消えてなくなる昭和遺産!再開発で生まれ変わる緑区中山「昭和レトロ街」
本日は横浜市緑区にある中山駅に来ております。JR横浜線と市営地下鉄の乗換駅である中山駅。
市営地下鉄は2008年開業なのでまだ20年経っていないんです。でも横浜線が開業したのは明治のころ。
絹製品の一大産地であった八王子から横浜港をつなぐ絹の道。絹の道に沿う形で1908年に横浜線が開業しました。
いまいちピンと来ない駅ですが横浜線開業当初からある中山駅。歴史ある駅なんでしょうね。
こちらに中山商店街とかかれたアーチがあります。明治末期からある中山駅ですが商店街ができたのは戦後でした。戦前は商店街はなく田舎だったのでしょう。現在は使い勝手のよい場所になりました。
中山駅最寄りにはズーラシアがあります。野毛山動物園を移設するためにつくられたズーラシア。
結局野毛山動物園は残ったままでズーラシアは1999年に開業しました。
25年も前からあるズーラシアですが神奈川県民なのに一度も行ったことがありません。そもそも中山駅で降りたのも初めてでした。せっかくなんで動物園に行ってみようと思いましたがズーラシアの最寄りなのにけっこう遠い。
片道3.5kmの距離。どうやらバスで行くようです。
ほぼアマゾン奥地のような秘境にあるズーラシア。
子供でもいれば動物園に行くのでしょうがこの年になると行く機会もなくなります。私が最後に行ったのは、大阪梅田にあった兎我野動物園です。
それはたぶんヘルス店。
こちらは駅に併設されている商業施設「ビーンズ中山」です。もともとは「ロンロン中山」って名前で1985年に開業しました。バブルがはじまる少し前にできたお店です。歴史を感じますね。
吉祥寺ロンロンの流れを汲む店だったようですが2013年にビーンズ中山に名称変更しました。ロンロンってなんか名前がロンドンみたいですね。
ズーラシアがあるので週末は家族で賑わう中山駅。
そんな中山駅そばにはロンドンがありました。
まさに昭和のバブルの頃の店。まさかのロンドンが中山にはあるんです。
今日はロンロン中山でショッピング、その後はロンドン中山A館ってのができたんです。昭和の末期が全盛期だったキャバレーロンドン。こちらは看板が残ってますが閉店した模様です。
地下一階の入り口はベニヤ板で閉鎖されています。閉店したっていうか閉鎖されてる感じ。摘発でもあったのでしょうか。
キャバレーと名乗ってますが本質はピンサロのロンドン。かつてはテレビでCMまで流していましたが飯食うところでパンツ脱ぐ店でした。
一般的なロンドンは手か口でしたが特殊な手法を取り入れたロンドンもありました。しかしそれらの店は摘発。また飯食うところでパンツ脱ぐのが好まれなかったのでしょう。全国にあったキャバレーロンドンは壊滅しました。
私が最後にロンドンを利用したのは2006年。川崎のいさご通り沿いにあるロンドンでした。しかしそちらもいつの間にか閉店していました。
中山のロンドンはいつ閉店したのでしょうか。10年以上前には閉店してそうな感じがします。しかし閉店後も看板は残ったまま。
ピンサロがあったところに入居する店がないのか。それとも日本昭和遺産として残そうとしてるのか。
たぶん昭和を残そうとしているのでしょう。
どうやら中山がある横浜市緑区では昭和らしさを大切にしつつ、誰でも優しい商店街づくりを目指してるんだとか。
まさにキャバレーロンドンは昭和らしさの代名詞。いつか復活する日が来るようです。
こちらには緑新栄会とかかれた看板があります。駅から少し離れたところにある飲み屋街です。
中山駅はJR横浜線と横浜市営地下鉄の乗換駅。中山は横浜のベッドタウンのようなところですがそうではなくこの界隈は工場街で駅北側の恩田川沿いは工場が今でも残っています。
海に面しておらず中途半端なところですが東海道新幹線の新横浜駅まで3駅の中山。平坦なため工場を誘致するには適していました。
