【ベトナム超特急】統一鉄道でハノイ→サイゴンに行く
今回ハノイから直接ホーチミンまで移動します。北から南の一番大きな都市へ直接移動です。一般的なルートであれば道中に立ち寄り色々見たうえでホーチミンまで行くっていう形でしょう。フエやダナンといった都市があります。しかし途中下車を一切しません。ノンストップで直接ホーチミンまで行こうと思います。まさにベトナム超特急、ベト超です。果たしてこの旅にどんな出会いがあるのでしょうか。
ハノイ駅に到着しました。
二日前にチケットを購入するためこちらに訪れています。そして駅の雰囲気はその時見ておりました。着いたのは1時間30分ほど前、勝手がわからないため少し早めについておきました。どうやら30分前に来るのがよさそうな感じのようです。
乗るのは統一鉄道という寝台車です。ハノイからホーチミンのサイゴンまでは1700km。乗車時間は33時間。二日間ほど車内で宿泊します。一応車内販売はあるものの購入できるかどうかは不明です。そのためハノイ駅にあるコンビニに立ち寄ります。
ちょっとワクワクします。なんとなくビジネスホテルに宿泊するときのコンビニ利用に似ています。酒やスナック菓子などを購入します。
こちらは定番のカラムーチョです。辛いものが多い国で日本人がわざわざカラムーチョを買って食べることもないのでしょう。日本人以外の人に売れるようにまさかのドラえもんを使用しています。何も関係ないですが日本アピールをするのであればドラゴンボールかドラえもんなんでしょうね。
お湯があるようなのでカップラーメン。そしてスナック菓子と水、ビールです。腹の調子もよくないのでポカリスエットを購入しました。
ついでにコーヒーコーラがあったのでこちらも購入。コーラは普段飲まないんですが気になったため購入。しかしコーヒーコーラは日本でも発売されているようですね。てっきりベトナム限定なんだと思い購入してしまいました。これならふつうのコーラを買えばよかったと後悔しております。
こちらがハノイ→サイゴンまでの時刻表となります。サイゴンまでは一日五本あるようです。電車に33時間も乗り続けるのは初めての経験です。
乗車時間30分ほど前から列車に乗ることが可能ということで改札を抜けられます。先日購入したQRコード付きのレシートを係員に見せるとQRコード読み取り機に当ててくれます。これでホームに入れます。
こちらが今回乗車する車両となります。入り口には車両番号がふってあり、各入口に係員がいます。乗車前にチケットを見せて乗車します。全席指定席なんでトラブルとかにならないのでしょう。現地の人とトラブることは避けたいですからね。中国では結構面倒なこともありましたが今回は大丈夫でしょう。
全然大丈夫じゃねーし!
予約したベッドですがすでに荷物が置いてあります。比較的早く到着したのですが...。他も空いてるのになぜ予約したところにピンポイントで荷物があるのでしょうか。
この写真を撮り駅員に見せます。カバンある旨伝えると、それを確認してあたりを探します。そしたらカバンの持ち主が取りに来ました。原因は不明ですが、これで予約席に座れ...寝れるようになりました。
車内は狭いです。比較的綺麗に保ててますが、古いのかぼろいところもチラホラあります。そしてGの存在も当然のように。しかしゆっくりGなので気にすることはありません。
何だかずっと爆音で音楽が流れています。これの音量は調節できるのかどうか不明です。エアコンもガンガンです。風向きは変えられそうですが調整は不可。そのため長袖必須ですね。ユニクロのポケッタブルパーカーで対処しました。
各ベッドにはUSBがあります。スマホはこちらで充電できますね。それ以外にもコンセントを挿す穴が下段ベッドに二つ、上のベッドに一つあります。上は一つなので早い者勝ちのようです。
ベッドがちょっと狭いんです。もう少し広い方が望ましいです。これらを考えると上よりも下の方が使い勝手がよさそうです。テーブルもあるので作業もしやすいし、外にも出やすいですからね。いろんなブログを見ていると下段はベッド兼座るところみたいな扱いで上の人も下のベッドに座って過ごすという話だったので避けてしまいました。
こちらトイレです。すでにびしゃびしゃです。紙で拭くのではなくシャワーで洗うのがデフォです。しかし日本のウォシュレットのような繊細なものではなくホースにノズルがついてそれを肛門に噴射するシステムです。そんなわけなので水が飛び散るんです。そのため便座や床が濡れているんです。きれいな水であれば別に構わないんです。恐らくホースから出ている水もキレイなんでしょう。でも、でもです。そのホースから出た水が一度肛門に触れて床や便座に飛び散っているわけです。肛門フィルターを通してるわけです。洗い終わった後の水が飛び散ってるんです。つまりウンコ水溶液なんです。それが便座を濡らしてるんですよね。
