山林生活

戦後にできたスナック街 カクテルのまち「宇都宮泉町歓楽街」

戦後にできたスナック街 カクテルのまち「宇都宮泉町歓楽街」

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こちらは宇都宮二荒山神社です。
1600年以上の歴史ある宇都宮二荒山神社。祭神は豊城入彦命で勝負運が強くなるご利益があるんだとか。この後パチンコ行くしかありませんね。

宇都宮の地名はこちらの神社が由来とされているようで、かつてこの神社が一の宮と呼ばれておりそれが訛った説、移しの宮が転じた説など説は色々あるようですが、市街地の中心にあるのでこの神社が宇都宮の名の由来ってのは間違いなさそうです。

神社の門前にはバンバ通りってところがあります。戦前はここが宇都宮で一番の繁華街だったらしく、終戦後もこの通り沿いに露店が並んだそうです。

平成になってからは百貨店が店を構えたそうですが不況のあおりを受け閉店に追いやられました。パルコがあるのが都会の証だったのですが、宇都宮パルコも2019年に撤退。車社会の栃木では駅前繁華街はどんどん衰退するようです。

こちらはオリオン通りです。
アーケード街になっており飲食店や洋品店があります。百貨店はなくなったとはいえ地方のわりにそこまでシャッター街にはなっていないようです。

しかし洋品店は閉店時間が早く夕方には閉まっています。日が暮れると居酒屋などの飲食店が目立ちます。キャバクラみたいな店はありませんが、ほぼキャバクラと同じコンカフェがあります。そしてキャッチや質の悪そうな人が街中にあふれ出し、若干治安が悪そうな空気が漂っています。

こちらは釜川で宇都宮の市街地の中を流れています。川沿いに遊歩道が設置され、市民の憩いの場になっているようです。

釜川を沿いを北に登っていくと泉町ってところに出ます。泉町は飲食店が多くある地域のようです。
宇都宮には南側に遊郭があったそうですが、戦後は市内各地に私娼窟ができたそうです。泉町の飲み屋街はその流れを汲んでいるようです。

こちらにはカフエーと書かれた鑑札が残ってます。カフェーとは特殊喫茶と呼ばれる特殊飲食店で現代のキャバクラ兼ちょんの間的なところ。

現在この界隈には特殊な店は無いはずです。

この辺りはいわゆる飲み屋街となっており、町内にはキャバクラやスナックなどの女性が接客する飲み屋があります。

パブスナック貴夫人。色合いが素敵です。
婦人ではなく夫人としているところ、接客する女性が既婚者ってことなのでしょう。今風に言えば熟女パブ。
近年は素人系といった若者メインの店が多いです。でも若いってことは熟練度も低いのです。
キャストに技巧を求めるのであれば、年増の女性の方がよいのでしょう。

まさにここは プロの店。

スタンド割烹さきもりと書かれた看板。
割烹を気軽に楽しめるように大衆向けにしたのがスタンド割烹なのでしょう。気軽に立ち寄れる店があるってよいですね。
でも気軽に立ち寄れそうにない雰囲気

スナックや小料理屋があったであろう路地。この路地はだいぶ朽ちてます。

宇都宮はギョウザの街のイメージがありますが、カクテルの街とも言われています。地方都市の歓楽街はスナックだらけってのが定番ですが、宇都宮はバー比較的多いようです。こちらには宇都宮の老舗バー「パイプのけむり」があります。

宇都宮がカクテルの街と称している理由は、市内にあるとあるバーがバーテンダーの教育に力を入れ、バーテンダーの技術を争う大会で4連覇をしたからなんだとか。宇都宮であれば技術を磨けるってことで全国からバーテンダーが集まっているそうです。

