安全に海外に行くためのワクチン接種をしてみた
海外旅行の際に毎回気になるのが感染症についてです。特に東南アジアは発展したといっても地方都市はまだ昔のママ。衛生面なども好ましい状態ではありません。例えばトイレに関しても拭いた紙は流さずにポリバケツへ。それでも水洗だからよいのですがぼっとん便所も健在です。衛生管理が緩いため食中毒も当然のように起こります。日本の清潔な環境にいると免疫も落ちてしまいます。
これまで一応注意してきたため海外での食中毒や感染症に罹ったことはありません。生食は絶対にせず、屋台もできる限り避けてきました。水もペットボトルで売られているものだけしか飲まず、店が提供する水も飲みませんでした。このように徹底していたから難を逃れていたのかもしれません。しかし徹底できたのも短期間の滞在だったから。これが長期となれば警戒度も徐々に低下し「ま、いっか」といった感じで落ちてるものを拾って食べたり、生焼けの肉を食べたりしてしまうわけです。その結果待っているのが食中毒です。
日本国内では頻繁に食中毒に罹っています。牡蠣食べた翌日には上から下から大洪水。ノロウイルスだったことも。ほかにも生肉食べて食あたりしたり、半日入院しなければならないこともありました。基本的に店で提供されるものは「安心・安全」だと思っています。そのため豚肉が例え若干赤みを帯びていたとしても「提供しているものだから大丈夫」という感じで食してきたわけです。その結果食中毒になるわけですが。
このように日本国内で無双するのは救急車を呼ぶこともでき、医者に症状を伝えることもでき、そして医療機関への信頼があるからです。
しかしこれが言語が通じない海外だった場合どうでしょうか?
救急車ってどうやって呼べばいいのか。
「シクシク痛い」のシクシクって英語でどう表現すればよいのか?
そもそも英語が通じるのだろうか?
というより英語も大して話せない!
症状などを的確に伝えられるのであれば相応の処置が出来るでしょう。未開の地に行くわけではないためある程度の医療技術はあるためそこは問題ないでしょう。問題は言葉の壁です。症状が伝えられなければ最適な処置をしてもらえる保証はなく、場合によっては死が待っているわけです。出来ればそれは避けたい。そのため今回は感染症対策としてワクチンを打ってもらうことにしました。
今回一番不安視しているのは狂犬病です。
日本にいれば恐らく出会うこともない狂犬病です。島国である日本やニュージーランドでは狂犬病が撲滅しましたが大陸でつながっているところは狂犬病のリスクがあります。名前の通り犬が罹患している病気なんですが、基本的にどの動物も感染する恐れがあります。犬だけでなくコウモリやタヌキなど人を含むすべての哺乳類が狂犬病にかかるリスクがあり、そこから感染する可能性があります。動物に噛まれる、傷口などを舐められるなどがあった場合感染するわけです。死者は毎年5万人以上。その9割がアジアとアフリカなんだそうです。
狂犬病の怖いのは発症したらほぼ100%死亡するということ。発症するかどうか、そして発症する時期というのは大きく異なりますが、動物に噛まれたら死ぬ可能性があるというわけです。
死亡理由:犬にかまれて死亡
これは出来れば避けたいです。
そんなわけで、狂犬病のワクチンを接種できるところを調べました。
都内であれば比較的多くあるようです。狂犬病ワクチンは自由診療。そのため病院の言い値となります。でもある程度相場は決まっています。そのため通いやすいところを選べばよいのではないでしょうか。私はせっかくだから大きな病院でワクチンを打とうと思いました。
国立国際医療研究センター病院にしました。新宿だと東京医科大学もあったのですが、スケジュールの都合上こちらになりました。
今回、狂犬病ワクチン接種を考えていたわけですが、当然狂犬病以外にも様々な感染症があるわけです。行く地域によって感染症の種類も変わるため問診しながらそれ以外のワクチンを打つかどうかを決めていきます。
医師と話し、必要とされるワクチンは以下のものでした。
狂犬病
A型肝炎
腸チフス
破傷風
日本脳炎
B型肝炎
狂犬病に関してはお伝えした通りです。そもそもこれを摂取しに来たわけです。
基本的に日本以外の場所は狂犬病のリスクがあると考えた方がよいでしょう。とくにアジアとアフリカは高リスク地域のようです。一カ月滞在した場合の狂犬病発症率は1%。つまり100人に一人は感染する可能性があるということです。1%と聞くと意外に低いような感じもしますが、私はその手の星に産まれた人です。そういうの引きが強いんです。とくに犬とか苦手なんで野良犬いるとちょっと遠ざけようとするじゃないですか。その行動が犬を刺激し襲われるわけです。前回ラオスに行った時も野良犬を何度か見ましたが、通り過ぎるまで一切動かず目線も合わせませんでした。何とか難を逃れたものの、この旅でどうなるかはわかりません。
