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サイゴンのリトルチャイナ「チョロン」を観光

サイゴンのリトルチャイナ「チョロン」を観光

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ベトナムと中国は古くからつながりがあり、ベトナムの漢字表記「越南」も中国由来。
紀元前600年ごろ、中国の南方に住む越族が建国した越という国がありました。四文字熟語の呉越同舟の越がソレです。
その越族が南に移住したから「越南」と呼ばれたんだそう。越南って字もなんとなくベトナムって読めそうです。
古くからベトナムは中国の影響を受けていたそうで、フランスに植民地化されるまでベトナム北部は中国との間で侵略戦争が絶えない地域でした。

そもそも現在の首都ハノイがある北部地域は紀元前300年ころから10世紀のころまで中国の支配下に置かれていました。韓国も高句麗と呼ばれる国でしたが実際は中国が支配する地方自治を与えられた国のようなところ、今でいうチベット自治区的な立ち位置だったのでしょう。
ベトナムは938年にグエンさんによって独立を果たすも19世紀になるまで侵略戦争はずっと続いていました。19世紀後半にフランスが統治。
その後も中国との関係は悪く、ベトナム戦争後も中越戦争が起こりにらみ合いが続いていました。

紀元前600年から続いた中国ベトナムとの因縁関係。それが2500年経った1991年に国交正常化したそうです。とはいっても今は南沙諸島の領土問題があり、なかなか思い通りに仲良くやっていけないようです。

このようにベトナムと中国は古くから関係があるようですが、ほかの国同様にチャイナタウンがあります。本日はそちらを見て回ります。

こちらはチョロン地区にあるビンタイ市場です。地名にあるチョロンはチョは市場という意味でロンは大きいという意味。つまりビンタイ市場は大市場にある市場ってことです。

ホーチミン市のチャイナタウンができたのは18世紀ころ。広南国のグエンさんが明朝崩壊の際に逃げてきた中国人をビエンホアで保護しました。その後広南国は滅亡、ビエンホアにいた華人がチョロンに移り住んだのが中華街ができたはじまりのようです。漫画やアニメでも中国人は商売上手と描かれるように、ベトナムに入植した中国人も商売上手でした。ここに市場をひらき商売始めたアルヨ。その規模がどんどん大きくなり、いつしか大市場(チョロン)という名になったんでしょうね。

ホーチミンの一区にベンタイン市場っていうのがあり、あちらは観光地化していますが、中華街にあるビンタイ市場はどちらかというと地域密着型の市場です。市場を中心にして近隣には多くの店舗が軒を連ね、なんとなく築地っぽい雰囲気があります。

観光客向けじゃないため店員から声をかけられることもなくゆっくり見れます。卸売市場のため一個単位では売ってくれないかも。ここで大量仕入れをしてネットで売りさばくけば商売が成り立ちそうです。

市場は中国っぽさはありません。
そもそも中華街ができたのは18世紀ですが、その中華街はベトナム戦争時に衰退しています。ベトナム戦争では資本主義と社会主義の争いで結果は北ベトナム側の社会主義が勝利。ベトナムは社会主義国なのです。社会主義、共産主義では私有財産は悪と考えられ財産は没収されました。そのため南ベトナムが負けた際にチョロンに住んでいた華人は国外へ逃げたそうです。戦争以前は100万人以上いた華人は戦争後10万人まで減少したんだそう。そのため横浜やバンコクにある中華街のような街並みはなく、多少中国要素がある程度ってだけのようです。

こちらは温陵会館(おんらんかいかん)というお寺です。19世紀に設立されており道教の神様が祀られているようです。
ベトナムはフランスが統治していた時期があるためキリスト教信者がいます。また場所柄仏教の影響も受けているのでしょう。ただ国民の8割が無宗教のようで、宗教観は日本に似ているようです。こちらのお寺は華人のためのものなのでしょう。

チャイナタウンにはこのような寺院がいくつかあるそうです。

こちらにもお寺があります。こちらは天后宮ってところ。ベトナム最古の寺院なんだそうで、こちらも道教の寺院。天后聖母という女神様が祀られているんだとか。海の守り神、水上運輸の神様なのでアジアの海岸沿いで信仰されているそうです。日本にも中国に近い長崎や沖縄に同じ神様を祀る寺院があるみたいです。

当然横浜中華街にもあるのですが、新宿の百人町にも「東京媽祖廟」という寺院があり、そこの神様も天后聖母なんだそう。

探せばほかにも中国要素がありますが、チャイナタウン範囲が広いです。というより横浜中華街のように区画整理されているわけではないので、どこまでが中華街なのかが不明です。

こちらはチャンフンダオ通りです。本日一区からバスで来た際にここを通りました。いわゆるバス通りで幹線道路のような道。両サイドには飲食店や商店がありますが、どうやらこのような店の中にはいかがわしいお店も含まれているようです。
ベトナムでは性風俗営業の出店は禁止されており、その手の店は基本的にありません。それは表向きの建前で、実際はそういった店が結構街中にあるようです。しかし、それらは全て違法店舗なので、警察にばれないように営業しているのです。当然看板が出てるはずがなく、表向きはごく普通のお店。

そして日本であれば歓楽街にそういった店が集中するわけですが、ベトナムでは歓楽街以外にも地域密着型のお店が結構あるようです。とくにチョロンのあたりは地元民向けの低価格のソレが結構あるようです。いわゆるそれ系のKTV、いわゆるそれ系のマッサージ店、いわゆるそれ系の飲食店がどうやらこのあたりにあるようですが、日中ではどこも同じにしか見えません。普通の店か普通じゃない店なのかは「薄暗いところ」で判断するそうですが、ぜんぜんアテにならないし、これでは見つけられないですね。

そもそもそんなローカルな店に行くつもりはないし、そこにある店の多くはセクキャバのような生殺し系の店なのでしょう。そんな店に行ったら悶々とするだけで、逆にストレスを抱えそうです。日本のように法整備がされているとよいんですけどね。ベトナムでは色々難易度が高いようです。

ちなみにチョロンの北側を走る大通りの名前は「ホンバン通り(HONG BANG)」ってところのようです。

いわゆるそれ系の店がありそうな名前の道。

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