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新橋筋商店街脇にある元青線街「野田地獄谷飲食街」

新橋筋商店街脇にある元青線街「野田地獄谷飲食街」

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本日は大阪に来ています。

大阪って狭い地域の中にいろんな街があり、街ごとにいろんな顔があります。
難波のようにガラの悪い人が集まる街や、西成のようにガラの悪い人が集まる街。そして岸和田のようにガラの悪い人が集まる街や十三のようにガラの悪い人が集まる街など。このように町によっていろんな顔があるんです。粉モンと人情の街、それだけではないんです。
そんなわけで大阪の街を巡るだけでも関東人は新たな発見ができます。

本日は福島区の野田阪神に来ています。
こちらは他の街と様子が違い、ガラの悪い人が集まる街のようです。

こちらは新橋筋商店街です。

第二次世界大戦時、大阪は複数回空襲に遭い、1万人以上の市民が亡くなったそうです。難波や心斎橋は火の海となり避難もできない状態だったんだとか。このように大阪全域で空襲被害に遭ったそうですが福島区のこの界隈は戦時中空襲を逃れたそうです。そのため古い建物が多く、古めかしい日本家屋を見ることができます。
文化財として保存されている京都の街並みとは違い、近代的なものもありながらも昭和大正の建物もごちゃまぜとなっています。
理路整然となっている街並みよりも雑多な感じがある大阪の街並みの方が人の血が通っているようで好きなんですよね。
福島区はまさにそのような街並みが見れます。

阪神本線野田駅と大阪環状線の野田駅をつなぐアーケード街で長さおよそ370m。スーパーや八百屋など生活雑貨を扱う店が多くあります。シャッターが閉まっているところが目立ちますが、シャッター街ってわけではなく結構よさげな商店街です。東京にもアーケード街がありますが、西と東では少し違いますね。私は地域密着型の西のアーケードの方が好きです。

新橋筋商店街は道幅がだいぶ狭いです。
消防法の関係でこの狭いアーケード街は新設できないでしょう。でもこの狭い感じ、いいですね。

そして本日この商店街に来たのはここに行きたかったからです。こちら、建物の間にある隙間ですが通路なんです。道幅は50cmくらいでしょうか。人が通るための道ではなくビルの管理上用意している隙間みたいなところ。

でもこのように道の先があります。
人一人がやっと通れるくらいの幅です。自転車で通ることは難しいでしょう。マジでただの隙間。この先には「地獄谷」と呼ばれる場所があるんです。

ここを通ると少し広がります。広がるといっても狭いです。
なんとなく新宿のゴールデン街を彷彿させるような場所です。そうなんです。ここ、地獄谷はゴールデン街と同じ歴史がある飲み屋街です。

新宿三丁目にあるゴールデン街は戦後闇市を経て青線街となり、現在の飲み屋街となりました。
こちらの新橋筋商店街脇にある地獄谷も同じように闇市を経て青線へ。そしてスナック等の店が集まる飲み屋街になったそうです。

青線とは非合法の風俗店の集まる風俗街。
非合法とはいっても売春防止法施行までは黙認されていたのでしょう。でもこのように入り口が狭くなっているところを見ると、禁止されたあとも非合法な営業が続いたんでしょうね。このように入り口が狭くなっていれば警察のガサ入れも柔軟に対応できたのでしょう。

現在はスナック、居酒屋やバーなどの普通の飲み屋街となっております。

なぜこの場所が地獄谷と呼ばれるようになったのかは不明です。
一度入ったら楽しくて出てこれなくなる、飛田新地と違ってバケモノが出てくる、子供が近づかないように地獄という名を用いた。

色々理由はあるのでしょう。この手の名称は大体そこに行く人が名前を付けます。飛田新地だと若い子がいるメインストリートを「青春通り」、年配の人が多い場所を「妖怪通り」と呼んでいます。これらも利用者が勝手に名前を付けたのです。地獄谷も何かしらの理由で名前が付いたのでしょう。

比喩的な表現で「格の低い売春婦」を地獄と呼ぶそうです。年齢的に客がつかなくなった遊女、梅毒や淋病にかかってしまった遊女。このように遊郭で働けなくなった人は非公認の岡場所で働くしかありません。つまり最下層の遊女ということから地獄と呼ばれたのでしょう。

地獄谷は青線街でした。

有名は飛田や松島と対比して赤線で働けない人たちがいる地獄。衛生面などで管理されていない青線は梅毒に感染し地獄を味わうリスクがありました。それが由来で地獄谷となったのかもしれませんこれはあくまでも私の見解です。大方こんな感じで名をつけられたんじゃないでしょうか。

しかし今はそんな売春街のイメージはなく、ガラの悪い人が集まる街になりました。おそらく普通の飲み屋街です。
飲み屋街のため日中はお店がやってません。そのため夜に出直すこととしました。

夜のアーケードはお店が閉まっており閑散としてます。
昼はあんなに活気があったのに日が暮れると訪れる静寂。誰もおらず静かなアーケードは淋しさがあります。

地獄谷の入り口です。日中よりもさらに不安を感じさせます。ここに入ったら本当に出てこれなさそうです。マジで地獄に通じてそう。っていうより知らないとこの先に店があるとは思えません。

でも中に入ると赤ちょうちんがぶら下がり、普通の飲み屋街が広がってます。結構繁盛している店が多いようです。地獄谷の餃子屋が有名なんだとか。
せっかくなんでどこかに入るべきなんでしょうがゴールデン街特有の雰囲気があるため、その重い扉を開けるだけの勇気が私にはありませんでした。

恐らくその扉の向こうは“天国”なのでしょう。

関西に知り合いでもいれば一緒に店に入れたのでしょうが、関東人で不慣れな大阪。勇気がないヤツは地獄では生きられないようです。
でもゴールデン街よりは比較的入りやすそうな感じの店構えの所が多かったです。

結局地獄谷ではどこにも行きませんでした。野田駅前にあるうどん屋にてかすうどんを食べて〆とします。
東京だとかすうどんを出している店が少ないんですよね。わざわざ大阪に行ってまで食べるほどのものではないんですが、東京で食べられないってなると食べたくなっちゃうんです。

油かすは一部の方のソウルフード。
かすうどんの発祥は大阪府羽曳野市みたいです。あまり行く機会のない場所ですが、そこだったら旨いかすうどんが食べられるのでしょう。機会があれば立ち寄ってみたいです。ちなみに羽曳野市はガラが悪い地域のようです。

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