サイゴンの銀座に紛れるドンコイ通りの怪しいSPA
ベトナムは発展途上国で衛生的ではないイメージがありましたがキレイな街並みです。
おそらくベトナムの田舎の方に行けばその様子を垣間見ることができるのでしょうが、中心部は発展し、とくに南部の都市ホーチミンはかつての東南アジア感はなく、街は整備され、キレイです。
流石は東洋のパリと呼ばれるにふさわしい町並み。高層ビルもありますがフランス統治下のコロニアル様式の建物も残っています。
区画が整理されているだけでなく街路樹も植えられ、緑豊かで美しいです。
ホーチミンでも一区のこのあたりは外国人が多く集まる観光スポットで高級ホテルが多く、また高級ブランドのショップやレストラン、カフェがあり、この付近にいればのんびり過ごせます。
ベトナム感はあまりありませんが、治安も比較的良いし夜に外出してもそこまで不安はないでしょう。
このあたりはドンコイエリアと呼ばれていて、ドンコイ通りを中心に街が形成されています。サイゴンの銀座ともいわれており、グッチやヴィトンといった高級ブランド店があるエリアです。
こちらはサイゴン大教会です。現在改修工事中となっています。2017年に工事が始まり予定では2019年末に完了だったそうですが、工期は遅れているそうです。2年では足りなかったようですね。ちなみに完成予定は2027年なんだとか。だいぶ先のようです。私が以前ここに訪れたのが2019年11月ころ。来年にはお披露目できるみたいな感じでしたが、全然まだでした。本当にあと4年で終わるのでしょうか。
サイゴン大教会の隣にはサイゴン中央郵便局があります。
ここの郵便局は2019年に旅行した時に訪れました。
前回は自分宛てに手紙を出しましたが今回は誰にも送る人がいないため中の様子だけ見に来ました。コロナ明け、外国人が多く観光地となっています。相変わらず建物は美しいです。
中央郵便局とサイゴン大聖堂のあるこのあたりは東南アジアの雰囲気はなくキレイな街並みです。
こちらは郵便局裏にあるブックストリート。
ベトナムの識字率は95%と比較的高く、ホーチミンに関しては99%以上なんだとか。
ベトナムは東南アジアの中ではラオス、カンボジア、ミャンマーの次くらいの発展度で、いわゆる低所得国になるわけですが、その割には初等教育の就学率がほぼ100%高く、都市部の中学進学率は90%以上、高校は75%以上もあるんだとか。当然地域格差があり、地方の少数民族は識字率、就学率ともに低いのが現状ですが国全体で見ると文字の読み書きができる人が多いようです。このように高い識字率なのはフランス統治時代にアルファベットを取り入れたからのようです。
もともとベトナムは中国の影響を受けており、漢字文化がありました。そのため日本語と発音が似ているものがあり、例えば「注意」はベトナム語で「チュイ」、「国家」は「クォッカ」、「国旗」は「クォッキ」と中国由来のものが多いのです。漢字を捨て母国語を表音文字にすることで子どもの頃から学びやすい環境を作ったのでしょう。初等教育の就学率と相まって、ベトナムの識字率は高い水準のようです。
このように識字率は高いのですが、ベトナムにおける平均読書量は少なく、年間読書量は4冊程度、ちなみに日本は12冊なんだとか。私はエロ本を含めていいならば年間24冊、含めないのであれば0冊です。ベトナム人は読書どころかエロ本すら読まないそうなんです。とくに近年はスマホが普及しているためわざわざエロ本を買う人も少ないのでしょう。このように読書離れが深刻化しているため、ブックストリートを作ったんだそう。
街並みが美しいですね。本屋と併設するカフェもあり、苦くて甘いベトナムコーヒーを飲みながら読書に耽ることもできるんだそう。オシャレな街だからこういうことができるんです。ちなみにエロ本はありませんでした。
ベトナムのシャンゼリゼ通りといわれるドンコイ通り。
サイゴン大聖堂のマリア像のあるところからはじまり、南東にまっすぐ道が伸び、終点はサイゴン川のほとりまで。およそ1kmの短い道です。
マリア像付近は官公庁や銀行、オフィスがありますが、ホーチミン歌劇場のあたりからデパートやお店が目立つようになってきて、川に向かうにつれてホテルやブティックがあります。レストランやカフェも多くありますが、流石はサイゴンの銀座と呼ばれるところ、値段は少し高めです。いわゆる観光地価格となっています。
このようにおしゃれな街、ドンコイ通りですが、ブティックやカフェに紛れ、SPAと書かれてる店が何軒かあるようです。
これらはマッサージ店です。マッサージといえばタイが有名です。アユタヤから伝わるタイ古式マッサージ。
バンコクの中心地にはマッサージ店があちこちにありました。とくにベトナムはそのような伝統的なマッサージはないのですが、この辺りにはやたらマッサージ店が目立ちます。
店先にいる呼び込み。呼び込みをしているのは女性ですが、店によっては服装が少し過激なところもあります。
そして既視感のある路上でプラスチックの椅子に座る女性。
これ、アレだな。
日本にも繁華街へ行くと必ずと言っていいほど存在するマッサージ店です。
「おにぃさん、マッサージ」と呼び掛けてくるアレです。これまで私は何度「マッサージ」を聞き、何度騙されてきたのでしょうか。それが日本だけでなく海外でも同じ状態です。ちなみに先日まで滞在していたフィリピンでも「マッサージ」と声をかけられました。
東洋のパリ、ベトナムのシャンゼリゼ通りと言われるドンコイ通り。
ぜんぜんオシャレな街じゃない!
