山林生活

なぜバラナシはバックパッカーの聖地なのか?現地に行って理解した。

なぜバラナシはバックパッカーの聖地なのか?現地に行って理解した。

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こちらはバラナシ駅です。
バラナシはヒンズー教徒の聖地でありバックパッカーの聖地。旅行者としては一度は来るべき場所です。

結論から言ってしまうとバラナシはもういいかな!って感じです。その「もういいかな」のお話をこれからします。

まずはこれよりバラナシ観光をしていきます。観光といっても何かあるわけではありません。バラナシはヒンズー教の聖地でヒンズー教徒が多く集まる地域です。母なるガンガーに行くのがヒンズー教徒の喜び。そんなわけで多くのヒンズー教徒がここの集まります。めちゃくちゃ混んでるんです。

右を見ても左を見てもインド人。

観光地では人込みを避ける。それはスリのリスクを回避するためですが人ごみを回避できる余裕が一切ないんです。仏教徒とってそこまで重要ではないバラナシ。でもせっかく来たんで楽しみたいじゃないですか!

こちらがガンジス河です。
ヒンズー教徒の人は死んだらここに流されたいんだとか。

日本の仏教は遺骨をお墓に入れる。
イスラム教やキリスト教はそのまま墓に入れる。
宗教によって死者の取り扱いは異なりますがヒンズー教は遺骨にして川に流すんだとか。

輪廻転生の考えがあるヒンズー教。川の微生物によって分解されそれが肥沃な大地を生む。散骨は現実的にも輪廻転生をしています。墓は土地問題や管理にコストがかかるのである意味川に流すのが一番正しい気がします。

私は数年前に墓じまいをしました。墓にあった先祖の遺骨を粉砕し散骨をしたのです。

私の生まれは神奈川県川崎市。川崎は多摩川に沿って発展した都市。

市民の心、多摩川にあり。

なんてったってゴミ収集車の曲である好きですかわさき愛の街の唄い出しは「多摩川の明ける空から」なんです。川崎市民にとっては多摩川は聖地そのもの。それであれば先祖の遺骨を母なる多摩川に捨て...散骨しようと思ったのですが多摩川を管理する国交省に確認したところ骨をまくのは控えて欲しいと言われました。

これはガンジーでも助走つけて殴るレベル。

インドでは川に流してもよいのに日本ではダメなんです。まるで遺骨をゴミ扱いされてるんです。
国交省は極悪非道。血も涙もない。信仰の自由すら守られてない。死んだあとすら自由にしてくれない悪魔。そんなわけで遺骨は千葉沖まで持っていき捨て...散骨しました。

こちらはマニカルニカー・ガートです。
ガートとは沐浴ができる場所って意味のようです。要は海水浴場的な意味。また葬礼の場としても用いるんだとか。

海水浴している場合じゃない!

とくにここマニカルニカー・ガートは特殊です。ここは火葬場なんだとか。
私が立ち寄ったのは早朝ですがここでは24時間火葬をしているそうです。

入場料は無料。
誰でも荼毘に伏される姿を伺えます。ガッツリ人の形をした燃えカスが見れるところ。これが観光の一つになっているようで詐欺師がこの周りには多くいます。
イスラム教やキリスト教にとっては不思議な光景ですが仏教徒にとっては不思議ではありません。まぁ野焼きってところは考えられませんし人が燃えるところを目の前にするのは異質ですがそこまで衝撃は受けませんでした。

死者が輪廻する。ただそれだけのこと。

バラナシに来たらガンジス河で沐浴をしろ!なんだったら沐浴するのが観光の一つです。でも近くでは遺体を流しているしウンコも当然のように流れているガンジス河。さすがに沐浴をするのは衛生面でひけますがガンジス河で沐浴すると全ての罪が洗い流せるんだそう。

これは浴びるしかない!