ただ今回ワクチンを接種したとしても結局噛まれれば現地の医療機関にかからなければなりません。ワクチンを打っていないと6回ワクチン接種しなければならないのに対し、事前に打ってあれば2回で済むようです。その6回というのも「免疫グロブリン」という製剤が必要なのですが、都市部とかでない限り入手できないことも。そして噛まれてから24時間以内に対処する必要があるわけです。そんなわけなんで打っておいた方がよいわけです。
問題はそれの費用に関してです。狂犬病のワクチンは二つあり、一つは国内承認、もう一つは国内未承認。国内承認の方の値段は13500円。未承認のやつは11000円。これだけみると自由診療だから若干高いなレベルなんですが、狂犬病ワクチンは合計三回打たなければ抗体ができないみたいです。三回も打たなきゃならんっていうのは面倒ですねー。とかそういうのではなく、13500円は一回当たりの料金。つまり13500円×3回分の費用が必要なわけです。
狂犬病ワクチンはほぼ5万円かかるわけです。
高い。結構なお値段です。でも100%死ぬってことを聞いているためこれは打っておいた方がよいのでしょう。一度打っておけば以後は一回の摂取で事足りるようになるわけです。そんなわけなので打つこととしました。打つのは国内未承認の方です。
国内承認と未承認の違いに関しては、承認の薬剤を使用して副作用で重大な問題や被害があった場合は国が保障してくれるようですが、未承認の場合はそれがないようです。でも承認の狂犬病の薬剤は半年かけて摂取しなければなりません。つまり旅行に行くとしても半年先になるわけです。それに比べると未承認の方は四週間の中で抗体を作ります。つまり一カ月後の旅行に間に合うわけです。国の保障は受けられませんが、未承認といってもどちらかというとそちらの方が国際的標準薬剤らしく、現在国内で認められている薬剤の方も近々なくなるそうです。値段等関係なく未承認のやつを選びました。
続いてA型肝炎です。
食べ物から感染するようです。不衛生な環境だと感染率が高くアフリカとインドが高い地域なんだそうです。火の通っていない野菜や海産物、水や氷が原因のようです。
今回の旅は天竺に向かう旅。最後の国はインドです。インド最終日、恐らくはっちゃけちゃうんでしょう。それで腹を壊す可能性もあるわけです。一度予防接種を受けてしまえば以後20年効果の期待が持てるわけです。今のうちに済ませておいて損はないですね。
こちらも承認、未承認があり承認の方は半年かけて三回打たなければならないのに対し、未承認は二回で済みます。二回でも同じ半年間かけるわけですが、一回目の摂取で効果があるんだそう。そのためこちらも未承認のやつにしました。
続いて腸チフスです。
名前からしてお腹絡みのヤツですよね。食べ物から感染し南アジアは高リスクなんだとか。
A型肝炎と同様に生野菜や海産物、水などの摂取でなるそうです。腸チフスになった場合治す方法はなく時間経過で外に出るのも待つしかないようです。国内ですら腹壊す率が高いわけです。海外だとさらに酷いことになるでしょう。腸チフスに関しては一回の摂取で問題なしです。こちらも摂取します。
続いて破傷風に関してです。
破傷風は子供のころに予防接種をしており、そして大人になっても交通事故の際にトキソイドという破傷風ワクチンを接種しています。過去に摂取していればなりづらくなるようですが、抗体は時間とともに減少するようです。10年ぐらいたつと効果がなくなるんだとか。でも再度打てばまた復活するためこちらも一回だけ摂取することとなりました。この破傷風に関しては狂犬病より気を付けた方がよく、そもそも日本国内にいても発症する恐れがあるため海外に渡航云々関係なく、ある程度の年齢になったら再度摂取する方がよいみたいです。
続いて日本脳炎です。
日本脳炎に関しては子供のころに予防接種をしております。日本国内でも発症する恐れのある病気ですが確率は100万人に1人とかなり低いです。そのため不要ではありますが、蚊に刺されるリスクが高い国に行くわけです。そしてすでに摂取しているためこちらも一回の摂取で大丈夫ということだったので受けることとしました。
そして最後にB型肝炎です。
B型肝炎は日本国内でも感染リスクがあります。医者からはこのように言われました。
医者「海外の風俗などを利用し性行為をする場合、B型肝炎のリスクがある。ただし性接触がない場合はそこまで重要ではなけどどうする?」
風俗を利用するか否か。ハハハッ!笑止千万!まっまさか、そんなの利用しないに決まっているでしょう。まるでアジアに一人旅に行く男性はソレ目的の人って思われがちですが、そんな野蛮な人種ではありません!
