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【角打ち発祥の地にて】小倉「田中屋酒店」角打ち体験

【角打ち発祥の地にて】小倉「田中屋酒店」角打ち体験

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小倉に到着しました。
宮崎も大きな街でしたが北九州はさらに大きいです。いろいろ見てまわるところが多そうですね。

松本零士作の銀河鉄道999の鉄郎とメーテルです。
松本先生は生まれが久留米ですが小学生の頃は小倉に住んでいたんだそう。銀河鉄道の話の構想も小倉から東京までSLで行った体験がもとになっているんだとか。
小倉駅の北口側にはアニメイトやまんだらけといった中野系の店があります。また漫画ミュージアムも併設されているので北九州の中野的存在なんでしょう。

とりあえずビジネスホテルにチェックイン。大きな街だとホテルに困らないので良いです。本日は別府を出て中津駅で途中下車。そして夕方前に小倉に到着しました。朝食は取っていたものの昼食を中津で取る予定でしたがその願い叶わずでした。そのため少々お腹が空いております。というわけで食事処を探したいと思います。

福岡は食べるもんがいっぱいありますよね。関サバ、もつ鍋、水炊き、ラーメン...。逆に選択肢が多いので選ぶのが難しいです。
あと行きたいところがあり、それは角打ちです。

酒屋で酒を購入し、その場で立ち飲みをする形式のことを角打ちといいます。初めて角打ちを利用したのは川崎の堀之内そばにある酒屋でしょうか。もともと川崎は労働者の街です。仕事終わりに一杯ひっかけるにしても居酒屋に行くほどでもないって人のために用意された場所だったのでしょう。いつしかホームレスのたまり場みたいになっていました。

現在も川崎宮前小学校の近くに角打ちがあります。こちらも人気のところでしたね。小学校の前が酒場になっているのが不思議な光景でした。

新宿にも角打ちが何軒かあり、西新宿なじみの店もありました。最近では小田急ハルクの二階にあるビックカメラの酒屋がその場で酒が飲めるようになっています。探すとこういった店が都内近郊にもあるんですが、もともと角打ちの発祥は北九州だったそうです。

製鉄所があり、炭鉱があり、港のある北九州は労働者の街でした。

ちょっと一杯引っかける場所があればよい。
製鉄所では夜勤もあり夜勤明けだと居酒屋がやっていない時間帯。でも酒屋であればやっていたのです。いつしか酒屋に人が集まるようになり自然発生的にそこで飲むようになったのでしょう。北九州には現在でも100軒以上の角打ちがあるそうです。角打ちという言葉自体が九州北部の方言で立ち飲みを表すんだとか。吞兵衛としては角打ち発祥の北九州で角打ちを思う存分味わいたいんです。

ということで行ったのはホテルの近くにあったホームショップ「田中屋」さん。小倉駅近くだとここともう一店舗くらいでした。

もろ住宅街のようなところにあります。

ホームショップというのがよくわかりませんが、そもそも飲み屋ではなく普通の酒屋です。いまでいうコンビニにイートインスペースを設けている感じでしょうかね。そうなるとコンビニは現代の角打ちってことになりますね。

角打ちに作法もクソもありません。要はコンビニで酒買ってその場で飲んでるだけ。コロナ以降は“外飲み”が流行っているようですが、それとほぼ同じ。たまたま酒屋の端っこにスペースがあってそこで飲んでいるだけです。ツマミもたまたまそこで売っているのを買って、イートインスペースで食べているだけ。つまり角打ちは飲食店でも何でもないんです。

とりあえず突撃です。店に入るも店主は座ったまま。奥にはお客さんが二人います。そっちに行って勝手に酒を飲んで会計すればよい。そんな感じでしょう。常連の人たちに舐められないように知っているふりをして奥に向かいます。そして店主に一言「ビールもらいますね」と声をかけます。店主から返答ありなので想定通りに進んでいます。

勝手に冷蔵庫を開けてビールとって会計せずに飲みだしたらいつぞやの迷惑系ユーチューバーのように窃盗容疑で逮捕されそうですが、角打ちは後払いのところも結構あります。これについては店の形状で判断するしかありません。田中屋商店は後払いでもオーケーっぽいし、何を飲んだのかは自己申告制のようです。一応「ビールを貰う」と事前に伝えてますからね。

っというわけでビールを取りました。本当であれば地酒をコップで飲みたいんですがどう頼めばよいのか不明でそれはハードルが少し高め。

というより、なんかすごい居づらい感じ。ここにいてよいのかわからず借りてきた猫のような状態です。一応椅子があったので恐る恐る座りました。
ほかのお客さん二人もとくに会話をせずテレビを見ながら酒を飲みツマミを食べています。周りを見渡すとツマミらしきものがありますが、どのように取ってよいのかわかりません。

場違い感が半端ない!

関東の角打ちは何度か行っていたのでなんとなくシステムはわかるんです。関東のはカウンターのところに店員がいるから冷蔵庫から酒を取り出して会計をする。プラのコップを貰えるのでそれに注ぐ。ツマミは缶詰があるためそれを買うと箸がもらえる。ほぼコンビニと変わりありません。でもここはちょっと難易度が高すぎる。冷蔵庫に入ってるお酒は売り物ってわかるんですが、周りに置いてあるものが商品なのか私物なのかが不明。小倉初見で来る場所ではありませんでした。

コップとかが見当たりません。お客さんはコップで飲んでいるんですがコップには名前が書いてあります。そして近くにコップが置いてありますがそれを使用してよいか全くわかりません。仕方なく缶のまま飲みます。わざわざコップに注がなくてもいいですよね。

紙コップや紙皿、割りばしはあるようですが飲食店ではないため別途料金がかかるそうです。あと基本的には前払いのようですね。ただ他のお客さんも払わずに勝手に取ってました。

これじゃあまるで外飲みを屋内でしてるだけじゃねーか。

でも角打ちの本来の姿はまさにこれなんでしょう。路上で飲むのと何ら変わりなく、ただ酒屋が厚意でスペースを貸しているだけです。最近では角打ちスタイルの雰囲気居酒屋みたいなのもあるようですが、これが角打ちの神髄なのでしょう。やっぱり発祥の地はすごいところでした。

もちろん角打ちのスタイルは店によって異なるんだと思います。そのためほかの店も行ってみたいと思います。

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