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三大遊廓「島原遊廓」にある浴場に行ってみた。

三大遊廓「島原遊廓」にある浴場に行ってみた。

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現在の日本には公娼制度がありません。そのため遊廓というものは存在せずその手の店のある地域は「風俗街」と呼ばれています。戦前は遊廓がありました。大小さまざまな遊廓があり、その当時は大人の遊び場だったのでしょう。とくに本日伺う島原遊廓は江戸時代かなり人気だったんだとか。

江戸の吉原遊廓、大坂の新町遊廓、京都の島原遊廓。
これらを合わせて三大遊廓と呼ばれていて島原はその当時はかなり栄えていたんだそうな。
島原ができたのは1641年。それまで六条付近にあった遊廓を西新屋敷に移転。その際に「島原」と呼ばれるようになったんだそう。

「遊廓=売春窟」というイメージがあり、遊女は売春婦という扱いになりますが、実際の遊廓はそいうものではなくもう少し品のよいものだったようです。とくにここ島原は文化の発信地、いわゆるサロンとかそういったジャンルに分類するべきところだったようです。文豪や文化人、歴史に名を遺す志士たちもここに集まり夜通し話し合ったんだとか。そのため遊女にも一定の知識と教養が求められたそうです。遊女はランク付けされ、一番最高位は「太夫」という位が与えられたそうです。最高位を太夫と呼んだのはこの島原遊廓がルーツになっているんだとか。

坂本龍馬も西郷隆盛もここに通っていたそうです。

でも表向きはそんな感じですが、中身は遊廓なんです。同志が集まってひざを突き合わせて語り合いましたって言ってもそのあとはすること同じなんでしょう。連れ風俗の文化はこのころからあったというわけです。表向きは会合、でも本心は女郎を買いに来ていただけなんでしょう。

ソープランドに行って「今日はお話をしよう」みたいな感じでソープ嬢に提案するけど結局最後はすることして帰るやつと同じ。
ここでなら坂本龍馬とも西郷隆盛とも仲良くなれそうな気がします。

こちら島原大門です。
島原も吉原と同じく俗世とは区別され遊廓内は壁で囲まれていたそうです。出入りができるのはこの大門か西側にある出入口のみだったそう。でも吉原のように厳重に管理されていたわけではなく比較的出入りは自由だったんだとか。

明治以降も遊廓として続いたようですが、祇園などの京都中心地から離れていたため衰退の一途を辿ったようです。

現在遊廓という様子はなく普通の住宅街となっています。

ただそのような中でも置屋として営業しているところが一軒あります。輪違屋というところです。
置屋として営業が続きつつ建物は有形文化財となっています。置屋といってもその当時とは変わっています。現在は芸妓を派遣するデリバリー芸妓という感じでしょうか。

観覧謝絶。スナックの入り口に書いてある「会員制」と似たようなもの。ようは一見さんお断りってことです。京都らしい表現です。ただスナックとは違ってガチの一見さんお断りみたいです。

角屋という料亭です。現在は営業しておりませんがその当時のまま残っているようです。

吉原のような遊廓とは違い料亭があり派遣する置屋がある形式だったようです。角屋は揚屋というもので輪違屋などから芸妓を派遣させて営業していたようです。デリバリー型、現代でいえばコンパニオン派遣やデリヘルに近い形式。外部委託で負担を減らす、アウトソージングってやつですね。

水戸藩浪士、新選組・芹沢鴨が殺害されたのはこの料亭だったそうです。

攘夷派の久坂玄瑞も足繫く通っていたそうです。
殺し合いをしているような人たちがいるかもしれないのに同じキャバクラに行くっていうのが理解できません。
でも昔はそれが一般的だったのでしょう。

これはこれ、それはそれってことなんでしょうね。

島原の西門跡です。現在は石碑のみがあるだけです。以前は門が設置されていたそうですが昭和52年と平成10年におそらく自動車事故により破損したようです。大門も結構幅が狭いです。車がぶつかって壊れたのでしょうね。

今は何もない状態となっています。

歌舞練場跡地です。現在の島原は花街としての役割がなくなりましたので歌舞練場もなくなりました。劇場としての側面もありつつ現代の練習スタジオのようなところで、ここで踊りや芸を磨いたのだとか。また遊廓をあがっても仕事にありつけるように裁縫や読み書きなどの教育機関としての役割もあったそうです。

現在は老人介護支援センターとなり、俗世からあがっても幸せに暮らせるようになっているみたいです。

こんな感じで島原遊廓は遊廓としてはほぼ残っていない状態です。それでも遊廓っぽい雰囲気を味わいたい。特殊浴場はないけども公衆浴場があるそうなんでそちらに向かいました。

島原遊廓にある島原温泉という銭湯です。こちらはラジウム温泉のようです。ラジウム温泉と泡風呂、電気風呂もあります。それに水風呂とサウナ。こちらの銭湯もサウナは無料でした。
いつもであればササッと浴びて帰るのですが、オープンしたばかりでお客さんがほかにいません。そのためサウナと水風呂を行き来してしまいました。

のんびり大きな風呂で静かに入れるっていうのはやっぱり気持ちの良いもんです。これが500円以下で楽しめるんですからね。各都道府県で10枚綴りの入浴券みたいなのはありますが、そうではなく全国フリーパスみたいなのがあると出先で銭湯にいつでも入れるようになります。そういうのが出来るとよいんですけどね。
風呂は各家庭にあり公衆浴場という本来の責務は薄れつつあります。多分銭湯組合のようなところもあるのでしょう。それであればそこ主体で年間フリーパスを出してもらいたいですね。

遊廓でひとっ風呂浴びました。遊廓っぽさゼロですがその当時だって花魁と口をかわすことも肌に触れることもできないなんて人もいたそうです。元遊郭で風呂入って帰るっていうのも粋な遊びじゃないでしょうか。

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