【 三大CMホテルの一つ】新しく生まれ変わった勝浦のホテル三日月へ
「伊東へ行くならハトヤ。電話は4126」
「ホテルニューお・か・べ」または「ホテルニュー塩原」
「ゆったり、たっぷり、の~んびり 旅ゆけば三日月 ホテル三日月」
関東生まれ、関東育ちの人であればほぼ聞いたことがあるんじゃないでしょうか。関東三大ホテルCMソングです。誰しもが口ずさんだことがあるフレーズです。これらのCMはローカルCMなので関東でしか放映されていないのでしょう。関西でいえばホテルニューアワジのCMみたいなやつです。
誰しもが一度は行ってみたいと思うホテル。しかし観光ホテルなのでちょっといい値段がする。家族連れで行くとなると結構大きな負担となります。私のような下層社会に生きる人間には手が届かないホテルです。でも、やはりこの三大旅館は行くべきでしょう。
ってわけで着いた先は勝浦です。
先日勝浦市街地を散策しました。市街地では勝浦朝市というのが行われています。この朝市は歴史も古く日本三大朝市と呼ばれているそうです。行きたいのですが朝市の名前の通り朝にしかやっていません。先日昼に行ったのですが何もやっていませんでした。朝市を体験するためには朝から勝浦市街地にいなければならない。それを叶えるためにはそこに泊まるしかない。
勝浦といえばホテル三日月に泊まるのが一番でしょう。
ホテル三日月は勝浦と小湊にあります。
三日月はこの辺りを代表するホテルで勝浦市の財政を支えているといっても過言ではないでしょう。前述の通りテレビCMでも放映されていたし、同社が木更津で経営する「龍宮城スパホテル三日月」は舛添要一前都知事が正月に家族連れで会議をしたとして会議費で計上したことで有名となりました。
最近では新型コロナウイルスの感染が始まった2020年1月に中国武漢からの帰国者全員をホテルで受け入れたとして注目を浴びました。コロナにより観光客が激減して客室が空いていたのも理由の一つでしょうが、その時はまだ未知の感染症にもかかわらず、それに恐れず帰国者を受け入れた姿勢はおもてなしの精神があったからなのでしょう。やはりそういったホテルに泊まりたいですね。
しかし旅館となるとビジネスホテルとは違って少し高くなってしまいます。実際に食事つきプランだと一泊15000円くらい。素泊まりだと10000円です。
ただ、現在は「地域ブロック割」という県民割やGOTOトラベルキャンペーン的なものがあります。GOTOは全国対応で、県民割は住民票のある都道府県限定ですが、地域ブロック割は関東在住の人は関東ブロック全ての地域で適用されます。つまり神奈川県民でも千葉県や埼玉県のホテルの割引対象となります。10000円以上であれば5000円割引され、そして宿泊滞在中のみ利用できる地域クーポン券が2000円。つまり実質3000円で宿泊が可能となります。70%オフってわけです。
こんな時にしか泊まれないのでせっかくなんで宿泊してきました。
旅館に3000円で泊まれて温泉にも入れる(別途入湯税あり)。夕食は無いですが朝食はバイキング付き。一カ月泊っても9万円です。
ここであれば「ゆったり、たっぷり、の~んびり」ができるわけです。子供の頃にCMで見たホテルに宿泊できるんです。
そしてなによりホテル三日月であれば「黄金風呂」に入れるんです。
お風呂に求めるものは何でしょうか?湯質ですか?広さですか?人によってお風呂に求めるものは違います。ホテル三日月は入湯税がかかるため温泉です。温泉といえば露天風呂だったりそういうのが好まれるでしょう。どちらかというと風光明媚で緑豊かで眺めがよい、自然の中にある風呂なんかが好まれます。しかし、ホテル三日月は一般的な常識を覆す風呂を作り出したのです。それが「黄金風呂」。風呂釜が金で出来てるんです。時価総額およそ3億円。風光明媚ではなくモロ成金顔負けの風呂。一般人がそんな風呂を作る資力はないし、仮に資力があったとしても作らないでしょう。つまり、ここでしか入れないのです。そんな黄金風呂に入ってみたい!ってことで勝浦ホテル三日月に泊まることにしたわけです。
