【小山歓楽街】旧私娼窟に生き残る摘発から逃れた怪しいサロン
本日は栃木県の小山市に来ております。小山市は宇都宮に次ぐ栃木県第二の都市。人口は17万人おり、宇都宮と同じように工業都市です。
こちらは小山駅です。
在来線のほか東北新幹線も乗り入れており、東京まで40分、約60kmの距離にある小山市。宇都宮ほど発展はしていませんが都内に出やすいところです。悪い言い方をすれば中途半端な街でしょうか。
小山には何もない?そんなことはありません。
ほら、こんな感じで駅近くにスナック街があります。
こちらは小山駅東口側です。東横インの裏手側が飲み屋街となっており、スナックやキャバクラが点在しています。
駅近くにはビジネスホテルがあります。工業団地を抱える小山。出張で駅前に宿泊する人が多いのでしょう。こちらはそのようなサラリーマン戦士のためのオアシススポットでしょうか。
こちらには「飲食店、エスコート店の無料案内所」と書かれた看板があります。エスコート店って言葉は初めて耳にします。エスコートは同伴する、付き添うといった意味があります。それを考えるとキャバクラなどの接客業がそれにあたるのでしょうか。
どうやらそうではないようでエスコート店とはエステ、風俗店、サロン、デリヘルがそれに該当するようです。要は性風俗店ってことのようです。
「デリヘル呼んだ」っていうより「エスコート店利用した」ってほうが紳士的な感じがします。
店の看板にデリヘルがどうのとか、風俗がどうのとか大々的に書かれていると、街の風紀を乱します。
このように言葉を替えて表現すれば子供も安心して歩ける街となります。
ぜんぜん安心感の無い看板。
こちらはいわゆるセクシーキャバクラと呼ばれる店です。店名はスーパー料亭「天女」です。
おそらく系列店だと思われる店を宇都宮で見たことがあるしずっと気になっていました。
日本の文化であるお茶屋遊び。京都で舞妓さんを呼んで実際に遊ぶとなると10万円以上かかるそうです。しかも一見さんはお断りなので誰かの紹介でなければ利用ができません。私のような底辺に生きる下々の民草はお茶屋遊びをしている知人がいるはずありません。そのため諦めていたんですが、それに近い店が宇都宮にあるんです。そして小山にあるこの店もそれの系列店。
若干お茶屋遊びとは様相が異なりますが、お茶屋遊びとは違い「ハッスル」もできるし、なんてったって料亭じゃなく「スーパー料亭」なんです。なんかスーパー歌舞伎みたいですごいっぽいじゃないですか!
京都ではお座敷セクハラが横行し、二年ほど前に元舞妓が花柳界の内情を告発していました。芸は売っても身は売らぬはずだった芸妓が、実は性的サービスをしていたんです。舞妓は16歳なので当然問題になります。
でもこの店は何ら問題ありません。そもそもそのための店なんです。ハッスルありきの店なんで罪に問われません。やっぱり時代劇である「お許しくださいお代官様 あーれー」がこの店でもできるんでしょうね!
お茶屋遊びよりも、帯回しをやってみたいです。
もともとはキャプテンってパチンコ屋だったようです。パチンコ店がセクキャバになる稀な例でしょうね。
と思ってたらこちらも元パチンコ屋っぽいつくりの建物にクラブがあります。結構大きなハコですよね。それだけ需要があるってことなのでしょうか。
こんな感じで小山駅東口側は飲み屋街となっており十分楽しめそうです。しかしセクキャバはあるものの、これではヘビの生殺しです。
でも安心してください。パンツはいてない人がいるのは西口です。
こちらは須賀神社です。素盞鳴命・大己貴命(大国主神)・誉田別命(八幡神)の三神が祀られており、縁結びや復縁にご利益があるそうです。
徳川家康がここで軍議をひらき、関ヶ原の戦いに挑んだと伝えられているそうです。
須賀神社のとなり、現在は裁判所や法律事務所などがある地区となっておりますが、このあたりに小山町遊郭があったそうです。日光街道沿いで宿場町だったため、遊廓が必要だったのでしょう。
かつては人権を蔑ろにされ法的にグレーな業態の遊郭があった場所ですが、現在は法律を守る人たちの街になっています。
唯一遊郭だったであろう情報は電柱に書いてある「新地」の文字くらいでしょうか。
そもそも小山町遊郭は人気があまりなかったようです。格式ばった遊郭よりも低価格で気軽に遊べるところのほうが人気だったのでしょう。小山には私娼窟ができたそうです。
