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【夜に輝く星となれ】岐阜県最大のスナック街「西柳ヶ瀬」

【夜に輝く星となれ】岐阜県最大のスナック街「西柳ヶ瀬」

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せっかく岐阜にいるんです。岐阜といえば金津園が駅前にありますが、駅から少し外れたところに柳ヶ瀬という繁華街があります。もともとは岐阜駅から柳ヶ瀬までは路面電車が走っていましたが2005年に廃線となりました。そのためアクセスし辛い状態です。約1kmの距離なので歩いていけるのですが本日はあいにくの雨。そのためバスで移動します。

どのバスに乗ればよいかわからないため地元の人に聞きました。

Suicaでは乗れないようです。こういうの地方あるあるですよね。地元の人はayucaってカードを持っているのでしょうが、地方から来る人にとってはすげー不便です。しかも両替は出来るけど1000円しか対応していません。たまたま1000円札を持っていたので良かったですが、最悪1kmの区間を1万円払わなければならない事態になりそうでした。
このayukaに関しては2024年にmanakaに移行するように現在話し合いがされているんだそう。岐阜に来る観光客は移動手段がバスになるため利便性を高めるのであれば早々に移行してほしいです。

こちらが柳ヶ瀬です。
江戸時代の頃は田畑や湿地帯が広がる地域だったそうですが明治20年に岐阜に鉄道が敷かれたのを機に店がどんどんできていったそうです。遊郭もそばにあったのも影響していたのでしょう。明治30年には映画館もでき多くの人が街に訪れました。とくに芝居小屋や映画館といった興行施設は柳ヶ瀬の発展を支えていたそうです。

しかし昭和20年の岐阜空襲によりこの辺りは焦土となりました。
戦後すぐにバラック小屋や露店が並び柳ヶ瀬は人が集まり、昭和35年にこのアーケード街ができました。戦後の発展を支えたのも映画館でした。その当時はこの界隈に12館の映画館があったそうです。高度経済成長期のころは原宿の竹下通りのような人の賑わいだったんだとか。

夜の柳ヶ瀬も大変なにぎわいだったのでしょう。岐阜駅前にあった繊維問屋が繁盛していたおかげで街は潤っていたそうで、柳ヶ瀬は常に明るかったそうです。この辺りには映画館のほかキャバレーやバー、スナックといった店が多くありました。
人が集まればたくさんの出会いがあり別れがある。美川憲一さんが歌った「柳ヶ瀬ブルース」もそのころを歌ったもので、雨の降る柳ヶ瀬の夜に泣いた人もいたのでしょう。そんなブルースの似合う街だったようです。

しかし1990年代以降、地方では自家用車の普及、駅前のアパレル業者の売り上げも低下し客足が減り衰退。現在はちょっと静かな地方の商店街になったようです。

こちらはアーケード内にある「ぎふ葵劇場」です。大衆演劇が見れる施設です。明治39年に芝居小屋としてはじまり、一度閉業するも平成14年に再開。昨年に現在の場所に移転したそうです。これも柳ヶ瀬が発展した名残りってやつでしょうか。

私の興味があるのは柳ヶ瀬でも西側にある西柳ヶ瀬といわれる場所です。
アーケードの名前はスタープレイス柳ケ瀬。看板の背景には星がちりばめられています。名前の由来はわかりませんが、輝く星がある場所みたいな感じでしょうか。

いわゆる地方の飲み屋街です。スナックあり、キャバクラあり、ホストクラブあり。さらには飲食店を装った飲食店ではないお店もあるようです。

長良ちゃん戦闘モードと書かれたご当地キャラクターのようです。戦艦を擬人化した艦これやアズールレーンがありますが、こちらは艦内神社(軍艦内に設けられる小規模の神社)を擬人化したらしいかなりニッチなキャラクターです。

リーマンから後期高齢者まで。ゆりかごから墓場までみたいなノリ。地方の高齢化を物語ってます。

見た感じだと結構フィリピンが多い様子ですね。

こちらの店はキャンパスパブと書かれています。関東の人にはなじみが無いと思いますが、キャンパスパブは関東でいうピンサロです。東海地方では元々ピンサロと呼ばれていましたがいつしか名称が変わったようです。
このような名称になった理由は諸説ありますが、単純に摘発逃れでしょう。営業形態がキャバクラなのにガールズバーをしているのと同じような感じです。

こちらは柳ケ瀬センターという脇道です。怪しい雰囲気があります。

アーケード街のはずなのにその機能はすでになくなり雨漏りしてます。戦後、この辺りにも怪しい飲食店が軒を連ねる青線街があったそうです。この場所はそれっぽい雰囲気がありますね。

TAXIのフォントが大分激しいです。流石車社会の飲み屋街です。かつては飲酒運転も多かったんでしょうがタクシーや代行が増えているのでしょう。

こちらが柳ヶ瀬商店街の外れです。

街の外れにある銅像。岐阜出身の彫刻家・神戸峰男氏作のタイトルは「輝き」です。
夜に輝くネオン看板がまさに夜空に輝く星と同じです。スタープレイスという地にふさわしい銅像です。下着姿なのは暗にそういったサービスを提供しているってことを指しているのでしょうか。

ここがアーケードの外れですが、その先にはまだ気になるお店があります。遠くに見えるのが柳ヶ瀬劇場。興行の街として栄えた柳ヶ瀬だからこういうのが残っているのでしょう。

こちらにはヌード劇場と書かれた看板があります。
そういった街として栄えた柳ヶ瀬だからこういうのが残っているのでしょう。
そもそもこのあたりが金津園の前身だった金津遊郭があった場所です。それの名残りみたいなもんでしょうか。

まさご座ができたのは終戦後の昭和22年。元々は芝居小屋として始まったそうです。しかしテレビの普及とともに客足が低迷、その際にストリップへと変更したそうです。75年以上の歴史があるってすごいですね。

見た目はキレイだし、愛知・岐阜・三重の東海三県では唯一のストリップ劇場のようなのでちょっと気になります。

ちなみに近くにある朝日劇場もまさご座を経営している方がやっているんだそう。柳ヶ瀬内にはいくつか劇場がありますが、戦後の全盛時だったころから映画館として営業しているのは朝日劇場だけなんだとか。現在は普通の映画ではなく成人向けの映画館となっています。やはりエロは生き残る上で必要なコンテンツなんでしょう。

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以前横浜の成人向け映画館に行きそこではじめて知ったのですが、こういうところは出会いの場、いわゆるハッテン場的な役割をしているところがあるんだとか。そのような施設の上にビジネスホテルがあるっていうのもユーザビリティの高さが感じられます。

昔のようなにぎやかさはなく人がいなくなった柳ヶ瀬。でも岐阜駅前に高層マンション計画もあり、この界隈に人が増えることになるでしょう。そうなればまたいつか夜に泣いた柳ヶ瀬と出会える日が来るかもしれません。

その輝きは今はまだ弱いですが、いつかまたあの日の星の輝きを取り戻す時がくるでしょう。
今宵もネオン輝くスナック街西柳ヶ瀬へ。

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