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万日山の崖にあったコリアタウンと「河原町繊維問屋街」

万日山の崖にあったコリアタウンと「河原町繊維問屋街」

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本日は熊本にいます。こちらは熊本城です。震災から8年が経過しました。まだ崩壊した石垣はそのままの状態ですが天守閣は元に戻ったようです。再興にはまだ時間がかかりそうですが着々と補修が進んでいるようです。

熊本城と言えば加藤清正。熊本藩主だった清正は1592年に高麗出兵を秀吉から命じられます。文禄・慶長の役、いわゆる朝鮮出兵です。いまでも朝鮮半島と日本は仲が良いとは言えない関係ですが古くからいざこざはあり、朝鮮出兵はまさに侵略戦争だったのでしょう。軍神と言われた清正公でも朝鮮攻略はうまくいかず、豊臣政権は傾くこととなりました。このように熊本は古くから朝鮮半島と深い関係にあります。そもそも東京よりも韓国の方が近い熊本。東京の文化よりも大陸の文化の方が色濃いのでしょう。

実際に市内には韓々坂や蔚山町ってところがあります。諸説あるようですがこれらは朝鮮出兵の際に韓国から連れてきた渡来人が住んだことに由来するんだとか。つまり昔に出来たコリアンタウンってことですね。

こちらは熊本駅です。熊本駅ができたのは1891年。その当時は電車ではなく蒸気機関車でした。粉塵をまき散らす蒸気機関車。においの問題や健康被害から駅は中心地よりも離れた場所につくられました。例えば京都駅は現在栄えていますが、駅ができた当時は京都の中心ではありませんでした。熊本も中心地から離れた場所に駅を作りました。その当時は人が住まない場所だったようです。でも人が住まないといっても実際のところは住んでいる人がいました。京都の場合は被差別部落と朝鮮人街が駅のそばにあり、熊本も駅西側は朝鮮人街がありました。記した通り東京よりも朝鮮が近い熊本。そして軍部が置かれていたことから朝鮮合併後は多くの朝鮮人が職を求めて熊本に移住してきたそうです。移住した場所は誰も住んでいない熊本駅の西側、万日山のあたりだったようです。いわゆる朝鮮スラムが出来上がりました。

現在はそんな様子はなく駅チカの場所です。熊本駅の西側は開発が遅れた地域。旧国鉄のジャナイ方の出口は大体開発が遅れます。遅れた理由は色々と利権があったのかもしれませんね。現在はマンションを建てているようです。熊本駅前自体は繁華街もなく静かな場所ですが路面電車とバスが頻繁に往来しています。そのため熊本駅そばはかなり使い勝手の良い場所です。これからどんどん発展していくのでしょう。

こちらが万日山です。標高138mの低山です。かつてここに朝鮮集落があった場所。
人が住まない斜面に朝鮮集落があったようですが現在は道も整備されていて登るのは簡単です。今日は登山日和です。せっかくなんで登りましょう。

とその前にちょっと不思議な建物が見えます。日本ではあまり見ない仏舎利塔。どうやらこちらは隣の山の花岡山の山頂にある仏舎利塔で管理しているのは日本山妙法寺ってお寺さん。日本山妙法寺は1917年に出来た日蓮宗系の新宗教。仏舎利塔は1954年に建てられたもので朝鮮集落とは何ら関係ないようです。でもちょっと気になりますね。登山には目標があるとやる気も出るもんです。低山なのでやる気もくそも必要なのですが目的地があるのはよいですね。せっかくなので仏舎利塔も回りましょう。

万日山 在日朝鮮人が多く住んでいた在日山。今も居住している韓国朝鮮籍の人はいるのでしょう。でも当時の面影はありません。ゆっくりとなだらかな坂道が続きます。でも徐々に急斜面に憂うつになる上り坂。駅のそばですがこんな感じで結構急な階段。かつてここに移り住んだ朝鮮人たちもこの急な斜面を登ったんでしょうね。

階段を登るとホテルがあります。こちらは一般的なホテルではなくラブホでしょうか。高台で景色の良い場所です。
でもラブホって窓が開かないようになっているところが多いため景色が見れないところがほとんど。そもそもラブホ利用者は景色なんか見るはずがないんです。見るのはお互いの下半身だけ。

あと少しで山頂です。万日山の東側斜面は熊本の市街地が一望できる立地です。登り切ったらよい景色が見れるのでしょう!

でも、もういいかな。

結構急な斜面。そしてここからは長い坂が続くようです。
低山だから大丈夫ってわけじゃない。過去に人が住みつかなかった理由がよくわかる。ほぼ修行です。仏舎利塔に行くのはまだ修行が足りないようです。

たぶん私はもうここに登ることはないでしょう。そのため最後に見る景色です。山の上から見る景色はキレイです。万日山の崖に住み続けた在日朝鮮韓国人。人の住まないところに住み戦後は差別の対象となったのでしょう。山の下に住む日本人をどう見ていたのでしょう。当時の朝鮮人が見た景色はどんなだったのでしょうか。このように多くの朝鮮人が住んでいた熊本。コリアタウンがあるところは韓国料理店が軒を連ねるもんですがここではそういうのがありませんでした。っていうより店はなく住宅とラブホテルだけしかありませんでした。

こちらは河原町にある河原町繊維問屋街ってところです。戦後に出来た問屋街で古い建物がレトロな雰囲気を醸し出しているためフォトジェニックスポットになっているようです。
元々河原町には闇市を起源とする長六繊維市場がありました。日本人だけでなく華僑や沖縄の人、そして朝鮮人もここで働いていたようです。外国人が多かったため国際市場と呼ばれていました。

しかし1958年3月に火災が発生。市場はほぼ全焼しました。現在の河原町繊維問屋街は火災後に建てられた問屋街で高度経済成長期の頃は景気がよかったものの徐々にかげりが見え始め平成に入るころには多くの店が閉店したそうです。一時は誰も寄り付かない場所になっていたようですが、再生プロジェクトによって現在はアトリエや雑貨店が入居するようになりました。築年数は65年なのでかなり老朽化していますが雰囲気が良いですね。

ここにも朝鮮人がいたようですが、朝鮮人だけが集まるエリアではなかったのでコリアタウンにはなりませんでした。
熊本は比較的多くの在日朝鮮韓国人が住んでいたようですが川崎の桜本や大阪の鶴橋のようなコリアタウンは形成されなかったようです。

こちらは熊本空港です。2023年の3月にリニューアルしたようで空港内はかなりキレイです。ちょっと変わった造りになっていて国際線と国内線が一体となっているんです。地方空港の出発ゲートって売店くらいしかありませんが、ここではフードコートもあるしお土産品も扱っています。以前まではカードラウンジで焼酎の飲み放題をたらふく飲むだけでしたが空港が新しくなったことでお土産を見たあとラウンジで焼酎をたらふく飲む形に変わりました。

国際線は香港、台湾、韓国。熊本から韓国に行けるようになっています。そして韓国から来る人も。
震災と感染症による影響で減少していた訪日外国人ですが徐々に回復しているようです。福岡のホテル代が高騰していたのも外国人が多かったから。福岡のホテル代が高いため今回は熊本に逃げてきたのですが、今後は熊本もホテル代が高くなりそうです。

熊本空港って国際便で韓国行けるんですね。韓国ソウルまで1時間30分。羽田空港に行くのと同じ時間で行けるんです。ちょうど手元にはパスポートがある。これは行くのもアリなんじゃないでしょうか!

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