でもそこに、黄金風呂は無かった。
今回泊まるのは三日月シーパークホテル勝浦(旧勝浦ホテル三日月)です。三日月の名は冠していますが、以前の三日月ではないようです。 以前は三日月グループが経営するホテル三日月でしたが現在はHMIグループが経営しているそうです。
HMIって「Hotel Mikazuki International」の略なんじゃね!?と思ったのですがそうではなくホテルマネージメントインターナショナル株式会社という既存のホテルを買収して再建するホテル運営企業なんだとか。つまりホテル三日月グループは勝浦と小湊のホテル三日月を身売りしたんだとか。
勝浦は千葉県の端っこ。交通の便が悪い地域です。目の前に海は広がっていますがとくに温泉地ではなく熱海や伊豆と比べると知名度は低い地域でした。そのような中でもCMを打ちだし、知名度を上げ観光客を取り入れていたのでしょう。近年は中国人観光客向けに切り替わっていったようです。アチラの人たちは黄金風呂とか好きそうですからね。しかし2020年にコロナが流行。外国人観光客はゼロとなりました。宿泊者が減少したことで資金捻出が困難になったそうです。そのため2022年3月1日付で勝浦と小湊のホテル三日月は経営権をHMIに譲渡したそうです。
このように経営者が変わってしまったため黄金風呂は無いようです。今年初めであればまだ間に合っていたのかもしれません。来るのが一歩遅かったです。
経営者は変わったそうですが、従業員は継続して雇用しているそうなので今のところは前と同じ状態ってことでしょうかね。名称も三日月グループではないけど三日月の名は継承しているようです。
部屋はオーシャンビューです。天候はボチボチといったところ。
いいですね。和洋室で畳があってベッドがあります。部屋は広く快適です。
夕食無しプランなので近くのスーパーでご飯を買っておきました。本日のお酒は地元の酒です。山林滞在時に房総の酒を結構飲んでいます。今回は東灘(あづまなだ)という酒造が出している特別純米酒。
最近の日本酒の流行は端麗辛口ですが、こちらの特別純米は芳醇辛口。味が濃厚。スッキリしていますが「水みたいに飲みやすい」わけではなく日本酒らしい飲みごたえがあります。バランスが取れていておいしい日本酒でした。
〆はカップ蕎麦にメンチカツを。勝浦といえば目の前は海があって漁港もある。この辺りだと鯛やイセエビなんかも有名です。おそらくホテルの夕飯はそういった高級食材が出るのでしょう。そのような中で食べるメンチ蕎麦(メンチは50%オフで50円)。
私はこれで構わない(別に強がりで言ってんじゃないんだからね!)。
朝ご飯。元を取るぞ!と息巻くも年には勝てず。でも朝から焼き魚と味噌汁とご飯。最高ですね。
隣接するアクアパレスは現在メンテナンスのため休業中のようです。そちらがやっていればもっと楽しめたのでしょう。今回は宿泊して部屋でメンチ蕎麦を食べただけでしたがそれでも快適に過ごせました。
まさに「ゆったり、たっぷり、の~んびり」でした。
残るはホテルニュー岡部とホテルニュー塩原、そしてハトヤです。これらに行けば関東のホテルは全部回ったと言っても過言ではないでしょう。
でもどうやら岡部と塩原を経営していた岡部ホテルグループは2011年に倒産しているようです。ホテル自体は大江戸温泉物語、伊東園ホテルズ、ホテル三日月が運営しているそうです。経営母体も変わり、一部ではホテル名も変わったそうです。ホテル三日月が「鬼怒川ホテルニュー岡部」を買収し「日光鬼怒川スパ・ホテル三日月」となったようです。勝浦・小湊の三日月は手放したけれど、鬼怒川のは手放さなかったようですね。
岡部グループはもう違うホテルになってしまったので次行くのであればハトヤでしょうかね。釣れば釣るほど安くなる三段逆スライド方式を取り入れた釣り堀で腕の中ではねる魚を体験したい!
はっきり決めた。伊東に行くならハトヤ。