ホーチミン日本人街「レタントン」と「ファンビッチャン」
ベトナムには多くの日本法人が運営する企業が進出しています。
ユニクロや無印良品。これらはベトナムだけでなくフィリピンにもあったしタイにもありました。それにダイソー。こちらも世界各国にあります。
ただどの店も基本的に高いのがネック。日本ではファストファッションやチープブランドなのに、海を渡ると高級洋品店へと変わってしまいます。これらの店は現地に長期滞在しない限り日本人観光客には不要な店でしょう。
そのような中気になる店を発見。まさかホームセンターのコーナンがベトナムにあるとは思いませんでした。
コーナンはベトナムで10店舗営業しているそうで、おもにインテリアや雑貨を取り扱ってるんだとか。どうやらカンボジアにも進出しているようでアジアに浸食しているようです。コーナンは川崎小向店と本羽田萩中店にお世話になっています。まさか遠く離れた地ベトナムで会えるとは思ってませんでした。
そしてこちら、業スーです。
看板がそのままだし、パクリではなく正真正銘の業スーです。
こちらの店は日本の業務スーパーを運営する神戸物産と提携しベトナムに三店舗だしているそうです。いわゆるフランチャイズ的な店でしょうか。
牛乳パックに入っている羊羹があるのか気になって見に行きましたが、流石に置いてませんでした。一応日本の業務スーパーで見かける納豆などは置いてありました。ただ日本には得体の知れない海外ブランドのものが多いのに対し、ベトナムのは日本人向けの日本食スーパーのようなところでした。ちょっとだけ残念な感じ。
私はコロナ前の2019年にホーチミンに訪れています。初めてのベトナムで宿泊先はバックパッカーの多いところにいました。ホーチミンの街の中心はホーチミン歌劇場のあるあたりでしょうか。そのためバイクタクシーでこの辺りまで来ていました。その際に日本人街そばにある一風堂に訪れたんです。
先日のフィリピンでも一風堂に行きました。行った理由はベトナムのソレとの味の違いを確かめたかったからです。
しかし一風堂が潰れていました。潰れたのはつい最近のようです。これもコロナの影響でしょうかね。現在ホーチミンには少し離れた地域に一軒だけしかないようです。
ってわけで近くのラーメン店に行きました。結局味比べではなくラーメン食べたいだけ。こちらは日本人街の路地にあるラーメン店です。オーナーらしき人物がいましたがその方は日本人でした。お店を回しているのはベトナム人のようですが、日本語が堪能です。何だったら日本の飲食店にいる外国人の方が日本語拙いレベルくらいの差があります。つまりここは日本と変わりありません。
ベトナムでも日本のラーメンといったら豚骨ラーメンのようです。そしてこちらの店「ラーメン暖暮」も豚骨ベース。ネットの情報では一蘭っぽいんだとか。
注文は口頭ではなく紙に書いて渡すスタイル。なんか一蘭っぽい。
麺の固さ、味の濃さ、ネギの多さや具材、そして辛みの量も紙に書きます。一蘭っぽい。
そして見た目が一蘭っぽい!
ネギの量、スープの色、チャーシューの薄さ、そして中央にのった赤い秘伝のタレ。あの秘伝のタレの作り方は4人しか知らないってことでしたが、そのうちの一人がベトナムにいる感じ。そんでもって味も比較的一蘭寄り。一蘭と似たような店で新宿に康竜ってところがありましたが、一蘭・康竜・暖暮、どれも出身は福岡博多なんだとか。同じ出身地なので味は似ますよね。紙に書くのも博多ではごく一般的な注文方法なんでしょうね!わかります。
美味しいラーメンでした。一応替え玉もありましたがちょっと高めの値段設定(そこも一蘭っぽい)。そのため追加注文はやめました。
このようにレタントンにある日本人街は日本の大体のものが揃うんです。そしてここにある店は日本人向けです。
ベトナムは日本企業の工場も多く、現地滞在の日本人も多く住んでいます。日本人が住んでいれば、その日本人に対するサービスも充実するもので、ホーチミンでは日本食レストランやショップを結構見かけます。
ここはいわゆるリトル東京、日本人街と呼ばれる場所で、路地裏の一角に和食レストランやパブ、スナック、キャバクラがありました。
私はここに2019年末に来たのですが、それから半年後には世界中にコロナが蔓延し、各国が渡航制限、ベトナムも同様に渡航が制限されました。日本人街の利用者の多くは日本人であり、観光客目当ての店も多かったでしょう。観光客がいなくなった2020年、21年、22年。そして2023年にやっと規制が解除されました。これより観光客を招くベトナム。その一角にある日本人街はこのコロナ禍でどのように変化したでしょうか。
こちらが日本人街のある路地です。ここに看板が出ています。
