【心を燃やせ】鬼のいない村「鬼無里」【紅葉伝説】
飯綱山の麓にある「長野フォレストヴィレッジ 森の駅 大座法師」にいます。
こちらの施設は2022年4月にオープンしたばかりで道の駅というよりキャンプ場やグランピング施設のようなところ。
出来たばかりなので建物はすごいキレイです。直売所があり、そちらで買った食材でキャンプをすることもできるんだそう。またキャンプグッズの貸し出しもしているため、手ぶらでキャンプができるみたいですね。
キャンプってアウトドアだけどどちらかというと陰キャ趣味ですが、どうもここを利用する人たちは社会性のある方々のような感じ。幸せな子連れ家族、QOL高めのキラキラしている人たち。私が来るような場所ではありませんでした。
「森の駅 大座法師」は大座法師池のそばにあります。
この池にはだいだらぼっち伝説ってのがあり、ダイダラボッチの足跡が池の形になってるんだとか。
先日テングノムギメシ発生地を見に行きましたが、飯綱山には飯綱伝説っていう天狗の伝説があります。また近くの戸隠には街の名前の由来となった戸隠伝説や天鈿女命伝説があります。中条には山姥伝説があり、少し北の黒姫には黒姫伝説があります。
千曲市の方でも姥捨伝説がありました。
このように長野では伝説が多くあります。いろいろ伝説なるところを巡る旅も楽しそうですね。今回はその中の一つ「紅葉伝説」のある鬼無里に来ました。
こちらは旅の駅「鬼無里」です。○○の駅ってすればなんとなくそれっぽい施設になります。
鬼無里という地名。ちょっと変わっていますよね。鬼のいない里ってことのようで、こちらのパネルに描かれている紅葉って人が、その伝説の主役なんだとか。
伝説を要約は以下のような話です。
紅葉は937年に会津で生まれ、15歳で上洛、縁あって源経基に仕えるようになりました。
その後紅葉は経基の側室となり子を宿したそうですが、正妻から妬まれこの地に流刑となりました。
流刑されたあと紅葉は鬼となりこの地を拠点として悪事をはたらき、それを耳にした朝廷が平維茂を主軸に鬼殺隊を編成。鬼女紅葉討伐にむかいました。維茂の活躍により鬼討伐は成功。もともとこの地は水無瀬と呼ばれていたが、鬼女討伐により鬼無里という地名になったんだとか。
というのが朝廷側から見た話。
村の伝承は少し異なり、紅葉は鬼無里にきたあと、村人たちに読み書き、裁縫、笛などを教え、病気を治したりと村人にとって大切な人で「貴女」と呼ばれていたそうです。しかしそれとは真逆に都では「鬼女」と伝えられ討伐されたとされています。
あくまでも伝承の話ですが、見る側によっては勇者は悪に、悪魔は勇者になるようです。
明らかに見た目が鬼なんですが。
若干「鬼滅の刃」っぽい雰囲気がありますが、この手の話はどこの地域にもあるのでしょう。ちなみに鬼無里にある加茂神社のご神木はヒノキ科のクロベという木で、別名は「ネズコ」と呼ばれているそうです。
色々見てまわろうと思ったのですが、鬼無里は結構広く、そして山深いです。山奥に鬼女紅葉の岩屋「紅葉ヶ窟」ってのがあるのでそちらに行きます。ここが紅葉が鬼となった後に根城とした場所なんだとか。
天狗や鬼は大陸から渡ってきた外国人説が濃厚そうですが、この紅葉伝説が史実に則ったものだとしたら、流刑の民や山窩と呼ばれる村に属さない放浪民の人たちのことを指していたのかもしれませんね。部外者を「鬼」とすることで一定の距離が保てるし、共通の敵にすることで村に結束が生まれます。今も昔も日本人の考え方は変わらないようです。
すぐにつくだろうと思ったのですがかなりヤバそうな道を使います。一応アスファルト舗装はされていますが落石がゴロゴロ転がっていて車一台通るのがやっとの道幅です。整備はされておらず、あまり使われていない道のようで落ち葉が酷くかなり危険な場所です。
やっとたどり着いたんですが、これより登山をしなければならないんだそう。結構険しいです。一応人が歩けるような獣道はありますが、整備はされてなさそう。看板は出てるけど、この獣道を登ってよいのかどうか怪しい感じ。
まぁ、いいかな。
100mくらい登らないとダメみたいだし、この辺熊が出るそうだし。ここに来ただけでも「ほぼ見た」って言ってもよいんじゃないでしょうか。
そう。このあたりは熊が出るんです。
千葉には熊がいないのでおそれる動物はイノシシくらい。それに比べると長野や山梨は不安要素がありますね。ツキノワグマはヒグマに比べるとそこまで怖くないそうですが、実際にある日森の中、熊さんに出会ったら正常な対応はできず一緒に踊るしかありません。熊除けの鈴持ってくればよかったな(持ってないけど)。
山林を探す際、雪が酷いのでこのあたりの地域は対象外でしたが、山奥に住むことを考えるならば熊の存在は意識しないとですね。
「鬼無里」ではなく「熊無里」のほうがいいですね。