田舎暮らしと村八分のおはなし
少し前からですが、ここ最近テレビでタレントが田舎暮らしをする番組がやってますね。
また都会から田舎に引っ越して快適ライフを満喫っていうような番組も増えている感じがします。
恐らくこの手の番組は昔からあったのでしょうが、山林を探し出してから目に付くようになりました。
しかし理想と現実はかなりかけ離れているようです。
昨年、大分で村八分騒動がありました。
具体的な内容などが分かりませんので批判はできませんが、都会から親の介護のために戻ってきた人が村八分となったそうです。
平成の時代に村八分とはあまり穏やかな話題ではありませんが、大分県だけでなく他の地域でもこの手の問題が発生しているそうです。
実際に私も問題には発展しておりませんが、実際に住むとちょっと面倒なことがありそうな感じがします。
「消防団に加入してほしい」
「自治会に加入してほしい」
ひっそり誰の干渉もなく過ごしたいと考えている人もいるはずです。しかし田舎に行けば行くほど人との接点は多くなるようです。
とくに年配の方も多いので助け合って生きていく昔ながらの村の習性が残っているのでしょう。
たしかにゴミ出し一つとっても町内会がないと機能しないような状態です。
本来であれば行政がそのあたりを整備すればよいのですが、田舎ではそれを期待できません。
町内会にある程度自治権を与えているといった感じでしょうか。
しかし所詮は任意団体なので法的拘束力もなく実際は自治権もない団体です。
無論自治会に加入するのもしないのも自由なわけですが、自由を理由に住民とトラブルを起こせば村八分のような状態に発展するのでしょう。
このように田舎に行けば行くほど古き良き、そして古き悪しき風習が残っているようです。
土地が安い、空気がきれいというだけで引っ越すといろんなトラブルが発生します。
村といえば少し前にとある場所に行ってきました。
場所は岡山県津山市の奥地。あの「八つ墓村」の舞台になったところを見に行ってきました。
仕事でたまたま津山に行く機会があったので、ついでにということで足を延ばしました。
知っている人も多いと思いますが、津山事件(津山三十人殺し)のあった場所です。
なんてことはない小さな集落です。
ここで80年ほど前にそんな事件があったんですね。
知らない方はウィキペディアかなんかで見てもらえばよいと思いますが、ざっくりいうと二時間ほどで村人を30人殺したという事件です。
不謹慎ですが1982年までは世界大量殺人ランキングで一位。日本国内では現在もその記録を抜かれていません。
事件の発端は夜這いなどの村の風習やしきたり、村八分が絡んでいたそうです。
ここまでではないにしろ、都会と田舎の差は現代でもあるのでしょう。
育った環境が違えば同じ日本といえど文化風習にも違いがあります。
当然と思っていたものが通じなかったり、理解されなかったりということも多いのだと思います。
とくに若い人で田舎に移り住みたいと考える人は自分の中での価値観がある程度決まっている人が多いのだと思います。
そのためこのような衝突が生まれ、村八分のようなことが起きてしまうのではないでしょうか。
田舎とはいえそこに住んでいる人がいる以上、郷に入っては郷に従うしかないのでしょう。
日本にもまだ闇が深いところが多いようですね。
私、山林開拓も趣味ではありますが、少し変わったスポットに行くのも好きなんです。
津山事件とかの事件現場だけではなく、ホームレスの街、山谷、寿町、西成。
色々と闇がある京都の崇仁地区や「じゃりン子チエ」の舞台だった浪速西。
その土地に行くとそこの文化や歴史を感じることができるんですよね。
元遊郭の飛田新地や吉原、今は無き町田の田んぼや横浜の黄金町なんかも別の意味で感じてしまいます。
まぁこんな感じで何かを目的に旅をするっていうのも楽しいんじゃないでしょうか。
旅の目的がホームレスの街を見に、旧遊郭を見にだと人に話しづらいですよね。
聞かれたら「日本の歴史・風俗・文化・伝統などに触れる旅」と答えるわけですが。
間違ってませんよね。今度の車中泊の旅はこれをメインで行くっていうのもありですね。