ちなみにこのプラスチック椅子女性はバンコクでも見かけました。バンコクのソレは私娼でしたが、こちらのはあくまでもマッサージ施術者。
ベトナムでも日本同様に呼びこみをしてます。店前を取るとチラシを手にもち「マッサージ」と声をかけてきます。中には「キモチイマッサージ」と巧みな日本語で話しかけてくる女性も。この付近は欧米人が多いエリアですが、近くには日本人街もある場所のため、日本人も多くいるのでしょう。顧客に合わせた営業スタイルのようです。
チラシを見る限りごく普通のマッサージのようです。値段は施術時間にもよりますが全身マッサージで4000円ほど。ベトナムにしては少し高めの値段設定でしょうか。
ネイルケアもやっているため、女性も利用するのでしょう。
ベトナム古来のマッサージってわけではなく、タイ古式マッサージの店や東洋医学を用いたマッサージ、北欧由来のマッサージなど様々。そしてこのチラシには書いていませんが、日本の駅前にあるようないかがわしいマッサージや、西川口の流れを汲むNK流の一派が施術する店もあるのでしょう。とくにベトナムは婚姻をしていないベトナム人とホテルに宿泊してはいけないという法律があるようです。高級ホテルなどはしっかりと守られており、連れ込みはできません(安ホテルは大丈夫そう)。そのためホテルにはいかずにその場で致すのだとか。
ベトナムはごく普通のマッサージ店しかないってのが建前のようです。
日本には様々な性風俗の業種があり、その手に特化した歓楽街があります。これらは性風俗特殊営業という形で許認可、届け出がされ、法律に則った形で営業しています。日本は古くから性に対しておおらかな民族。かつては遊郭が各地にありました。それらは時代の変化とともに減少しましたが、性風俗は娯楽の一つであり性欲処理は基本的人権です。そのため今でも日本にはこの手の店は残っています。要はある程度国に認められた仕事ってわけですが、ベトナムは性風俗営業の一切が禁止のようです。
つまり風俗店は存在しないのです。
でも明らかにそういう店がありそうな雰囲気だし、客引きの女性も奇抜な恰好しており、そっち系の店ってのが容易にわかります。そんなわけで存在しないはずがないんです。
ベトナムの男の子だってムラムラってくることもあるでしょう。その欲望の受け皿が無ければ性犯罪が増えてしまいます。そのため、ほかの店に偽装したその手の店がベトナムには複数存在するそうです。
マッサージ店はその隠れ蓑として一番適しているのでしょう。
法律上禁止された性風俗営業。当然表立って営業しているところはありません。警察にバレれば摘発となるため、あくまでもマッサージ店という体なのでしょう。
バンコクのマッサージ店のチラシには「スペシャルマッサージ」が書かれていましたが、ベトナムではそのような記述はありませんでした。そのため料金も不明だし、そもそもスペシャルなマッサージを提供してくれるかどうかわからない状態で入店しないといけないようです。
これ、地元の人はその辺の判断ができるのでしょうが旅行者には難しいでしょうね。普通のマッサージ料金はチラシに書いてあります。でも普通じゃないマッサージ料金は値段が分かりません。要は言い値に従うしかないんです。そもそも値段があってないようものなので当然ボッタくられるおそれもあります。
そもそも警察のガサ入れのタイミングにかち合えば、さらに面倒なことになりそうです。日本では成人との売春行為は犯罪ですが罰則規定はありません。しかしベトナムは売る側も買う側も罰金刑、もしくは懲役刑に処せられるおそれがあるそうです。まぁ罰金といっても5000円や1万円程度のようですが、海外に行って現地の警察にご厄介になるのは避けたいですね。
サイゴンの銀座と呼ばれるところ、高級ブランド品が売られている隣の店では高級娼婦が売られているようです。なんか不思議な光景ですね。場所柄この地域の店は外国人相手なのでしょう。
客引きも地元民には声をかけず、外国人をターゲットにしていました。そして私も外国人のうちの一人でした。
ホーチミンの一等地にある怪しいSPA。ここで営業が続けられるってことは、それなりに利用者がいるようです。そして私も利用者のうちの一人でした。