風俗とは何ぞや。性風俗とは人類の最初の職業とすら言われております。それだけ歴史の古い仕事です。しかしそれは形を変え現在は人身売買の温床となっております。そんなのを利用するなんて非人道的ではないでしょうか。これが戦時中やもっと古い時代のお話であればわかります。しかし今は環境が大きく変わっているわけです。お伝えしたように人身売買と同等の業種です。それを利用すれば私も人身売買したのと同罪。人の道を踏み外しているわけです。
医者「ということはB型肝炎の予防接種は不要ですかね」
でも、ここの感染症リスクのところに「血液曝露」とか「濃厚接触(保育、コンタクトスポーツ)」とか書いてあるじゃないですか。コンタクトスポーツ、やるかもしれません。現地の人とカバディやるかもしれないんです!
そもそも私は“買春”はしないだけです。自由恋愛はあるかもしれません。マッサージしてたら恋に落ちることもあるかもしれないわけです。身体を洗っている間にそのような関係になっていることもあるわけです。
男女の関係であればプレゼントを渡したりすることもあるでしょう。その渡すものが多少の金品だったとしてもそれは恋愛における自然な行動。つまり買春とかそういうのではないんです。風俗ではない。自由恋愛の範疇なわけです。時にはその恋愛を手引きしてくれる人がいるかもしれません。その人から紹介された人に一目ぼれすることもあるかもしれませんが、それも自由恋愛です。それらのことを考慮するのならばB型肝炎のワクチンは当然に必要なものと考えられるわけです。
医師「...。そういう時はコンドームをしっかりして予防してください」
こんな感じのやり取りの末、上記のワクチンを打つこととなりました。費用はトータルすると10万円近い金額となっております。この費用があればちょっとした海外に行って豪遊できるくらいです。なんだったら現地でワクチンを接種すれば旅行もできるわけです。そのようなことをしている人も中に入るようです。
そもそも私は危険地帯に行くわけではありません。どちらかというと安全な都市部で生ぬるい環境でインドまで目指すわけです。それを考えると高額な費用を出してまでワクチンを打つ必要があるのか微妙なところがあります。
でも、ひょんなことから冒険が始まることもあるわけです。野山をかき分け、財宝を見つけるかもしれません。原住民と接触し宴がひらかれるかもしれないわけです。そんなときワクチンを打っていれば病気のリスクは軽減できるってわけです。
これらの作業を一カ月かけて行いました。
ただ一つ問題が出ました。
このワクチン予防接種には過去のワクチン接種情報をもとにどうするかを決めます。すでに抗体ができているのであればわざわざ再度打つ必要がないものもあるわけです。そのため母子手帳を持っていきました。しかし母子手帳も出産してある程度の時期までは記載がありますが、就学以降の情報は載っていないわけです。何のワクチンを接種したのかが定かでは無いわけです。
小学生の頃、定期的に注射を保健室で打たれた記憶はあります。あれはインフルエンザの予防接種だったのか、麻疹や風疹の予防接種だったのか、日本脳炎だったのか。全く記憶がないのです。今回様々なワクチンを打つこととなりましたが、風疹と麻疹の予防接種をどうするかどうかという話となりました。これも海外云々ではなく受けておくべき予防接種なんだと思います。
つい最近日本でも風疹が流行していました。今後再度流行しないというわけでもありません。それであれば受けておいた方がよいだろうと。
でも今それを受けると自由診療となりさらに追加の費用が必要となります。どうやら麻疹と風疹は国の事業により抗体のない人は低価格で受けられるんだとか。でも、川崎で受けなければならないようです。
それがすごいめんどくさい。どうやら風疹と麻疹のワクチンは生ワクチンというもので他のワクチンと合わせるのは好ましくないんだそうな。現在狂犬病ワクチンなどほかの数種類のワクチンを接種しています。まずはそれらを受けた上で最後に麻疹風疹のワクチン接種が望ましいんだと。しかも公的保護を受けるのであれば川崎市が管轄する医療機関で受けなければならないそうです。
日本でも流行っている感染症です。そのため早めに打っておいた方がよいのでしょう。しかしそれが面倒。果たして海外に行くことで風疹や麻疹の感染率は高まるのでしょうか?日本と同じなのであればとりあえず今のままでよいのではないでしょうかね。正直ワクチンのためにこれ以上お金をかけたくないという気持ちが高いです。極端にいえば風疹や麻疹にかからない環境であればよいってわけですよね。
ちなみにそれって、コンドームで防げるんですか?