山林生活

雑多な世界に花街を感じる新潟市の古町

雑多な世界に花街を感じる新潟市の古町

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新潟に到着しました。これより市内観光をして回りたいと思います。
新潟駅は乗換えで利用したことがありますが、市内に出るのははじめてです。政令指定都市なので街も栄えているのでしょう。

信濃川に架かる萬代橋を渡ったところが新潟県最大の繁華街がある地域です。
この萬代橋は1929年にできたもので国の重要文化財に指定されているんだとか。昭和初期のコンクリートアーチ橋は珍しいんだそうです。ここに最初に橋がかかったのが明治19年。それまでは渡し船だったそうです。信濃川の河口なので川幅は700mあり、手こぎ船だと1時間かかっていたそうです。今では数分で渡れます。

街の中心は向こう側。ほかの街同様に主要駅から少し離れています。鉄道が敷かれたころ、新潟まで来たらこの橋を渡り楽しんだことでしょう。

新潟には十四番町遊郭というところがあったそうです。その遊廓も橋を渡った先ですが、遊廓があったところは現在の中心地から少し離れたところ。多少古い建物が残っている程度らしいですが今は普通の住宅街のようです。今日はそちらまではいきません。

こっちのほう。現在の遊廓というべき場所でしょうか。昭和新道と呼ばれるところで風俗街となっています。

前述の通り新潟市内には十四番町遊郭がありました。昭和新道は後発の遊里で出来たのは昭和45年。
この手の風俗街が形成されるのは売春防止法が施行される頃ですが、それよりも後にできた街のようです。
昭和新町に8店舗、新潟駅の方に1店舗、合計9店舗のその手の店が存在します。吉原や堀之内に比べると店舗数は少ないですが、日本海側では有数の歓楽街のようです。
青森と山形には特殊浴場がない。秋田の川反に9軒。富山にもなく福井には2軒。北陸一の繁華街がある石川県に7軒と秋田、石川と同じくらいの規模のようです。
ちなみに川崎は堀之内と南町を合わせて70軒。吉原は140軒あります。都内だと197軒。この軒数の格差を見ると、関東ってやっぱスゲーなと実感します。

でもこういうのは数ではなく質とか佇まいとかそういうのが重要なんだと思います。

よさそうな雰囲気じゃないでしょうか。
看板や外観だけ見ると料亭と大差ありません。このように街の雰囲気を害さない外観が素晴らしい。

この手の街の中にある小料理屋って書いてある看板を見ると飛田新地にあるような飴玉出してくるところをイメージしてしまいますが、多分そういった店ではなく普通の飲食店。見た目からすると大分昔から経営している様子。

これも街の雰囲気を壊さず、古都の様子を受け継いでいます。東京ではこういったものが無くピンク色でアイドルがどうのとか、学園がどうのとか性を前面に出してるところが多いですが、ああいうのは風情ってもんが感じられない!

全力で古都を否定。

新潟は不祥事で少し問題となったNGT48のお膝元です。そのようなところで坂道シリーズを出しています。
本家は「会いに行けるアイドル」ですが、こちらは「会えるだけじゃないアイドル」がコンセプト。

アニメや漫画は日本の産業の一つ。最近では実在する街を作品としたご当地アニメが人気となり、聖地巡礼で県外観光客や訪日外国人を集めているようです。新潟もそれに乗っかる形で「新潟市マンガ・アニメを活用したまちづくり構想」というのを行政が打ち出しているようでアニメや漫画で地場産業の活性化を目指そうとしているみたいです。

漫画家・水島新司氏の出身は同市とのことで町内にはドカベンの銅像が立っています。ドカベンの銅像は過去に作者から撤去の申し入れがあったようですが、どうにかこうにか撤去は免れ存続しているようです。

銅像が立っているのは古町モール街というところ。地元の商店街で子どもを連れた人たちが往来しています。ドカベンの銅像もあるし子育てしやすい安全な街ですね!

道挟んだ先にソープランドが見えるような環境ですが。

古町通りを北上すると飲み屋や料亭といった店が出てきます。

新潟の銀座的存在ってところでしょうか。それとも新潟の歌舞伎町というべきところでしょうか。キャバクラ、クラブ、ガールズバーあり。ホストもあります。このあたりが新潟で一番の歓楽街のようです。

路地裏にある小料理屋。いいですね。
このあたりは第二次世界大戦の空襲を免れたそうで古い建物が残ったままのところがあります。

奥ゆかしい建物です。お店は鍋茶屋という料亭で創業1846年。建物は文化財となっていて明治43年に建てられたそうです。花街なので芸妓を呼ぶこともできるようです。

ちなみにコース料理で19000円~。芸妓を呼ぶと18000円(一人二時間)かかるそうです。歴史あるところで食事をして花街の雰囲気を味わえると考えれば払えない額ではないけど、じゃあ行きましょうか!とはなかなかできません。

鍋茶屋さんのような当時の面影を残す店もありますが、キャバクラやホテルなども点在するためちょっとごちゃごちゃしています。でもそういうごちゃ混ぜなところも日本の歓楽街の象徴なんだと思うんです。ただ、そんな新潟も衰退しているようです。
以前はラフォーレや三越もこのあたりにあったようですが撤退したそうです。新潟で一番の繁華街ですがデパートや百貨店がゼロの状態になっているんだそう。政令指定都市といえど新潟は車社会。地価の高い商業地に出店するよりもロードサイド型の店の方が出店コストも少なく集客が見込めるのでしょう。そのため従来の繁華街だったところは車社会とは関係ない水商売や酒類を提供する飲食店に限られてしまうのでしょう。

とはいっても全く店がないわけではなく回れば面白そうなところも多そうです。夏場にまた遊びに来たいですね。
これより新潟駅に戻って食事にしたいと思います。

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