それは社会主義の味 ベトナム産ウォッカ「Men’ VODKA」
昨年ロシアがウクライナに侵攻し、戦争が始まりました。
ロシアの一方的な侵略戦争という扱いになり、日本もロシアを非難。経済制裁をしています。
ロシアの名産と言えばウォッカです。輸出入規制によりウォッカが手に入らなくなると思ったのですが、どうやらロシア産のウォッカはそこまで市場に出回ってなく、世界で一番売れているスミノフは現在イギリスの会社だし、二番目に売れているアブソルートはスウェーデンです。
酒屋で見つけたロシア産のウォッカ「ペルツォフカ」は二度と買えなくなるかもしれないので一本だけストックしてますが、私が好きなストリチナヤはラトビア産だし、ズブロッカはポーランド産なのでロシアの輸出入規制はそこまで影響しないようです。そもそもロシア人は飲兵衛が多いので、自国で消費しちゃうのでしょう。そんなわけでロシア産ウォッカって世界に出回ってなく、今回の禁輸規制は特に影響が無いようです。
こちらはベトナム産のウォッカ「メン・ウォッカ」です。酒屋で購入しました。
こちらの原料は米です。メコンデルタでとれた米を使用し、ロシア産の白樺活性炭でろ過しているんだそう。ウォッカの主な原料は大麦やライ麦、ジャガイモなどの穀物です。ウォッカにおける原料には定義がなく、フランス産のウォッカ「シロック」はブドウが原料だし、サトウダイコンやサトウキビが原料のものもあります。そもそもウォッカは「蒸留酒」って意味なのでロシアでは焼酎もウォッカだし、ウイスキーもウォッカとなるのでしょう。そのため原料が米でもウォッカになるようです。
ロシアや北欧で米を原料とした酒がないのは単純に稲作は南方の作物だからなのでしょう。逆にタイやベトナムなどの東南アジアでは米を原料とした酒があり、タイのメコンウイスキーも原料が米でした。
ベトナムは日本、中国に次いでアジアではビールの消費量が多いようです。値段が安く手軽に手に入れやすいからビール消費量が多いわけですが、ベトナム人だって人の子。
恋人にフラれたとき、仕事で失敗したとき、高レバレッジで勝負して強制ロスカットとなってしまったとき。このようにときには強めのアルコールを飲んで忘れたい日もあるでしょう。ベトナムにはそのような人たちがいて、そのような人たちにウォッカが飲まれているそうです。
このようにベトナムではウォッカが人気のようですが、人気となるのには社会主義国ベトナムならではなのでしょう。
ウォッカの起源は諸説ありますが、少なくとも旧ソ連が統治していた地域で作られたものです。
ベトナムは社会主義国でベトナム戦争で勝利した北ベトナムはソ連から援助されていました。そして統一後もソ連から経済的援助を受けていたそうです。今のベトナムがあるのはソ連のおかげ。そのため深い交友関係が出来ました。そんなわけで今回のウクライナとの戦争もベトナムはロシアを非難せず沈黙を守り続けている状態です。
このようにロシアとベトナムは古くからの付き合いのため、ロシアの文化がベトナムに入ってきているのです。ウイスキーやラム酒ではなく、ウォッカが人気なのはそれが理由なのでしょう。
つまりこのウォッカは社会主義の象徴です。
一般的なウォッカってアルコール度数は40%ですが、こちらのMen'は29.5%と低めです。
ウォッカの正しい飲み方は何も足さないでストレートが良いんだとか。カクテルにもせず、ロシアの永久凍土で冷やしたウォッカを“生”のまま飲む。そんな飲み方しているからロシア人は少しイカレてるんです。
ベトナム人はまだ良識あるようで、40%だと少しきついため弱めの度数になっているのでしょう。
drinkcoldと書かれてあるので冷やして飲むのでしょうが氷がないので常温ストレートで飲みます。
香りは消毒用アルコールのにおいがします。よくあるウォッカのにおい。甘みは少ないです。少し苦みを感じます。度数が低いため飲みやすく、後味はスッキリしています。穀物を使ったお酒って雑味がするもんですが、ウォッカと名乗るだけありクリアーな味わいです。流石はロシア仕込みってだけあり美味しいです。
本日のアテはティットコーチュンというベトナムの角煮。
正月に食べる料理らしいですが、南部では日常的に食べられている家庭料理なんだとか。少し甘めの味付けですが、美味しいです。ウォッカよりも日本酒が合いそうな料理ですね。
ストレートで飲むのがウォッカ本来の飲み方のようですが、29.5%と低いといってもそれなりの度数の高さ。そのため割物を用意しました。コンビニで売っていたシュウェップスのトニックウォーターです。
ベトナム原産のウォッカをウォッカトニックで飲む。これはベトナムに来なければ経験できないことですね。