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府中宿で安倍川餅を食し、藤枝宿を目指す

府中宿で安倍川餅を食し、藤枝宿を目指す

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沼津から府中宿のある静岡まで自転車で走破しました。ここのサイクルポートまで約60kmです。平坦な場所ではアシストをオフにしてバッテリーを温存していたため、切れることなくここまでたどり着けました。沼津⇒静岡間はほぼ平地です。川を渡る橋の手前などで坂道がありますが短い区間です。そのため結構バッテリーオフで走れました。
今回使用しているシェアサイクルは一応ギア付きです、三段ギアしかありませんが疲れたら一番下のギアでゆっくり進むこともできるわけです。次に借りる自転車がよいことを願うばかりです。

静岡駅付近にはサイクルポートがいっぱいあります。駅前だけで12か所、付近も含めると30か所ほど用意されています。
予定ではこのあたりで宿泊を考えていたのですがまだまだお昼です。そのためここで自転車を借りて20km先の藤枝まで行きたいと思います。

藤枝の先、サイクルポートが現れるのは120km先の岡崎です。藤枝以降を歩くかどうかを決めなければなりません。これに関しては藤枝に到着してから判断したいと思います。

自転車はYAMAHAの電動アシスト付き自転車です。さすがはヤマハのお膝元。静岡らしいですね。また運営会社が変更されました。沼津は15分100円でしたが自転車の貸し出し費用は都内と同じ15分70円となっています。ちょうど公園で自転車を乗り換えたので給水も済ませます。

出発してすぐ、安倍川の手前に餅屋をみつけました。石部屋という店で200年以上の歴史があるんだとか。

峠の茶屋もそうですが、こういうところで餅食べてお茶を飲むっていうのもなんだか旅って感じでいいじゃないですか。ということで立ち寄ります。

ちょうどお昼時です。昼から甘いものを食べるって人はいないでしょう。そのため誰もいません。

からみもちというのもありましたが無難に安倍川餅をチョイス。砂糖を混ぜたきな粉餅のことを「安倍川餅」と呼んでいましたが、きな粉に砂糖を混ぜずに提供するのが安倍川餅の本来の姿なんだとか。安倍川餅の名前を付けたのは徳川家康なんだそう。すげー嘘っぽいですが古くからある食べ物なのでしょう。
この甘いのが体にしみこんできます。小さいけど餅8個食べることになりました。昼時にこんなもの食べたらお昼ご飯は食べられそうにありません。

店の横には安倍川の義夫の碑というのがあります。
この碑は正直な川越人夫の顕彰碑というもの。ざっくりとした内容は、大金を持った紀州からきた旅人が安部川を渡るため川越人夫を雇おうとしたが値段が高いため自分で川を渡ることに。その際、着物を脱ぐときに大金の入った財布を落してしまったそう。たまたまその財布を見つけた川越人夫は旅人のあとを追い財布を届けたんだそう。旅人は喜び謝礼を渡そうとするも受け取ってもらえないので奉行所を通して謝礼を渡そうとする。しかしそれでも受け取ってくれないため謝礼は旅人に返されたんだそう。そして奉行所が代わりに褒美金という形で金品を渡したんだとか。大岡裁きの三方一両損に似たような話ですね。

さらに時代は進み200年後この石碑を建てる際、和歌山県、つまり紀州の有志も費用を出したんだとか。
駿河の川越人夫は財布をくすねず所有者に渡し、落とした紀州側は200年後にこのような形でお礼をする。
騒動の解決に200年かかったわけです。長い年月がかかりました。石碑の内容からは義を志せってことでしょうかね。

ちなみに義夫の碑の隣は民団の施設になっているようです。

こちらは1000年後まで続くみたいです。

1000年後、はたして日本と韓国は義を志せているのでしょうか。

安倍川餅の由来である安部川を渡り、前に進むと丸子宿となります。
こちらは東海道の中で一番小さな宿場町だったんだとか。

日本橋から20番目の宿場町です。手前には府中宿があり先には藤枝宿があります。そのため利用者も少なかったため規模も小さかったのでしょうね。安倍川が渡れなかった時の簡易宿舎のような立ち位置だったんじゃないでしょうか。

丸子宿の名物はとろろ汁なんだそう。
うなぎ、とろろ、そば。痩せた土地でも手に入れられる食材なんでしょうね。山が近ければそばに山芋。川が近ければウナギなのでしょう。今であれば高級食材のウナギも当時は庶民の食べ物だったのでしょうね。

こちらがとろろの有名な店なんだと思いますが、先ほど餅を食べたばかりです。全然お腹空いていません。いろんな宿場町で名物を食べたいところですが隣の宿場町までの距離が短いところもあります。また宿場町全てに名物があるわけではなく丸子宿同様にとろろが名物っていうのが続くこともあるでしょう(ちなみに一つ前の府中宿では安倍川餅しか食べてません)。
宿場町五十三を一日ごと、計53日かけて回るというのもよいのかもしれませんが、見たところ現在は住宅地となっており宿のない街もあるようです。そのためこれまでどおりスルーするところはスルーする感じでしょうかね。丸子宿のとろろは別の機会に食べたいと思います。

藤枝まであと9kmです。沼津から丸子宿まで約60km。徒歩だとここまでこれません。シェアサイクルだからできたわけです。もう少しサイクルポートがあると便利ですが、地方に行けば利用者も減って運営するのも楽ではないのでしょう。

もう少しで今日の宿泊地につけます。

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