【未来の明るいエネルギー】日本の太陽がある村「原子力東海村」
こちらはJR常磐線の東海駅です。駅舎がキレイですね。
住所は茨城県那珂郡東海村。茨城県にある東海村。村では全国で4番目に人口密度が高く、現在の人口は38000人ほど。町制施行要件は7000人以上の人口を有することなので町に余裕でランクアップができます。また市制施行要件は人口5万人なので気合入れれば市にランクアップも可能です。茨城県内の住みやすさランキングでは2位なので今後人が増えれば「東海市」も射程圏内ではないでしょうか。
東京からも離れているし、水戸からもちょっと遠い。それでも人気の村となっているのは行政サービスが行き届いているから。
地方自治体の行政サービスは税収に左右されます。税収が多ければその分行政サービスはよくなり、少なければ質が悪くなります。千葉県銚子市では人口減少により税収が悪化。市の財政がひっ迫しておりゴミ回収日を減らすなど行政サービスが低下しているようです。それに比べて東海村は村の税収が良いため行政サービスが充実しています。実際に街並みは整備され、村とは思えないです。適度な自然を残しながら生活するのに困らない環境のため人気なんでしょう。
このように東海村が潤っているのは村内に原発があるからです。
東海村は日本で最初に原子力施設ができた村。つまり原発マネーで潤っている村なんです。
原発が誘致される前は農村でした。太平洋に面した東海村は比較的温暖な気候で作物を育てるのには良い環境です。有名な作物と言えばさつまいもです。茨城の名産の干し芋は東海村ととなりのひたちなか市を合わせると全国シェアが95%もあるそうです。
こちらは東海駅東口広場にある石像「いもジィ(本名・村野芋治)」です。平成20年に東海村で介護保険推進サミットが行われた際の公式キャラクターがコイツだったんだとか。現在は東海村のゆるキャラになっているようです。本来は「転ばぬ先の杖」をもっているようですが、設置後すぐに破損したようで手には何も持っていません。ここ東海村では転ばぬ先の杖は必要ないようです。
サツマイモが名産地でしたが1957年以降、原子力が名産となりました。東海村は原発村となったのです。
原子力発電所は放射線事故の危険性があり、万が一それが発生すればリスクとなる。これに関しては東日本大震災の際にメルトダウンした福島原発事故で目の当たりにしました。当然ここ東海村でもそのリスクを抱えています。東日本大震災では東海村は震度6弱。原発は自動停止したものの外部電源が消失。非常用のディーゼル発電機に切り替わりましたが福島と同じように津波による被害があり3台ある発電機のうち一台が津波の浸水で使えなくなったようです。震源地がもう少し南側だったら福島原発と同じような結果になっていたのかもしれません。
このように原発はリスクがあります。リスクを背負うならば同等の代価が必要ってことで国から電源立地地域対策交付金が支給されています。またそれまで何もなかったところに原子力関連施設が誘致されました。現在東海村にある原子力関連施設の敷地面積は約500ha。東海村の面積が3800haなので村全体の13%が原発施設ってことになります。原子力関連施設ができれば固定資産税も入ります。さらには関連施設で働く人が3000人以上。小さな村なのに働き口もあるんです。法人村民税も他と比べると多いのでしょう。
このように東海村は潤っているため地方公布税を必要としない不交付団体です。ちなみに北海道の泊村、青森の六ヶ所村、新潟の刈羽村など不交付団体のところがありますが、挙げた村全て原発関連施設のあるところです。それだけ原発は儲かるのでしょう。
こちらは原発関連施設です。当然ですが関係者以外立ち入り禁止。原発では事故や震災など注意しなければならないことがありますが、一番注意しなきゃダメなのはテロなのでしょう。原発がテロ組織に占拠されたら、第三国から攻撃を受けたら、日本は壊滅します。そのため警備はかなり厳重のようです。
太陽を盗んだ男という映画をご存知でしょうか。
放映されたのは1979年なので44年前とかなり古い映画です。主役は沢田研二さん。沢田研二扮する中学校理科教師の男性が東海村にある原子力発電所からプルトニウムを強奪し、自宅で原爆を作りそれで日本政府を脅すという結構センセーショナルな映画です。中だるみなところはあるもののカーチェイスがあったり、その当時の流行のものを全部乗せした感じの映画で結構面白いです。
コンプライアンス遵守が叫ばれる今では絶対に撮影できないし内容的にも映画化できないものです。
タイトルの「太陽を盗んだ男」ってのも秀逸です。
その映画では原発施設からプルトニウムが盗まれるのですが、2001年のアメリカ同時多発テロ以降は原発特別警備部隊が編成されているのでたぶん安全になっているんでしょう。
東海村といえば東海村JCO臨界事故です。原子力の知識がないため詳しいお話は避けますが、安全基準を引き下げ、ウランを雑に扱った結果招いた事故です。
原発はリスクがあるのは確かですが、豊かな生活をする上で電気は必要です。震災以降ソーラー発電が増えていますが、あれもあれで色々問題があるのでしょう。資源の無い日本にとって原発は必要不可欠ではないでしょうか。
しかし原発に反対している組織もあるようです。東海村をつぶすな、原発はいらないと大きく書かれた看板があります。村の一割以上が関連施設で3000人以上の雇用を支えており、村の収益の大半が原子力関連なのでしょう。もし原発を無くした場合、そこに残るのは芋だけです。東海村をつぶすなというならば、原発はつぶさない方がよさそうです。もちろん危険がないわけではありません。もし震災などで福島の原発のようになればこの村だけでなく、水戸のあたりも直線距離で17kmくらいなので帰宅困難区域に指定されるおそれがあります。そう考えると結構ヤバい場所に原子力施設がありますが、日本には必要な技術ではないでしょうか。
ってわけで、まずはそれを学ぶためこちらに来ました。こちらは原子力科学館です。
全体的に配色が青なのは青い光にかけてるのでしょうか。それとアインシュタインと思われるマスコット。
ここであれば日本の科学技術の最先端が学べるのでしょう。チェレンコフ放射、通称「青い光」を出した東海村だからできることです。
原発は怖い、原子力は危ない、「原子力、ヨクナイ!」みたいに十把一絡にするのではなくしっかりと理解したうえでその技術に向き合うことが日本人には必要なんです。知識を身につけ将来に役立たせる。これこそ転ばぬ先の杖です。せっかくここまで来たんです社会科見学をしましょう。
お休みでした。