衛生面とか気にしている場合じゃない!
全ての罪が流れるんでしょ!?
不起訴になったあの罪、起訴猶予になったあの罪。
僕は検挙されただけ。罰せられてない。

でもそれは、罪なんです。

それらが水に流せる。ゼロになるんです。

ガンジス河、まじスゲー。

とりあえず何かあったらガンジス河に来ればよい。それで全てが無しになるんです。水に流すとはまさにこのこと。
もしガンジス河に入ったのに捕まったらシヴァ神訴えてもよいレベルです。

でもガンジス河、感染症とかけっこう酷いんだとか。実際にウンコも流れているガンジス河。ちなみに人は骨にして流しますが妊婦や未熟児はそのまま流すそうで、たまに人が流れているのを見ることも。有機物が多く流れるガンジス河、あまり衛生的じゃないですよね。ほぼ下水の中に入るのと同じなんです。罪を流すのが命がけ!

それらを知ってもなおインド人は沐浴をしてるんです。

これはインド人、かなり罪深い。

ガンジス河の色、茶色なんです。カレー色の河川かウンコ色の河川か。

バラナシって田舎だから上流だと思うじゃないですか。でもデリーよりも下流なんです。デリーを見てきた身としてはこれに沐浴するのはうんこ食べるのと同レベル。でも私もせっかくここまで来たんです。これまで行ってきた罪、ここで流しましょう。

でも感染症が不安なので靴の裏だけ清めます。

コイツうんこ清めてるだけ!

バラナシには一泊します。
予定ではバラナシの滞在は長めに考えていました。しかし人が凄い多いんです。まぁ多いとは思っていたんですが規制されるほど多いんです。

インド、ずっと人多杉。

これが凄いしんどいんです。
それとホテル代がかなり高いんです。

安ホテルで8000円くらい。ゲストハウスでも3000円くらい。日本と同じくらいの金額です。

宿泊費が高いわりに主だった観光スポットもない。それでもバラナシはバックパッカーの聖地なんです。

たまたま来訪者が多い時期だったのか、それともかつてのバラナシではなくなったのか、何がよいのかわからないバラナシ。でも多くの日本人旅行者を虜にしているのです。

こちらには日本人宿がありました。
日本人向けゲストハウス「久美子の家」
1982年頃に安宿として開業。一晩500円で宿泊できる激安ゲストハウスです。でも現在は休業しているそうです。本当であればここに宿泊したかったんですが昨年から休業しており5年ほど休業するんだとか。
かつてはこの宿に一晩で60人くらい日本人が宿泊していたそうです。それだけ日本人が多くバラナシにいたのですが、はたしてバラナシの魅力って何なんでしょう。

火葬場のあるマニカルニカー・ガートより500m上流にあるダシャーシュワメード・ガート。ここがバラナシで一番有名なガートのようです。写真で見るバラナシも大体ここで撮影されてます。

ガートに行く道は参道になっており出店が出ています。なんかお祭りのような感じ。野菜とか色々なものが売っています。

なんじゃなんじゃこのクサはなんじゃ!?

私の知らない何かが売ってあります。

こちらは安宿が集まる路地裏です。大通りの喧騒とは真逆ですごい静かです。雰囲気の良い路地ですね。路地裏にある喫茶店に入ってみました。

インドでは主にチャイを飲んできましたがここではコーヒーが飲めます。ただここの店、時間の流れが止まっています。お客さんのほとんどが外国人観光客のようですがそのほとんどのお客さん、目が充血しているんです。

なんじゃなんじゃ!これはなんじゃ!?

店内に立ち込める枯れ草を燃したようなニオイ。だるそうにソファーに腰を掛ける外国人観光客。

おそらく欧米人と思われる人に話しかけられます。

欧米人「君はどんな音楽を聴くんだい!?」

ここにいる人はとある方法で悟りをひらいた人たち。サイケデリックミュージックが好きなのでしょう。

どんな音楽を聴くのか?
どんな映画を観るのか?
好きな芸能人は誰?

