復活した伏見地下街はもうディープな街ではなかった
名古屋といえばモーニングです。
こちらはコメダ珈琲店の系列店であるコメダ和喫茶おかげ庵ってところです。関東にも何店舗かあるようですがその数は少なくレアな店のようです。せっかく名古屋にいるわけですし、ここはモーニングを食べたいですよね。
朝食はパンよりもご飯。
ファミレスで朝食をとるときもご飯を選びます。喫茶店のモーニングだとトーストにゆで卵でしょうか。名古屋だと餡子も付いてきますよね。でもここは和風の喫茶店。そのためご飯セットがあるんです。
こちらがご飯セットです。おにぎりに味噌汁。
それにわらび餅。飲み物はお抹茶を選択しました。具無しのおにぎりで少し薄味ですが濃いめの赤だし味噌汁とマッチします。
モーニングの値段は560円。吉野家の特朝定食が600円くらいなので同じくらいの金額ですが、抹茶を飲んでホッとする時間も現代社会人には必要なんです。
本日はこれより伏見にある地下街に行きます。
伏見駅そばにある長者町は戦前は花街でしたが戦後アパレル関係の問屋街として発展しました。そもそも美濃、尾張、三河、遠州などの東海地区は江戸の頃から繊維産業が盛んで愛知県を代表する企業「トヨタ自動車」の前身は豊田自動織機という機織りメーカーでした。とくに1950年に起きた朝鮮戦争で軍服や軍用毛布、テントに使われる繊維製品に需要がありそれにより街が潤ったそうです。その後も海外輸出が好調で売り上げを伸ばし続けたんだとか。そのためこのあたりには繊維問屋が多く集まり街を支えていたんだそうです。
こちらが長者町繊維街近くにある長者町地下街です。看板には長者町横丁と書かれてますが、正式名称は伏見地下街らしいです。
この伏見地下街も繊維産業と深くかかわりがあり、できた当時は繊維問屋ばかりだったんだそう。繊維街と伏見駅を結ぶための地下街だったそうで、繊維業界は相当儲けていたのでしょう。しかしそれもバブル期まで。低価格の中国製品により1990年以降は低迷しました。一時はシャッター街化したそうですが現在はかつての繊維地下街とは違った様子になっています。
地下街の全長は約240メートルあり、その通路沿い片側に40軒の店があります。かつては繊維問屋ばかりだったようですが現在は数軒しかなくあとは飲み屋と喫茶店が多くあります。
まだ午前中なので飲み屋は閉まっていますが、喫茶店はやっているところがあるようです。
ちょっと気になる店を発見しました。
脳卒中障害者が働く喫茶店。運動障害や失語症、記憶障害など脳卒中で後遺症のある人たちが働いているところのようです。
大分ぶっ飛んだ名前のイベントをやっているようです。
ここでモーニングを食べればよかったです。
こっちの喫茶店も気になります。
「EAST GOODMAN」「時計じかけ」というロック喫茶が今池にあったそうですがそれを再現しているそうです。つまりほぼマスターの趣味の店。自分で選んだ曲をスマホで聞くのではなく音楽が好きな人が選んだ曲を聞くってのもいいですよね。
半分は飲み屋でしょうか。そのためここは夕方以降に来るのがよさそうです。
伏見地下街は繊維産業が衰退して以降シャッター街となっていました。そのような中2013年にあいちトリエンナーレでこの地下街が取り上げられます。あの「あいちトリエンナーレ」です。
あいちトリエンナーレは2007年に初めて開催。三年ごとに開催し2022年で6回目を迎えます。芸術の祭典ってのが名目ではありますが、本来の目的は愛知への集客だったのでしょう。実際に目的通りこの地下街は蘇りました。しかし2019年の表現の不自由展により味噌がつきました(愛知だけに)。2022年に至っては「トリエンナーレ」という名称を使わず「あいち2022」という名前に変わってしまいました。
現在は2013年のあいちトリエンナーレ以降芸術の地下街となっているようです。
愛知県の美大生らが作品を展示しているようです。
個人的に気になったのがこちらの作品。色彩感覚とバランスが素晴らしいです。
あとで知ったのですが逸見ルチカさんという小学生アーティスト(現在中学生)が書いた絵なんだとか。
最近の小学生はすごいですね。逸見ルチカさんのような素晴らしい技術と才能をもった人がいたり、少年革命家として学校に行かず人からもらったお金で日本一周したり。自分の好きなことをして生きてくってのは素晴らしいことじゃないでしょうか。
伏見地下街はディープな街並み、昭和の雰囲気が味わえるみたいな触れ込みでしたがそんなことはなくむしろ新鮮な感じが味わえました。定期的に飾られる絵が変わるってのもいいですね。この地下道を通る楽しみが増えます。
次に来るのは17時以降、サラリーマンが集いだす時間帯がよさそうですね。その時間帯はまた違った地下街の様子を見ることができるでしょう。これより私は地上の長者町を散策します。