地権者とのトラブルで17年間通れなかった「シーサイド道路」
本日は銚子市より銚子大橋を渡り茨城県の神栖市に向かいます。
千葉と茨城の県境にある利根川。この付近は対岸に渡る橋が少なく、近くに架る利根かもめ大橋は有料道路。橋を渡るのに通行料金がかかり普通自動車の場合は210円大型特殊自動車の場合は580円かかるそうです。結構いい値段します。銚子市内から無料で渡れるのはこの橋だけです。
こちらは利根川です。
現在走っている国道124号線を北上すれば神栖市の中心に行けますが、これより海沿いを走ります。名前はシーサイド道路といういかにも海沿いにありそうな名前の道です。かねてからこちらには来てみたかったんです。
神栖市や鹿嶋市の海沿いは鹿島臨海工業地帯があり1970年ころから工場が稼働しました。多くの工場の誘致が決まっていたため、通勤や資材運搬のための道路整備は急務だったのでしょう。1970年にシーサイド道路は開通しました。全長15.3km。信号も少なく国道124号線の裏道みたいな地元道です。この道ができたことで朝の混雑時などは多少緩和されたのでしょうか。しかし市民が利用できたのは2006年まででした。シーサイド道路は地権者とのトラブルを抱え、それ以降一部通行ができなくなっていたのです。
シーサイド道路は海岸沿いを通っているのですが、民家が道路に接しているところがあります。道路建設の際にちゃんと調べなかったのでしょうか。どうやら土地の所有者のいるところに道路を敷いてしまったようなのです。地権者は1996年に所有権を巡り当時の村長を提訴。2004年に最高裁の判決でその土地の地権者に所有権があることを認めました。その判決を受け行政側は土地売買の交渉をしたようですが金額の折り合いがつかず決裂しました。そのため2006年以降、地権者は私有地にバリケードを設置し、通行者に料金を徴収するようになったようです。当初は500円で通行できたそうで利根かもめ大橋の大型特殊自動車の通行料金より安く良心的な金額でしたが年々事態は悪化し最終的に通行料金が4万円となり、ニュースにも取り上げられていました。
ヤバい看板たててるヤバい人って感じでニュースに取り上げられていましたが、この人の行動については一定の理解ができます。最高裁まで争ってるんです。ある意味行政に人生を狂わされたのではないでしょうか。
このようにずっと通れない状態でしたが2020年に地権者の方が亡くなり、土地は子供が相続。その時を待っていたかのように市は再度相続人と土地の売却で話し合いをしたそうです。2023年の3月に売買契約が成立し、7月に開通しました。
そのシーサイド道路がこちらです。
以前はバリケードがあり通れなくなっていましたが、現在はごく普通の道となりました。
問題のあった地権者の所有する土地以外にも地権者がいるようですが、今のところ問題にはなっておらず交渉を続けて決着を目指しているようです。
建設した当初の人が問題だったようですね。海沿いだから誰の土地でもないやろ!みたいなノリで道路を敷いたんでしょうね。案外こういうのっていろんなところでありそうですよね。
まだバリケードとかちょっと残ってるもんだと思ってたんですが、何の変哲もない道でした。信号がなく使い勝手が良いです。直線で見通しが良いので結構飛ばす人がいます。ガンガン抜いてかれます。
ずっと気になっていた道路でしたが、気になっていたのはバリケードされていたときのこと。やはりその時に行っとくべきだったんですよね。
でも通行できるようになったことで行き来しやすくなったんでしょうね。
信号がなく使い勝手が良いです。
直線で見通しが良いので結構飛ばす人がいます。
私もある程度のスピードは出してるのですがガンガン抜いてかれます。
一般道の制限速度の上限は時速60km。特殊な道を除いてはこれが制限速度です。
でもここでは多くの車が時速100kmくらいで走ってます。
太平洋に面していて距離的にアメリカに近い茨城。メートル法じゃなく マイルなんでしょうね。だって シーサイドなんて名前ついちゃってるし。
ここはもうアメリカの領土。
まぁ道もすいてて見通しもよいから速度を出したくなる気持ちもわかります。
ちなみにシーサイド道路の制限速度は時速40kmです。
何も変哲もないただの道路。シーサイドのわりにそこまで海は見えませんが17年ぶりに開通したんです。
神栖に行く際は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。その際は日本の交通法規を守り安全運転でお越しください。