このように優秀なバーテンダーが集まっているってのがカクテルの街と呼ばれる所以ですが、バーが多いのには宇都宮にその土壌があったからでしょう。

宇都宮はギョウザの街、カクテルの街のほかにもジャズの街とも言われています。

とりあえず○○の街って適当につけてる感がしますがそうではありません。宇都宮でジャズが流行るようになったのは終戦後に駐留軍が宇都宮来たのが理由の一つです。

宇都宮は1945年7月12日に空襲にあっています。宇都宮大空襲というもので宇都宮市街地の6割以上が被災しました。宇都宮は陸軍第14師団が駐留する軍都で、市街地の西側に陸軍施設がありました。軍事施設がある宇都宮は狙われるのが当然。しかし陸軍施設は空襲の被害に遭わなかったようです。
戦後、宇都宮に進駐軍がやってきます。進駐軍はかつて14師団が使用していた陸軍施設に駐留しました。接収するのが決まっていたため軍施設を爆撃しなかったのでしょう。このように宇都宮は進駐軍の街になったのです。

戦後ジャズって言葉があるように、日本では進駐軍の兵士を労うためにジャズの演奏を毎晩していたそうです。進駐軍が駐留した宇都宮でも同じように街中にジャズが流れたんだとか。ジャズとバーは親和性が高いです。
宇都宮にバーが多いのは戦争によるものなのでしょう。ちなみにギョウザは満州に駐留していた第14師団の兵士が帰国後に広めたのが理由といわれてます。

戦争によって生まれた宇都宮のバー。

せっかく宇都宮にいるんです。カクテル飲みたいですよね。でも不慣れな宇都宮。どの店に入ったらよいかわかりません。パイプのけむりっていう老舗もあり、そこにいくのがベターですが、それはそれでベタすぎます。いろいろ悩んでいたところ、知らないおじさんから声をかけられます。

おじさん「スナック、探してるの?」

このスナックおじさんは客引きではなくこのあたりで飲み歩いているプロの呑み助。私が悩んでいるのを察したようで声をかけてくれました。スナックではなくバーを探してる旨を伝えると、おススメの店を数軒挙げてくれました。

ってわけでこちらの店によりました。
こちらの店は2022年5月に新しく出来た「BAR相葉」ってお店。
この店の場所には以前「カクテルバータナカ」って店がありました。カクテルバータナカの店主田中與一氏は19歳でこの業界に入り数々のカクテルコンクールで活躍し、宇都宮だけでなく日本のバー業界を牽引してきた立役者でした。しかし高齢となったことから居抜きで店を引き継ぎ、新たにオープンしたそうです。

現在の店主はかつて銀座で修行したあと、宇都宮のパイプのけむり池上町本店で店長をやり、2022年に自身の店をはじめたそうです。

いつもであればビールか茶色いお酒ですが、せっかくカクテルの街ですからね。カクテルで攻めたいです。こちらはモヒート。家でカクテル作るとしてもメジャーカップがないんで目分量。マドラーを使わずに指でかき混ぜるスタイルです。二年前に宮崎の赤煉瓦ってバーに行って以来です。やっぱり人に作ってもらう酒はおいしいですね。

こちらはサイドカー。コアントローがスタンダードではなく製菓用に使う濃縮タイプのものを使用しているそうです。度数だけでなく香り成分も濃縮されているため普通のサイドカーよりもオレンジの香りが強めで飲みやすいです。

最後にいちごを使用したダイキリです。イチゴは栃木県産のとちおとめ。イチゴを蒸留酒に付け込んであるんだそう。寒暖の差がある栃木はフルーツの栽培が適しておりイチゴをはじめ多くの果物が生産されています。そのため季節に応じたフルーツを使用したカクテルが作れるようです。オリジナルカクテルが人気なのもこれが理由っぽいですね。

価格の高騰、コロナによる生活様式の変化により外で飲む機会が以前より極端に減りました。でもこのように知らない街の知らない飲み屋に入って他愛もない会話をするのもよいもんですね。この勢いでスナック行くべきですよね。

泉町はスナック街ですが宇都宮駅東口のタイパブ街のような外国人スナックが乱立しているわけではなく正統派のスナック街です(たぶん)。でもどこの店がよいのかが分かりません。こういうのは地元の人に聞くべきですよね。地元の呑み助なら良い店を知ってるはずです。

ってわけで...

さっき会ったスナックおじさんを探さなければ!

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