山林生活

川に囲まれた小さな楽園 出張族御用達の「中洲歓楽街」

川に囲まれた小さな楽園 出張族御用達の「中洲歓楽街」

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本日は中洲に来ております。
夜の街である中洲は日が暮れると着飾った女性とそれに群がる男達であふれかえりますが午前中は比較的静かな街です。

とくに9時から10時の間。この時間帯は人が少ないです。
朝方は夜通し飲んだ人であふれかえり、6時過ぎから仕事終わりの人が増えます。9時過ぎには人が減り、街が消え静まり返ります。11時くらいになると人が増え始め、午後になると酒屋の搬入が始まる。そして夕方以降に賑わいだす。夜の街が始まる空気感も好きですが、この午前中のたった一時間の静寂も夜の街ならでは。新宿や六本木でも9時過ぎになると一瞬静かになります。街が寝静まっているので何もないのですがこの雰囲気はよいですよね。

日本三大歓楽街の一つに数えられる中洲。小さな島の中に2000軒の飲食店が集まる大人の遊園地。明治期に花街となりその流れでキャバクラ街や風俗街が形成されたようです。

国体通りの南側は南新地と呼ばれる風俗エリア。北側は飲み屋街となっています。都内の飲み屋街は性風俗と飲食店がごちゃ混ぜになっていますが中洲ではちゃんと棲み分けがされています。

とはいっても性風俗店だけ。セクキャバなど準性風俗店は中洲の北側にあります。セクキャバは風営法上は普通のキャバクラと同じ。やってることは普通の性風俗と変わりありませんが、明確な基準は吐精をするか否かできまるようです。

歌舞伎町とは少し違い、中洲の方が居心地が良いです。とくに歌舞伎町はホストクラブが多いですからね。男性を相手にするキャバクラよりも女性を相手にするホストクラブの方が収益がよいのでしょうか。女性の方が金払いがよいのかもしれませんね。歌舞伎町二丁目はホストの街になっています。

一応中洲にもホストクラブがあります。この界隈にあるのは普通のホストでしょうか。最近、この業界ではチンパブと呼ばれるホストクラブもあるんだそう。おっパブの女性客版がチンパブ。どのようなシステムなのかはなんとなく想像ができます。新宿にはこの手のホストクラブがあったようですがどうやら中洲にはないみたいです。
そういえば中洲には過去に女性専用のソープランドがありましたがそれも潰れていました。賢者タイムがあるので女性のように次々と接客できないってのが一番の理由ですが人気がなかったのも閉店した原因のようです。
都内では女性用風俗店がありますが、福岡で流行らないのはそういった風土があるからなのか、単純に人の数によるものなのか。
ただ中洲でもホストの売掛金トラブルはあるようで都内の売掛金問題が取りざたされて以降、警察の立ち入りもあったようです。中洲にもホストにはまる女性はいるようです。

このように女性向けの店もありますが多くは男性向けのお店。キャバクラやスナック、クラブが多くある地域です。

やっぱり中洲といえば夜ですよね!

ってことで夜の中洲です。

那珂川沿いには多くの屋台が軒を連ねています。
かつてはどこの町にも夜になればおでん屋やラーメン屋台が出ていましたが衛生面、風紀面、権利関係により縮小し、縁日などがない限り見かける機会は少なくなりました。でも福岡ではこのように多くの屋台が残っています。

福岡の屋台のルーツは戦後の復興から。福岡大空襲により福岡市街地は一面焼け野原へ。建物もない中で商売を始めたのが屋台でした。市内は引揚者や韓国人で溢れ、多くの屋台ができたようです。衛生面などの問題から1955年に届出制となりましたがその後もどんどん屋台は増え続け1970年代には市内に400軒も屋台があったそうです。このように屋台は増えていったのですが多くなればルールを守らない人も出てくるようで道路の占有許可を得ずに営業する屋台も多かったようです。そのような屋台が増えたため屋台営業を規制するようになりました。その結果150軒まで減少したようです。

それでも150軒ある福岡の屋台。このように屋台を減らしていったのですが、全国探しても屋台文化が残っているのは福岡だけ。逆に観光資源になりました。そのため今度は屋台を残すように方針を変えたようです。以前のような占有問題に発展しないよう公募による応募で博多屋台を存続するようにしました。公募なので出自ははっきりしているし管理もしやすい。私娼窟が遊郭になるような感じでしょうか。

中洲の屋台は行列が出来るほど大盛況です。でもここに並んでいる人たちは地元の人でも県外観光客でもなくその多くは外国人旅行者。屋台の雰囲気が味わえるのは魅力的かもしれませんが並ぶほどではない屋台。私はもう福岡の屋台にはいかないでしょう。でもせっかく中洲にいるわけですからどっかで食事をします。

中洲、錦小路。キャバクラだらけの中洲にも食事ができるスポットがあります。寿司、てんぷら、ラーメン、焼き鳥、あとはスナックとスナック、それにスナックとスナック。

結局はスナック街ですが中洲の中でも普通の飲食店が多い地域。ってことでこちらの店に立ち寄りました。

創業50年以上の天婦羅屋です。店の外観はだいぶ怪しめだし一見客は断られそうな雰囲気。でも中に入るとおばちゃんがひとりで切り盛りしているアットホームな雰囲気のある天婦羅屋。天婦羅をアテに酒を飲むスタイルです。
福岡は天ぷらのチェーン店もあるのでひとりならそこで飲み食いをすれば良いのですがやっぱり旅先ではこのような店に立ち寄りたくなるじゃないですか!中洲のど真ん中の裏路地で酒を飲む。屋台もいいけどこのような店に行くのもいいもんです。

21時。飲み屋が盛況な時間帯です。なかなか外国人相手だと隣に座っておしゃべりするキャバクラは人気がないのかもしれませんね。屋台のある川沿いと比べると人の数が少ないです。現在の福岡はインバウンドで成り立っているため会話を楽しむキャバクラは相性が悪いようです。
でも最近はスナックが外国人に人気なんだとか。

どこ住みですか?今日はどこ行ったんですか?のようなクソみたいな質問をされることなく会話をしてもしなくてもよいスナック。キャバクラに比べると低料金だし明朗会計、そして日本のディープな文化を味わえる。日本の呑み文化を好む外国人はいるようです。

私もキャバクラよりもスナック派でとくに地方の場末のスナックで飲む酒は格別です。
中洲には行きつけのスナックがありました。一時期は中洲に立ち寄った際は必ず訪れていたスナック。もともとの出会いはそこのマスターに道端で声をかけられたのがきっかけでした。

ほぼ街頭にいるキャッチ。

ついて行った先はゼッタイボッタクられるだろうって雰囲気の雑居ビル。店に入ると客はいない。ヤバい所来ちゃったなーって思ってたんですが普通のスナックでした。居心地が凄いよく、そこで朝まで飲んで朝キャバに行くってのが基本ルートでした(結局キャバクラ行ってる)。
でももう店は無いようです。マスターが高齢だったため引退したのか、摘発に遭ったのか、単純に経営難だったのか。中洲も入れ替わりは激しいですね。

もしかしたら今目の前にある店は明日なくなっているかもしれません。この出会いは一期一会かもしれないんです。やっぱり私は中洲の南新地の方へ。

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