座りたくない。でもお腹の調子が悪い。そのため誰かのウンコ水溶液の上に座らなきゃならんのですよね。これだったら和式タイプの方が衛生的ですよね。
ハノイを出発。四人部屋ですが誰も入ってきません。入り口にはドアがついているので閉めることができます。開けておくと予約していない人が勝手に入ってくるそうです。そのためドアを閉めておくのがよさそうですね。鍵もかけられます。
二駅ほど進んだところで欧米人のカップルが乗車してきました。大した話はできませんでしたがこれよりフエ駅に向かうとのことです。こちらの行先を伝えると「この日本人は頭おかしいんじゃないか」というような顔をしていました。意味ない鉄道の旅ですからね。本来であればフエ駅あたりで降りるんだと思いますがそんなのは別にいらないんです。
その後は特に会話もないままお互いがベッドへ。そもそも英語ダメなんで話しかけるなオーラを出してしまいました。お互い寝る体制だったのですぐに就寝しました。
朝六時。突然ドアを開けられます。そして「コーヒー!ホット?コールド?」と質問されます。たたき起こされた上にいきなりこの質問です。列車の中はかなり寒いんです。エアコンがきいています。しかもそれを止められません。一応調整レバーっぽいのがあるんですが弱くなっている感じがしません。でも熱いやつよりも冷たいのが飲みたい。というわけでアイスコーヒーを頼みました。
朝からコーヒーを配ってくれるなんて嬉しいもんですね。まだまだ24時間ほど乗らなければなりません。ここはコーヒー飲んでシャキッとしましょう。
コーヒーを渡してくれた人「20000ドン!」
金とるんかーい!
なんとなくそんな感じはしました。しかしわざわざ起こしてまでコーヒー売る?欧米人の方はそれを見るなり拒否していました。
駅に着く前に音楽が流れます。まるで東京駅前にTOKIOの「アンビシャスジャパン」が流れるかのように統一鉄道でも音楽が流れます。しかも大音量で且つ4分ほどフルコーラスで。戦隊モノのオープニング音楽のようなやつと演歌っぽいヤツが流れることも。駅に到着するのを逆算して流しているようで、到着と同時に曲も終了しました。毎回メインとなる駅ではこれを聞かなきゃならないってことですね。
欧米人の方とはこちらでお別れとなりました。私に語学力があればもう少し楽しい会話もできたのでしょうが、それがないため出来ませんでした。
海外に行くと語学力が身につくという話を耳にしますが、それは嘘です。語学力が身につく人は海外に行って話そうとするから身につくだけであり、そもそも話さない人は身につかないのです。「this one」これですむわけですからね。恐らくThis oneだけはネイティブになっていると思います。
フエ駅で欧米人が下り、次の駅でベトナム人女性が入ってきました。軽く会釈をした後は会話など一切しません。ベトナム人女性、動画をイヤホンなしでみて大爆笑しています。恐らくお笑い番組的なものを見ているのでしょう。これがベトナムの普通なんでしょうね。別に気にしません。
昨日は昼にバインミーを食べた後、夜スナック菓子を食べるだけにしました。お腹がすくころです。一応カートを押して販売員が何かを売っています。ベトナム人女性は何らかのご飯を注文していました。何だかは不明です。
私は事前に購入していたカップラーメンを食べます。お湯があることを事前に知っていたため買ってきました。一番おいしく食べられるご飯です。
日清カップヌードルのシーフード。コンビニでは「ジャパンシーフード」と書かれてましたが日本で食べるやつとは明らかに違います。パーサー?が販売している食事も気になりますが、ここで食あたりとかは避けたいです。そのため無難なものを選びました。
ベトナム人女性は食後楊枝をくわえ、鼻ほじりながらシーハーシーハーしています。これがベトナムクオリティです。そういうものなんだと理解するしかありません。
道中雨が降ってきました。天気予報を見たところホーチミンそしてカンボジアはずっと雨なんだそう。11月は乾季ですがちょうど季節の変わり目みたいなもので大気が不安定なんでしょうね。どうやら台風22号が来ているようでフエの北側あたりをカンボジアに抜けるためこのあたり一帯は雨のようです。ホーチミンでは何もせずに過ごすことになりそうですね。カンボジアでアンコールワット?そこ行くって言ってましたっけ?
