お酒の味はグラスで変わる?安酒を美味しく飲む方法
美味しい、まずい、熱い、冷たい。食事をしているときにこのように感じるのは舌によるものなんだとか。人間の舌は約10000個の味蕾があるそうです。甘味・苦味・塩味・酸味・旨味を感じるのも舌にある味蕾に影響されるそうです。
よく「猫舌」って言葉を聞きますが、どうやら猫舌ってのは存在せず、舌の扱い方により熱く感じる人とそうでない人がいるようで、猫舌と言われる人は飲み方を変えることで改善するようです。このように舌は感覚器官であり、扱い方によって熱く感じたりするようです。つまり美味しさも舌の扱いによって大きく異なるってことも考えられるわけです。
今日はジンを飲んでいます。ボンベイサファイア。ボンベイサファイアの名前の由来は当時統治していたインドの都市ボンベイから。マラリアの予防でキニーネを使ったトニックウォーターと合わせるのに適してたからインドで人気になったんだとか。トニックウォーターに負けず劣らずの香草系飲料。ボンベイサファイアはボタニカルジンの先駆者的存在でしょうか。これで作るドライマティーニが秀逸なんです。
イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルはベルモットの瓶を見ながらジンのロックを飲むのを「マティーニ」と呼んでいました。それってただのジンオンザロックなんですが、甘みのあるベルモットを少なめにするレシピに人気があり徐々にそれはエスカレート。最終的にベルモットの瓶を見ながらジンを飲むスタイルをチャーチルスタイルと呼んだそうです。
本日はベルモットの瓶を頭の中で想像しながら飲む「山林生活スタイル」です。ジンがありさえすればどうにでもできる。想像するのはノイリープラット。明確にフォルムを覚えていませんが、緑の瓶に黒のラベル、そこに白文字でノイリープラットって書かれていたやつでしたっけ??想像力でお酒は様々な味に変わるんです。
でもソレ、ただのジンですよね。
確かにただのジンなんですが、お酒は様々な環境で味が変わります。
ひとりで飲むのと気の知れた友人(そんなのいない)と飲むのとでは酒の味は違います。また大衆居酒屋と高級レストラン(いったことない)で飲むのとではそれも味の違いがあります。このように目で見るものによって味が違いますが、そもそもお酒は味わうもの。環境も重要ですが、やはり舌で味わうものだから、舌が触れるものを変えるのが手っ取り早いんです。
こちらは浅草にあるグラス専門店です。
浅草にはかっぱ橋道具街ってところがあります。そこに行けば厨房器具のお店がいくつもあります。今日はかっぱ橋を散々巡った結果、最終的に浅草駅近くにあるグラス屋さんにたどり着きました。こちらはバー用品を多く扱っている店で、最適なグラスを買えるんです。
本日はお酒を飲む際のグラスについてお話します。
記した通り味を感じるのは口の中で一番は舌です。食材や飲料を飲んだ時に舌に触れた際に味を感じるわけです。箸で食べた方が美味しく感じる料理もあり、それとは逆にフォークが合う料理もあります。このように変わるのは使う食器具によって舌への触れ方が違うからなのでしょう。そしてお酒を飲むときもグラスの形状で大きく変わるのです。
ワイングラス、ブランデーグラス、カクテルグラス、盃。様々な形のグラスがあります。私は一人暮らしを始めた若いころ、グラスなんて何でもよいと思い、洗う手間が省ける紙コップを使用していましたが、紙コップで飲むシングルモルトとグラスで飲むのとでは味が全く違うのです。それは舌への触れ方が違うから。
最近はこのグラスで飲んでいました。いわゆるショットグラスですがドクロが描いてあります。明らかに罰ゲームで使用するグラス。このグラスは12脚あったのですが今はこれ一つだけです。おそらく私が大人になる間、消えた11脚は人生の機微を見てきたのでしょう。浴びるほど飲み、このグラスを壁に投げつけた日もあったかもしれません。最後の1脚が残っているのは、まだ私に理性があったから。つまり、これは人である証。
でも所詮は罰ゲームで使用するコップ。ほぼ紙コップと変わりないんです。
世の中には高い酒があります。希少価値があるだけで別に美味しくない酒もありますが、基本的に手間暇かければ酒の値段は高くなり、美味しくなります。しかし日々高い酒を飲めない日本の底辺にいる私。そのため安い酒でもグラスを変えればちょっとぐらい美味しくなるんじゃないか!と思ったわけです。
予算の上限があるため買うのは二つだけ。クソみたいなショットグラスに変わるやつとお酒の味が分かりやすいテイスティンググラスを購入しました。二つで3000円ほど。紙コップ750個分の金額ですがそれで美味しくなるなら払える金額です。
こちらが購入したグラスです。ショットグラスだとグラスサイズが小さいです。香りを楽しむのであればある程度のサイズがるほうが望ましいです。このグラスは国際規格のやつです。つまりお酒の味はこれを使用して決めているといっても過言ありません。
購入したばかりなのにチップしています。店に持っていけば変えてくれるのでしょうがこの部分は味に変化ないので私は気にしません。むしろ購入時に確認しなかった私が悪いです。
こちらはショットグラスです。以前使用していたグラスよりも多く入ります。
このグラスを作っているのは都内にある木村硝子というところ。ここのグラスは強度があるので使い勝手が良いんです。特にこの薄いグラスはいいですね。グラスの薄さは口当たりがかなり変わります。薄いことで飲み物がスムーズに口に入ります。甘さやうまみが感じやすくなります。
軽いグラスなので安っぽい感じがしますがこれで飲む酒が美味しいんです。強度があると言っても薄いため割れやすくはあるのですが、それなりに味の差がわかります。本当はタンブラーも欲しかったのですが予算都合上ショットグラスだけとなりました。
さて、飲みます。
本日のお酒はデュワーズのスタンダードです。普段はもっと安いウイスキーを飲んでますが、本日は奮発してました。とはいってもデュワーズは一本1200円。一応スコッチウイスキー。
糖度があるとこのようにグラスに引っ付きます。なんかそれっぽい感じ。さて、味はどうかというと...
大して変わりありませんでした。
変わった気がするんですがぶっちゃけそこまで変化ない。
ただ歯ざわり、舌触りっていうのでしょうか。そういうのは明らかに違います。普通のグラスよりもスムーズに口の中に入るため味がダイレクトに感じられます。逆にトゲのあるお酒は飲みづらくなりそうです。
結論として、紙コップで飲んでも別に構わないけど、雰囲気味わいたいならちゃんとしたグラスで飲め!そしてちゃんとしたグラスの方が本来の味がするし、そっちの方が楽しい。なんとなくおいしくなった感じがする。
でも決してうまくなるってわけではない。
とりあえずこれでストゼロ飲みますか!