田畑だったところに1960年頃から工場が増え、80年代には白山ハイテクパークという企業団地もできました。高度経済成長期からバブル期の頃は多くの人が中山駅を利用したのでしょう。
仕事終わりに一杯ひっかけるってのが昭和時代のアフターファイブ。それを叶えてくれるスポットが中山にありました。それが緑新栄会です。
こちらはスナックや居酒屋が軒を連ねる飲食街。
現在40軒ほど飲み屋があるんだとか。
1960年ころにできた飲み屋街。まさに労働者のための街です。60年経った今も飲み屋街として生き残ってます。
ちなみに緑新栄会は緑区遺産に認定されてます。緑区遺産は区内にある有形の歴史・文化的資源でその価値が地域に認められているものを登録し、区がPRなど支援する取り組みなんだとか。
緑区はロンドンを残そうとしている。
でもかつての状況とは変わってきているようです。最盛期の頃は80軒以上あった飲み屋ですが不景気により付近の工場が閉鎖。客足は遠のき、飲み屋は半分ほどに減りました。
中山にはリクシルの横浜工場がありましたがそちらも2023年に工場が閉鎖しました。
アルミサッシの工場でしたが住宅着工数の減少を見越して閉鎖したようです。跡地にはマンションができるのでしょうか。
すげー矛盾している!
横浜線で新横浜にも出れるし横浜にもいける。
横浜市営地下鉄に乗ればごちゃごちゃってしたところにも行ける中山駅。住まいとしての利便性がよくなったのでしょう。
中山駅の北口側は工場が多くありましたが工場閉鎖後の跡地には住居ができているようです。リクシル跡地にできるのも住居なんでしょうね。
かつては仕事終わりに飲みに行ってましたがそういう人がいなくなり利用者も減りました。そのため駐車場や廃虚っぽいのが目立ちます。
駐車場の脇に小さなプレハブ小屋があります。てっきりパチンコの景品交換所かと思いましたがこちらにもかつて飲食店がありました。
この雰囲気はよさげな予感がします。
創業40年のプレハブ居酒屋。しかし店主が亡くなられたそうで昨年末に閉店したそうです。もう少し早く来ていればこちらで飲めたんですね。
ちなみにこの店、吉田類の酒場放浪記でも来ているようです。
飲み屋街に行くと必ず遭遇する吉田類。
こちらはスナックかキャバクラでしょうか。川崎にも似たような名前の店がありますがそちらの系列店なのかな?もしそうだとするとロンドンと同じ業態のはず。でも調べたところ普通のキャバクラでした。どうやらこの街はそっち系の店がないようで普通の飲み屋街です。駅前にロンドンがあったってことはかつてはそれと似たような業態の店もあったのかもしれませんが住宅密集地の中山には不要とされたようです。
それでもキャバクラはあるんですね。
新しい飲み屋もありますがなんとなく昭和の空気が流れる緑新栄会。
現在中山駅南口は再開発がはじまろうとしてます。
JRと地下鉄が二路線ある中山ですが駅南側は電車が通っていません。そのため多くの人がバスを利用するようで一日400本のバスが駅前を出入りします。しかし駅前の道は狭く通勤時間帯は混雑します。歩道も狭いため危険な状態になっています。そのため駅前再開発が決定しているんだとか。感染症などの影響で工期が遅れてますが2029年には完成するそうです。
飲み屋街の周りには廃墟や駐車場が目立ちますがこの界隈は駅前ロータリーとなります。
駅東側には6階建ての商業施設が、西側には29建てのマンションができるそうです。益々中山駅が賑わいそうですね。
再開発により飲み屋街の様子も変わるのでしょう。ちなみにキャバレーロンドンに関してですが開発地域ではありませんでした。
これはまだ看板が残りそう。
そもそもロンドンのあるビルの名称は三経8ビル、ロンドンの運営元の所有でした。もしかしたら令和11年に、キャバレーロンドンが復活するかもしれません。