16時前にゴミ散らかしたままベトナム人女性は途中下車。
定期的に職員が来てベッドメイキングをしていきます。ベッドメイキングといってもぐしゃぐしゃになった毛布をたたむだけです。つまり私が使っている毛布はどこの誰かか知らない人が利用したものをそのまま使っているわけです。そしてその誰かもその前に利用した誰かの毛布を使っている。これが人と人とのつながりってやつなんじゃないでしょうか。
やっと一人になれました。
今回二段ベッドの上を予約しました。上にした理由は、下のベッドだと上の人も利用するみたいだからです。夜はみな寝るので良いのですが日中起きている間はみなさん下のベッドのところに座るようです。ある意味ベッドの下は共用スペースみたいな扱いのようです。昼寝したくなるかもしれないので常にプライベートな空間が欲しい。そんなわけで上にしましたが、使い勝手が悪いです。当然テーブルはない。コンセントも二人で一台を共有。唯一荷物置き場があるのでその分スペースを広く使えるということでしょうか。でも下のベッドはテーブルがあるので座って作業ができます。これらを考慮すると上よりも下がよいのでしょうね。
次来たとき、次はたぶん乗らないと思いますが、その時は下にしたいと思います。
本日の夕食は中国で買ってそのままだったスニッカーズを。ナッツぎっしり確かな満足でおなじみのスニッカーズ。こういう時の非常食のために買っておきました。甘いもので腹を満たすというのが解せないのですが、こういう時は既製品が一番です。あまり食べていないためお腹の具合もだいぶ良くなりました。
明日の早朝にはサイゴン駅に到着します。寝ちゃえばいいわけです。終点だし大音量の音楽で起こされるし、寝過ごすことはありません。とっとと寝てしまえばいい。というわけで少し早い時間ですが就寝体制に入ります。現在乗客がいないため電気を消すのも私次第です。というわけで寝ちゃいます。
と思った矢先、駅でもないのに一人入ってきました。空きがあると椅子席の人が勝手に入って寝ることもあるようです。そのため中が見えないように扉を閉めておいたのですがそんなのお構いなしで扉を開けて平然とベッドに横たわります。ベトナム人おそるべしです。さらには電気をつけてスマホを操作し始めました。こちらが寝ようとしているのに電気をつけるわけです。普通寝ている人がいればそのあたり配慮するべきでしょう。
あんた、飲み物売ってるパーサーやないかーい。
業務中にも関わらず寝転んでスマホいじりです。どういった雇用形態なのか知りませんが客がいるのにお構いなし。ベトナム人おそるべしです。ていうかこいつ朝コーヒー売りつけてきたやつでした。
そんなこんなでニャチャンに到着。ここも乗降客が多い駅のようです。案の定戦隊モノの音楽とともにニャチャン駅の登場です。ここで四人部屋の室内は満室です。恐らく終点のサイゴンまで一緒なのでしょう。残り8時間ほど。でも夜のため皆すぐに就寝しました。
33時間の長旅でしたがやっとそれも終わります。基本的に鉄道の旅というのは途中下車できるメリットがあるから皆するんだと思います。飛行機で行けないような場所でも列車であれば気軽に行ける。それだから鉄道を使うんだと思います。そんなメリットを一切無視してどこにも立ち寄らずに始発駅から終点駅までまっすぐ来ました。ハノイからホーチミンまで、飛行機で行けば1時間ちょっとの距離なんでしょう。それをせずに二泊三日の鉄道の旅です。とくに何をするわけでもなく狭いベッドでゴキブリの恐怖と窮屈な思いをしながら昼はカップラーメンを食べるというただの苦行でした。でもいいんです。陸路で移動するという決め事があったからそれを忠実に守ったわけです。またこれまでで一番長い間乗り物に乗る経験ができたというのもよかったです。
これよりホーチミンを歩きます。