こちらは城山公園です。こちらにはかつて小山城がありました。思川沿いにある山城なので地の利を生かした要害だったのでしょう。築城は1148年と言われています。
お城は1619年に廃城し、明治になってから議員の別邸が建てられたそうですが、現在は公園として開放されています。
こちらは小山城跡のそば。ここの住所は城山町1丁目ですが、この辺りにはサロン的な店が複数ありました。おそらくかつて私娼窟だったところなのでしょう。戦後は青線街となり、売春防止法施行後に怪しいサロン的な店になったのでしょうか。もしくはそんな歴史など一切なく、気がついたらサロンだらけの街になったのかもしれません。
宇都宮から少し離れており、都内に近いといっても新幹線で40分の距離の小山市。ムラムラってきたときに地元で済ませられる店が必要だったのでしょう。そして都心からちょっと離れているけど通えない距離ではない小山は身バレしづらい利点があるため都心に住む若い女性がここまで働きに来ていたんだとか。需要と供給が合致し小山は人気の場所となりました。
でも、それらはほぼ壊滅してしまったようです。
壊滅した理由は摘発によるもの。小山にあったサロン的な店は埼玉の西川口の流れを汲むNK流の一派。いわゆる本サロと呼ばれる業態の店でした。
町内に一店舗だけであればお目こぼしで営業で来たのでしょう。しかし小山には20軒ほどのサロンがありました。当然違法営業。そのため店前には黒服が立っており、行き交う人に声をかけるのです。
それが風俗街であれば問題ないんですが、住宅もある地域のため治安が問題視されていました。さらに小山は一カ所にあるのではなくピンサロが点在していたので、町全体の風紀が乱れていました。
こちらスーパーホテルの前にある空地です。私が小山に訪れたのは2013年でした。
違法営業をしているサロンは2006年の西川口一斉摘発以降各地で相次いで摘発がありました。当然小山も無傷ではなく、そのころに摘発に遭い店舗数は激減していたそうですが、2013年当時はまだ現役で営業している店がいくつかありました。
ここにはすごいヤバそうな建物が建っていたのです。いわゆる風俗アパートみたいなやつ。二階建ての建物でサロン店が何軒か入居していました。
目の前の県道264号線は結城街道とも呼ばれ、水戸と栃木をつなぐ主要道路です。地元の人もよく利用する道ですが、そんな道路沿いに怪しい風俗店があるのは市民は望まなかったのでしょう。2017年に売春防止法違反で摘発されていました。このようにして小山のサロンの歴史は幕を閉じました。
別に行くつもりはありませんでしたが、無いってなると残念な気持ちになります。
それよりも、スーパーホテルの近く、性風俗店が多い。
以前から気になっていたんです。スーパーホテルの近くって若干治安が悪そうなところにあるなーと。
水戸でも裏手が性風俗街でした。
小倉も近くにソープ街がありました。
スーパーホテルはビジネスマン御用達のホテル。部屋は小さいですが機能的で使いやすく天然温泉やサウナがついているところもあります。中にはなぜかわからないけどクオカードがついてくる闇プランを提供しているところもあるんです。
そんなホスピタリティの高いスーパーホテル。風俗街がそばにあるってのも顧客満足度を高めたいという表れなんでしょうね。
小山のスーパーホテルの敷地内にはピンサロの看板が残ったままです。利用者を誘導しようとしている感が否めません。そしてスーパーホテルってホテル名も、西口のスーパー料亭に通ずるところがあります。
残念なことに怪しい風俗アパートは閉鎖。こりゃスーパーホテル移転不可避ですね。
でもホテル裏手にはアカスリやマッサージ店があります。ピンサロが壊滅した後は大陸系のマッサージ店が小山に増えたそうです。
時流に適応できなかった小山のピンサロは消えてなくなりました。かつてその手の店があった町内にはフィリピンパブがあります。恐らくこれは営業しているのでしょう。
でもまだ生き残ってるっぽい店も。
当店はオール日本人女性で営業いたしておりますと書かれた看板。これ、まだ営業しているっぽいですよね。看板が比較的新しいし、潰れた店舗とは様子が異なります。現在も営業が続いてるってことはかつて小山にあったNK流の末裔ではなく健全な不健全店なんでしょう。このように小山にはまだ魅力的な店があるようです。