が100万円を超える人も結構いるようです。中間層は月収17万円程度。中間層では買えそうにないタワーマンション。ここはお金持ちエリアなのでしょう。
コルカタはイギリス植民地時代に栄えた街でフーグリー川の辺りが市街地となっています。トプシアは湿地帯のため未開発エリアでしたが近年になり埋立られ再開発地域となっており大きなマンションもでき高級住宅地化しています。
でもそのような建物のそば。薄暗い路地がここにはあります。
ドクターBNデイロードの南側、運河に沿って小屋が軒を連ねています。
亜鉛メッキ鋼板の屋根、合板の壁、布やビニールシートの粗末な壁。各小屋に窓はなく出入り口があるだけ。その出入り口には扉もありません。
こちらはトプシア運河沿いのコミュニティー。700世帯、約5000人が住むスラムです。ここに住む多くがムスリムで西ベンガル州やインド北部からの移住者です。IDを持っていないため行政サービスが受けられない。
また不法建築のため上下水道もありません。トイレがないため野外排泄しかない。河川で用を足すのでしょうか。
水は目の前にあるのにその水は汚染されています。電線が通っているので電気はあるようですがガスはなくチュルハを使って料理をしてます。
キオスクのような小売店は何店舗かありますが商店は少なく住宅街の中の通りといった感じです。その割に街路には結構人が出ています。
家の中は狭く薄暗いため日中は外にいるそうです。これに関してはホームレスの人に昔聞きました。
私は川崎駅の近くに住んでいた時期がありその時にホームレスの人と知り合いになりました。
まるで川崎に住むとホームレス友達ができるみたいな言い様。川崎に住んでいても普通は知り合いにならない。
たまたま駅前の屋台で飲んでいたらそのホームレスの人がおごってくれたんです。
ホームレスから物乞いするやつ。ほぼ軽犯罪法違反。
その人の家に遊びに行ったこともあります。
多摩川に住むホームレスはホームレスなのにホームがあるんです。
多摩川沿いにある家。家ではなくブルーシートで覆われただけの建造物。当然採光はなく雨風をしのぐための小屋。日中でも小屋の中は薄暗いんです。暗い小屋の中にいると気が滅入るため昼間は外にいるんだとか。
ここのスラムは電気が通っているようですが多くの人が日中は外で生活するのでしょう。
ここに住む人の多くはゴミ拾いを生業としておりそういったコミュニティーのようです。
新宿に住んでた時に出会った戸山公園のホームレスもゴミ拾いを生業としていました。
ホームレスの知り合いがなぜか多い。
ゴミ拾いやぼろ拾いを生業とする。この界隈は貧困層が住むエリアなのでしょう。
コルカタは中心地にホームレス小屋を見かけます。中心地の方が仕事もあるし生活しやすそうですがヒンズー教徒が多い地域には住めないのでしょう。
ムスリムタウンの中にあるムスリムのスラム。
宗教で対立が起きないようにちゃんと区分けしているようです。
日本だと宗教的な対立は少ないしインドのように宗教コミュニティーはありません。
あるのは奈良の天理市の天理教、静岡熱海の世界救世教、東京信濃町の創価学会。
宗教都市、結構あった。
まぁでも戒律は厳しくないのでしょう。でもイスラムもヒンズーも厳しい戒律があります。
牛肉食べなかったり豚肉食べなかったり、あとお酒も飲まないですからね。
インドに来てから結構な日数が断ちますが豚肉も牛肉(水牛以外)も食べておらず、お酒を口にしていませんでした。
コルカタは暖かい地域。
酒も飲みたくなる気候です。
ってわけで飲みに来ちゃいました。こちらはトプシアにあるバーです。
イスラムの戒律、度外視。
ムスリムタウンそばにバーがあるんです。
インドで飲み屋を営業するって大変そうですがお昼の時間でも結構お客さんがはいっています。雰囲気の良いオシャレなバーです。