これは2019年に撮影した看板。コロナで潰れた店があると思っていましたが、逆に看板を出してる店が増えているようです。コロナ明け、これより客を入れるわけですので広告はちゃんとやらなければなりません。広告費が出せるってことはそれなりに繁盛しているのでしょうね。
こちらは日本人ママがいるガールズバー。2019年のときもあり、いまだ健在です。
3年で7割が潰れるという飲食業界。それはここベトナムでも変わらないのでしょう。同店は2016年にオープン。このコロナを乗り越えたようです。コロナにより日本人観光客が減っても現地に住む日本人は帰国せずにここに残りました。良店だったためそのような人たちが支えたのでしょう。
LOVEではなくLIKEってのがいいですね。この辺りは飲み屋が多くあります。おそらく日本にあるスナックやキャバクラ、ガールズバーの類いの店なのでしょう。
また飲み屋以外にはマッサージがあります。
マッサージ店には「まじめなマッサージ」と書かれた店があります。これに関しては以前この街に立ち寄った際に見ています。
つまり不真面目な店がこの付近にあるって暗喩です。
アオザイを着る若めの女性。通る私に対し「マッサージ」と声をかけてきます。
これ、あれだな。
日本でも比較的人気の高いアオザイのコスプレを使った客引き。これ、不真面目な方のマッサージじゃないですか!
客引きは私に声をかけてきますが顔を隠します。写真を撮られる可能性があるからでしょう。撮られたくない人は一定数います。でも、露骨に顔を隠すしぐさ。
これ、もう性風俗店のウェブサイトのキャスト紹介と同じ。
ここで働いている人たちはそのような認識のようです。
おそらくベトナムの法律に抵触するようなことをしており、顔が映ればそれが証拠となりえるのでしょうね。恥ずかしいとかそういった理由ではなく、犯罪の証拠を残さないために顔を隠したのでしょう。ベトナムはフランスに統治されていたためキリスト教信者が多い、ってのは真実ではなくカトリック信者は全体の7%程度しかいません。ほかに仏教や土着の宗教信者がいますが、85%は無宗教のようです。ただ昔から貞操観念は強く、婚前交渉はしないってのが一般的だったんだとか。でもその考え方も徐々に変化が出ており、若い世代はやることはやるし、することはしてるのです。ただこの手の商売に関しては社会的にも道徳的にも受け入れられていないのでしょう。
何も恥ずかしがることはないさ。だって、それは神に与えられた行為だからさ。
レタントン通りのそばにある日本人街。コロナでも生き残る店はありました。そして今後さらなる発展をするのでしょう。ただこの日本人街、かなり狭いんです。路地裏に小さな店舗がひしめき合っており、キャパシティはオーバー気味です。そのためどうやらホーチミンには第二の日本人街ができているんだとか。本日はそちらにもお邪魔します。
新しい日本人街は北に1.5kmほど離れたところ、橋を渡ったビンタイン区のファンビッチャンってところにあります。
ベトナムは行政区によって地価が大きく変わるようで、ビンタイン区は中心地と比べると少し安いそうです。そのわりに中心地から数キロしか離れていないため利便性がよいんだとか。とくにビンタイン区のあたりは今後地下鉄が通るそうなので、新たな街が形成されているようです。歩くのには少しだけ距離があるのでバイクタクシーでそちらに向かいます。
ここがそのファンビッチャンってところです。橋を渡っただけでガラッと雰囲気がかわります。
大きな団地があり、一階には飲食店があります。
平日ですがコーヒーを飲んでゆっくり過ごしている人が多いです。カフェ文化のあるベトナム。中心地より値段でコーヒーが飲めるのでしょう。
この辺りが新たな日本人街となっているようで付近には日本語が書かれた飲食店がいくつかあるようです。
雰囲気の良い町並みです。屋台もあるし使い勝手がよさそうです。
こちらにもガールズバーがあります。ここはレタントンにあるガールズバーの系列店のようです。たとえ海外に住もうとも日本が恋しくなることがあります。この手の店はベトナムで働く日本人にとって必要不可欠の店なのでしょう。外国にも似たような形式の店はあれど、日本式のものとは少し異なります。
ファンビッチャンの日本人街はまだ成熟していない感じでした。レタントンのごちゃごちゃ感はないし、中心地から外れるため客も少ない。客も少ないから呼び込みもいない状態です。おそらく怪しい店は町内に存在するのでしょう。しかし表立って営業しているところはないため、千里眼の能力が必要です。
まだまだ青いファンビッチャン。それならばまたレタントンに戻り、アオザイ女子のところに行くのがよいのでしょうね。