山林生活

現代の姥捨て山「河原町団地」に新たな未来はあるのか?

現代の姥捨て山「河原町団地」に新たな未来はあるのか?

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六郷橋を渡り川崎へ。これより幸区に向かいます。

川崎駅は川崎区にありますが、駅の反対側は幸区です。つまり線路を越えたその先は幸区となります。
河川敷を幸区方面へ。道中120センチくらいの高さしかない橋の下をくぐります。

多摩川や川崎港は護岸工事がされていますが、昔はこのような干潟があり貝類が獲れたそうです。これは下水溜まりみたいなところ。

蟹とかいっぱいいます。魚もいるし野草も生えているので最悪食料は確保できる環境。

川崎工業化の起源は砂糖なんだそうです。
横浜製糖(現・大日本明治製糖)が川崎に工場をつくったのがはじまりなんだとか。

川崎でパスポートの再発行手続きをする
川崎でパスポートの再発行手続きをする

天竺の旅は年内に帰ってきます。年越しは日本国内でする予定です。パスポートの残存期間は2020年2月まで。充分足り

パスポートセンターのあるソリッドスクエアビルが建っているところに工場があったんだそうです。
ここに工場ができたのは土地が安かったからというのも理由ですが、輸送に適していたそうです。

むかしは東京湾から多摩川まで舟が上り、原料をここで荷揚げしたんだそう。その際に作られた護岸壁がこちらのようです。ある意味明治産業革命の遺跡ですね。

でも現在は岸を守る護岸壁ではなく住居を守る基礎になっています。
この辺りは戸手四丁目から続く住宅地。戸手四丁目のあたりはマンションが建ちましたが、この辺りはまだそのまま。

これ、素人が作る家とは違いしっかりしています。窓もあってひさしもあります。

大師通沿いにあるのですが、出口は大通り側ではなく多摩川側に用意。出入りは脚立を使う斬新なつくりとなっています。

人がいるような住居もありますが、空き家っぽいところもあります。

【川崎TD4】不法占拠されていた河川敷の今【朝鮮部落】
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川崎に来たのは昔懐かしの雰囲気を味わいたかったからです。住んでいたのは10年以上前のお話。街並みは大分変りました

戸手四丁目の問題も川崎は抱えていますが、これらのバラック小屋も川崎の悩みの種となっています。河川敷の中ではないので水に流されることなくずっとこのまま。取り壊せば生存権の侵害だし所有物なので勝手に壊すこともできません。かなり昔からある建物なのですでに時効取得していてもおかしくないんじゃないでしょうか。多摩川に小屋建てて20年住んでいたら川崎駅徒歩10分の一等地がタダで手に入るんです。

新たな占有者が現れないようにバリケードはってますが、逆にこれ、建物の基礎として使えるんじゃないでしょうか。

「ここはゴミ捨て場ではありません」という人権を配慮した立て看板。

河川工事がはじまるようです。つまりこの住宅地も壊す対象となるのでしょうか。戸手四丁目の時のように立ち退き料を支払うのでしょうかね。全てはずっと放置していた市の怠慢です。
明治製糖の護岸壁沿いのバラック住居は多摩川みはらし公園まで。そこから先は高層マンションが建っています。

立ち退きの末にできた大きなマンション。このあたりは人口が増加しているのでしょう。そもそも幸区は川崎の人口を支えている場所です。川崎区も幸区も工場地でした。工場があるってことは工場で働く人が必要で、高度経済成長期は幸区にそこで働く人のための団地ができました。

こちらは河原町団地です。私が子供のころ、近づいちゃいけないと言われていたゾーンです。河原町団地は東京製綱の工場跡地に1971年に第一棟が完成。現在は13棟の建物ができています。戸数は3500戸以上あるため単純に3500世帯が住める規模の団地です。

昔は治安の悪い場所と言われていました。15号棟まである団地ですが、10号棟と11号棟はなぜか欠番。13棟ある内の10棟が県営市営住宅。3棟が分譲マンションとなっています。

公営住宅ということは母子家庭や低収入、生活保護家庭の方が多く、どうしてもそのような環境で育つ子供たちは悪い輩となるケースが高くなります。そのため昔の河原町団地はアウトロー量産地となっていました。

団地ができてからもう50年。建物も老朽化しています。でも一周回って斬新な形状の建築物です。

建物一階の吹き抜け部分。雨の日でも子供が遊べるようになっています。
河原町団地ができたころは若い世代が地方から移り住んできたのでしょう。1977年には町内にあった河原町小学校の生徒数が1900人以上だったようです。でもそれは40年以上前の話。1990年代にはすでに高齢化問題となり、2006年には生徒数減少により小学校が閉鎖されるまで若い世代が減少しました。その小学校跡地には老人養護施設が建っています。
幸区を支えていたこの場所はいつしか姥捨て山のような状態になってしまったわけです。
今住んでいる人で多いのは老人。65歳以上の人口が50%以上となっています。

河原町は石投げたら二回に一回は老人に当たる場所です。

そんな老人の巣くう街ですが、ここに住もうと思ったことがあります。市営団地は収入制限やファミリー向け限定です。河原町団地は13棟中10棟は市営・県営団地ですが残りの3棟は分譲のため賃貸物件があるのです。河原町団地と堀之内を天秤にかけ、結果は堀之内を選んだのですが、住むために内見もしました。
内見した部屋はメゾネットタイプでした。家賃は10万円くらいで広さは50平米くらいだったと思います。

一階にはスーパーもあって便利ですが、如何せん建物の古さを感じました。
治安が悪いと言われている地域ですがオートロックなどがなくセキュリティの不安があり諦めちゃいましたが、再度この場所に住むのを考えてもよいかもしれません。その当時は“古い”というだけでちょっと嫌でしたが今は古いのも受け入れられるようになりました。当然新しい方がいいですが、安く住めるのであれば古くても問題ありません。

幸区の中心部は新たな商業施設や高層マンションが増えております。最寄り駅が川崎なので利便性もよい場所です。現在は高齢者の街、河原町となっていますが、それもいずれ浄化されていくのでしょう。

さて、だいぶ寄り道をしてしまいましたがこれより昼食をとったあと銭湯に向かいます。

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