同店は2016年オープン。幹線道路沿い駅からも遠いムスリムだらけ。明らかに立地が悪いところですがコロナ禍を乗り越え絶賛営業中です。どうやら人気のバーなんだとか。
ここであればおいしいお酒が呑めそうです。
ってわけでビールを注文しました。
今回のインドの旅ではじめてバーに行きます。インドではお酒を目にする機会が少ないです。一部の州では酒の販売が禁止されビハール州は所持や持ち込みも禁止されてます。ほぼ麻薬のような扱いです。お酒を飲む習慣がないのは宗教上の理由でしょう。イスラム教だけでなくヒンズー教も酒は禁忌です。
レストランや定食屋には酒は置いてなく小売店でもお酒は取り扱っていません。では一切飲まないかというとそうではなく街の中には酒屋が存在します。酒屋といっても日本のような店ではなく店は鉄格子がされており中に入れません。店先で商品を頼みお金を渡すシステム。なんか裏取引している感じがします。
ぱちんこの景品交換所みたいなところ。まるで景品交換所が裏取引みたいな言いよう。
外国人向けの酒屋ってわけではなくインド人向け。宗教上禁忌とされても飲む人は飲むのでしょう。そもそもインドはビールやラム酒を製造しておりラム酒のオールドモンクは世界で人気銘柄です。
ちなみにインドのアルコール消費量は世界9位でスピリッツに限ると中国に次いで二位なんだとか。
まぁ人口が多いってのが上位の理由ですがそれなりに酒は飲んでいるようでとくに若い世代は飲酒文化が浸透しています。スピリッツが人気の理由はビールより酔えるから。
アル中の考え方。
私はインドについてからお酒を飲んでません。
別に禁酒をするつもりはなくただ単にめんどくさかったから。
酒屋で買ってホテルで飲むにしても泊ってるホテルが安宿なので酒を飲む気分になれない。飯を食うのも屋台か定食屋。とうぜんそんな店には酒が置いてない。このようにお酒に触れる機会がなかったのです。
でも、飲みたいですよね。
インドのラム酒もよいけど、やっぱりビールが飲みたいんです。
ここ、インドですよ!
それだったらIPAを飲むべきじゃないですか!
インディア・ペールエール。
ポップの苦みが強い上面発酵のビール。
インドがイギリスの植民地だったころ駐在イギリス人のために作られたのがIPAです。イギリスで製造したビールをインドに運ぶのですが当時は冷蔵設備がなく輸送は船だったため味が悪くならないようアルコール度数を高めて防腐剤の代わりに多量のホップを入れたそうです。そのためIPAは苦みの強く度数が高いのです。
日本でもIPAは飲めますがやっぱり飲むならインド。そして首都だったコルカタで飲むべきでしょう!
ってわけでこちらの店に訪れました。
コルカタのバー。IPAビール、絶対あるでしょう。
と思っていたのですがありませんでした。
厳密にはメニューにあるのですが売り切れでした。
こちらの店はブルワリーも兼ねており店内で醸造しているようです。その時により製造するビールも変わるのでしょう。
こちらのビールはドイツスタイルのピルスナー。
イギリスも関係ないしエールでもねぇ。
苦みが弱めでフルーティー。さっぱりしていて飲みやすい味。IPAとは真逆のビールです。万人受けする味だしインド人の好みなのでしょう。
そもそもインドではビール消費量は少なくビールよりもスピリッツが好まれるようでビール文化が根付いていないようです。クラフトビールも飲まれるようになったのはここ15年くらいからなんだとか。
そんなわけでクセの強いビールよりも万人受けするほうが好まれるのでしょう。
こちらはシードルです。
最後にシードルを飲んだのは青森に行ったとき日本ではあまり馴染みのないシードル。こちらはインド産のりんごを使用してるそうです。
シードルも飲みやすく万人受けする味です。