【タイのハードリカー】シャロンベイラム醸造所のホワイトラム
先日までタイバンコクに行っていました。行きは直行便でしたが帰りはシンガポール経由で羽田空港に降りました。シンガポールを経由した理由はチャンギ空港に行ってみたかったため。チャンギ空港は世界有数のハブ空港で空港自体がかなり大きいんだとか。それであれば空港内でお土産品とか色々見れるし楽しめると思ったんです。
しかしそのような時間はありませんでした。羽田出発便の2時間30分前に到着する予定でしたが、2時間遅れの30分前に到着。そんなわけでお土産を見ることができませんでした。
「シンガポールでお土産買えばええやろ」
この浅はかな考えにより、ほとんどお土産を買っていません。でも一応タイに行ったのでタイのお土産は買いました。
お土産といっても自分用です。買ったのはこちらのお酒です。
タイのお酒といえば薄いビールですが、このようにハードリカーもあるのです。茶色いお酒で有名なのはメコンウイスキーでしょうか。ただメコンウイスキー、ウイスキーと名乗っていますが原料の多くは糖蜜、つまり砂糖なんです。
タイは南国。日本では沖縄や徳之島がサトウキビの名産地であるように、サトウキビは南国で育ちます。つまりタイもサトウキビが多くとれる地域なのでしょう。お酒を醸造するために必要なのは糖です。糖を酵母の力によりアルコール発酵させるのです。日本酒も米を糖化させてアルコールを作ります。このように穀物は糖化させるひと手間が必要ですが、砂糖であれば糖化させる作業が不要です。サトウキビがよく育つ南国であれば、それを使って酒造りをするのは至極当然のことなのでしょう。
そんなわけでタイのお酒はラム酒が多いようです。
スワンナプーム空港の免税品店で購入したこのお酒もラム酒です。熟成させたラム酒もあったのですが、タイのハードリカーは着色料や香料、なんだったら別の材料を混ぜているものが多くあります。できれば混ぜてないヤツを選びたかったのでホワイトラムを購入しました。
お土産セットのようになっていて、一本は普通のホワイトラム。
もう一本はレモングラスフレーバーのようです。
結局何か混ぜてる。
レモングラスなのである種のスパイスドラムってことになるのでしょうか。
こちらのラム酒はプーケットにあるチャロンベイラム醸造所ってところが製造しているそうで、無農薬・有機栽培で作られた100%タイ産のサトウキビを使い、フランスの銅製蒸留器を輸入して昔ながらの伝統的な蒸留方法で作っているそうです。
私は無化調ラーメンよりも化学調味料ドバドバのほうが好きだし、オーガニックに対してそこまで魅力を感じませんが、タイでも欧米や日本と同じように持続可能性やオーガニックといったキラキラした言葉がマネタイズにつながっているようです。
まずは添加されていないホワイトラムから飲んでみます。
香りはちょっと青臭い匂いがします。おそらくサトウキビ本来の香りなのでしょう。
最初少しピリッとした辛めの味わい。
アルコール臭さはなくホワイトラムなのにしっかりとまとまった味わいです。癖が強くなくカクテルのベースに使いやすそうです。モヒートとかダイキリとか、さわやか系カクテルに合いそうですね。
カクテルに使いやすそうといいつつストレートとロックでしか飲んでいません。ストレートだとちょっと重ためですが、すこし加水すると飲みやすくなります。
味わいとして近いのが徳之島の黒糖焼酎です。舌触りやとろみなど、ホワイトラムより黒糖焼酎に近いです。
黒糖焼酎も原料は黒糖なのでラム酒と似ていますが、麹を利用したりと製法が少し違うようです。でも味わいは似た感じ。
さて、もう一つのフレーバーラムも飲んでみましょう。
空港の免税店ではレモングラスのほかシナモン、こぶミカンの葉、バジル、ライムのフレーバーラムがありました。どれがよいとかなかったのですが、たまたま手に取ったのがレモングラスだったのでこれを購入しました。なんとなくタイっぽいし。
んで、味ですが...。
これはちょっと個人的に好きな味ではありません。
蓋を開けた時の香りは先のホワイトラムとは違い、ハチミツのような華やかな香りがします。でも口に含んでから鼻を抜ける香りはもろレモングラス。味もレモングラスがかなり強い。なんかどこかで嗅いだことがある匂いだなぁと考えていましたが、
タイに滞在中、現地で購入した虫よけの匂いでした。シトロネラという植物の精油成分が虫を寄せ付けないんだそうで蚊だけでなくゴキブリやダニにも効果があるそうです。このシトロネラ、レモングラスと同じイネ科の植物で香り成分も似ています。
つまり私は虫よけラムを飲んでます。
虫よけの匂いがするので全然杯がすすみません。でも、タイの雰囲気は味わえます。
少し前に日本ではウイスキーブームがありましたが、原酒不足のためその熱は収まりつつあります。その代わり最近はジンブームを酒販メーカーが人為的に起こそうとしている感があります。ジンは入れる薬草の種類で味の差が出るため面白いのでしょうが、クセが強いため万人受けはしなそうですね。それよりもラムの方が受け入れやすいんじゃないでしょうか。増産しやすいホワイトラムから、高級なダークラム、そしてこのフレーバーラム。原料がサトウキビと限定されますが、飲みやすさを考えるとラムの方が人気が出そうですよね。
ちなみにこのラムは日本で未発売のようです。
つまり日本総代理店になるチャンスがあるんです。これは、金儲けの匂いがしますね。
でもこのラム、330mlの瓶二つで1380バーツなので5244円(3.8円計算)。
5000円あればちょっとしたモルトが買える金額です。アグリコールラムなので妥当な金額なのでしょうが、ホワイトラムでこの金額(しかも免税品)はなかなか気軽に買えませんね。
それに関税と酒税が足されるので日本で売るのは難しそうですね。個人輸入で旅費を少なくするくらいでしょうか。
といいつつ自己消費してるので商売にはならないようです。