音楽を聴くのが当然、映画を観るのが当然。生きているのであれば答えられる質問でしょ!?そんな感じで聞いてくる人がいます。確かに映画も観るし音楽も聴く異性にも興味ある。でも明確にこの音楽が好きってものがないんです。そんなわけで答えに戸惑うんです。でもこの「どんな音楽を聴くのか?」って質問は質問者にとっても何の意味もないのでしょう。

ただ単に場を持たせたかっただけ。
キャバ嬢の「どこ住みですか?」と同じ質問。何気ない会話の一言に過ぎないんです。タバコのようなタバコじゃないものを吸ってる人には10分後には忘れている会話なんです。

その後も音楽談議が続くも何言ってるか半分くらいしかわからない。ただでさえ英語なのでわからないのに会話が前後するので支離滅裂。と思ったら電池切れのように静かになるほぼ蝋人形状態。

蝋人形状態になってしまったので会話は終了。Have a good tripと伝え店を出ました。私の最大限の皮肉をその人が理解できたかはわかりません。

日本人がバラナシにハマる理由、これっぽいです。

バラナシは神秘的。
解脱ができる、悟りをひらける、瞑想できる。
そういうのを好む人がバラナシ好きそうな感じですがそれを手軽にできるからハマるのではないでしょうか。どこに行っても枯れ草を燃した匂いがするし当たり前のように吸っている人がいる。
そして声をかけてくるインド人は

「日本人か?ガンジャ持ってるならわけてくれ」
「日本人か?ガンジャいるかい?」

日本人は大麻を持ってるのが当然といった感じで声をかけてくるのです。これが先人たちの築いてきた日本人のイメージ。日本人、ガンガーでガンジャ―をするイメージ。

インドでは手軽に手に入れられるようです。実際に路上販売しているし安く手に入れられます。でも一応インドではガンジャは違法です。一応と言ってるのは厳しく取り締まってないため。そもそも宗教儀式で使われるし大麻草はその辺に自生しています。宗教都市バラナシではかなり緩いのでしょう。

またバラナシにはバングーラッシーっていう飲み物があります。バングーは花冠以外の大麻草を使った大麻の名称。花びらを使用しなければ法律上大麻ではなくバラナシではバングーは合法のようです。そのためラッシー屋で普通に売っています。

こちらは普通のラッシーです。

ラッシーがまじで美味い!

なんじゃなんじゃ?このラッシーはなんじゃ!?

自分の知ってるラッシーじゃなかった。っていうかこれ本当にラッシーなのかな??

夜のバラナシです。
夜は野犬がいるから外出しません。ホテルのテラスから見る夜のバラナシ。日中よりは人が少なくなりましたがまだまだ賑やかなバラナシ。

バックパッカーの聖地バラナシ。
なぜバックパッカーの聖地と言われているのか現地に行ったことで理解しました。まぁそういうところなのでしょう。そういうのが好きな人には聖地なんでしょうね。

先の喫茶店の客のように悟りをひらけばバラナシは楽しい気分で過ごせるのでしょう。バラナシの良さに気付くのでしょう。しかし私はバラナシの良さに気付けませんでした。

インドに行くと人生観が変わる。
インドに行くと価値観が変わるなんていいますが人生観や価値観が変わった人、それに手を出してる件。

前々から気になってたんです。

価値観変わったわー
インドってやっぱいいわー

って言ってる人、具体的な話はぼかすし抽象的なんです。そりゃ具体的に言えないわけです。ブリブリになってましたなんて言えるはずないんです。だからインドを語っても抽象的にしか言えないんです。

インドは凄い!しか言わない人、ゼッタイにソレに手を出してる。

ちなみにホテルにテラス席があるのはそこで吸えるようになってるからのようです。

なんじゃなんじゃ?なにを吸うんじゃ!?

やっぱインドって、スゲー。

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