一気飲み用のテキーラ「トレス・レイス・テキーラ」の味
シングルモルトウイスキーが高いので最近は焼酎がメインとなっています。でもちょっと違った味も飲みたくなるものでラム酒やテキーラに手を出すことも。ラム酒は比較的種類があります。まぁいいやつは高いため手が出ないのですが、選択肢があるんです。でもテキーラはそこまで選択肢がありません。
先日結構いい値段のするテキーラ(厳密にはテキーラではなくアガヴェスピリッツ)を飲みました。
ポルフィディオは美味しいですね。樽熟成してあるのでアルコールっぽさが弱く飲みやすく安定した味です。しかし値段は高めです。では安いテキーラは?っていうとアルコールがきつく飲みづらい。このようにテキーラは飲みずらいお酒に分類されるため、日本に輸入されてこないのでしょう。おそらく現地ではたくさんのテキーラがあります。それらを飲むためにはメキシコに行かなきゃダメなんでしょうね。
こちらは「TRES REYES(トレス・レイス)」というテキーラです。値段は1500円でした。円安などの影響で洋酒の値段が軒並み高騰していますが、そのような中でも比較的安い部類のテキーラです。
テキーラは原産地が決まっておりこちらもメキシコ産です。シルバーなので樽熟成をしていないヤツです。
「Compañia Tequilera de Arandas」ってところが出しているようです。
もともとここのオーナーはスーパーマーケットを経営されていたようですが、リカーショップを経営しメキシコでは大手の酒屋となったそうです。そして1994年に蒸留所を開業。まだ30年程度の若い蒸留所のようです。
テキーラを名乗るには一定の基準をクリアしてなければならず原料にも指定があります。主原料は指定されたリュウゼツランでなければならず、またそれが総原料の51%以上でなくてはなりません。
よく知られているテキーラは100%アガヴェシロップを使用しています。アガヴェとはリュウゼツランのことで、テキーラの原料になります。そのアガヴェシロップの中でもブルーアガヴェってやつは高級品のテキーラで使用されるそうです。有名なテキーラ「サウザブルー」も100%ブルーアガヴェを使用しています。
サウザブルーはそこまで高級品ではありませんが、メキシコ現地のテキーラの中では高い部類なのかもしれませんね。
ちなみにこちらのテキーラはアガヴェが51%、49%がトウモロコシを使用しています。
ほぼコーンウイスキーですが、テキーラの基準はクリアしています。おそらくブルーアガヴェではないし、原料にトウモロコシを混ぜてるってことはコストを抑えるためなんでしょうね。
サウザシルバーが100%アガヴェで2200円。こちらは1500円程度。700円安いとどれくらい味が変わるでしょうか。
無色透明です。味は薄いです。
テキーラっぽい荒々しさはなく、クセがないための飲みやすい部類のテキーラです。よく言えばクリアな味、悪く言えば物足りない味。
いや、飲みやすいという言い方は正しくないのかもしれませんね。アルコールの匂いはきつめでアルコールの味がします。
いわゆる罰ゲームや一気飲みで飲むような安酒なんでしょう。飲んだ後塩舐めてライムかじるやつです。でも、テキーラっぽさがだいぶ弱いんですよね。もっと泥臭いヤツが私は好みなんですが、クセがあるテキーラは万人受けしないのでしょう。そのため市場から淘汰され、トレス・レイスのような万人が飲みやすいテキーラが流通するのでしょう。これなら普通の焼酎でよいわってなっちゃいます。
それを考えるとサウザテキーラの偉大さってのがわかります。値段を出来る限り抑え、高品質のアガヴェを使ってテキーラ本来の味を表現していますからね。昔はそこまで好きではなかったサウザですが、年を重ね色々な酒に出会ううちに良さが分かってきました。
テキーラがあまり輸入されない理由がすこしだけわかった気がします。
焼酎も星の数ほどありますが、海外で流通しているのは限られているのでしょう。霧島酒造の霧島、三和酒類のいいちこ、二階堂酒造の大分麦焼酎二階堂。このあたりのメジャーな焼酎は輸出されているのでしょうが、得体の知れない甲類焼酎は日本から輸入するほどのものではないのでしょう。テキーラも同じように世界に通用しないテキーラがメキシコ国内に多くあるのでしょうね。当然世界に知られずメキシコ人しか知らない美味しいテキーラもその中には存在するのでしょうが、それを知るためにはメキシコに行くしかなさそうです。
テキーラを飲むといつもメキシコ行きを夢見てしまいます。
でもメキシコって治安悪いイメージがあります。そんなところのスラムに行ったら、生きて帰ってこれないかもしれませんね。