2000円台の格安夜行バスで東京から大阪へ
「時は金なり」
1748年、アメリカの政治家「ベンジャミン・フランクリン」が発した「Time is money」を訳した言葉です。時間はお金と同じように貴重なので有効に使いましょうってことです。
例えば日本橋から京都まで新幹線を使わずに移動する旅。これこそ貴重な時間を無駄にしたと言えるのではないでしょうか。
時間を費やして移動したことで機会損失をしたのです。その間働いていれば稼げて、稼いだお金で新幹線に乗れたんです。こうやって時間を無駄にするのではなく有効に使う、これが「時は金なり」ってことなのでしょう。
でも、やっぱり無駄なことって重要なんです。
たしかに働いて稼いで新幹線に乗る方が経済的であり効率的です。そうではありますが無駄なことをしたから新たな出会い(誰とも会ってない)、新たな発見(とくにしていない)があるんです。そういった意味では「稼ぐために費やした時間」が逆に機会損失となる場合もあるわけです。
まぁでも、新幹線を使わずに京都まで行ったのは、無駄でした。
トーキョーは夜の七時。
東京駅にいます。八重洲口高速バスターミナル。これより、夜行バスで大阪に向かいます。
出発22時。途中横浜で乗客を乗せ東名高速に乗り、海老名、浜松、大津のサービスエリアでトイレ休憩を挟み京都、梅田と立ち寄って難波まで行きます。
難波に着くのは早朝。約9時間の旅路です。
相変わらず時間を無駄にするスタイル。
たしかに新幹線で行く方がはるかに速いです。21時台でも新幹線は走ってます。2時間半で行けるんです。いまからチケット買って飛び乗れば本日中に大阪に行けます。でもそれってただの移動です。もっと旅っぽいのしたいじゃないですか!
そんなわけで、敢えて9時間かけて大阪に行きます。
日本の長距離バスは大人になってからは空港までのリムジンバスくらいしか乗ってません。子供の頃は修学旅行で日光に行ったくらいでしょうか。
海外では中国⇒ベトナムとベトナム⇒カンボジア、カンボジア⇒タイ、タイ⇒ミャンマーのバスに乗りました。
ちょっとしんどかったのはミャンマーのバス。
しんどい理由は悪路だったのが原因。でも日本の場合は道は整備されています。そして勝手知った道なので気持ちも楽です。
一度くらいバスで大阪に行ってみたかった。それだけです。
しかも夜行バスが結構安いんです。
新幹線だと15000円くらいでしょうか。二時間ちょっとで行けるしこの金額は安いです。でもバスは5000円前後で乗れるし、今回乗るバスは2000円台なんです。新幹線と比べると12000円も安いんです。
安いには安いなりの理由があります。
5000円で乗れるバスやそれ以上高いバスもあります。椅子がフルフラットになるゴージャスなバスもあるようで、それだとゆっくり寝ている間に大阪までいけるのでしょう。でもそれだと値段が高いです。
安さを追求するとパーソナルスペースの狭いバスになります。しかも安いバスはトイレが無いようです。急にお腹が痛くなればアウト。まぁ三か所サービスエリアに止まるので、変なモノ食べなければ問題ないでしょう。
今回乗ったバスは2720円。もっと早くに予約すれば1000円台もあるようですが、大阪行きを決めたのが前日だったのでその中でも一番安いバスを選びました。
本当は新宿バスタ発がよかったのですが、前日だとこの金額では無かったので八重洲となりました。
八重洲口前はバスターミナルとなっています。駅降りてすぐに乗れる立地。
でもここのバスはハイクオリティなバスしか使用できないようです。格安バスはここより500mほど歩いた丸の内鍛冶橋駐車場ってところのようです。
結構な人だかりとなっています。見た感じ若い人が多いです。
そりゃそうです。稼げる人はその時間を仕事に回し、移動の早い新幹線か飛行機を使うもんです。そのため学生や若い人が多いのでしょう。
なんかいいですよね。
遠距離恋愛で頻繁に行き来ができない。出来る限り多く会えるようにコストの安いバスで恋人に会いに行く。甘酸っぱくて新鮮です。
そういう人たちがいる中、中年のおっさんがいるんです。場違い感が半端ない。
バスターミナルではなく普通の駐車場。人が多いため入場規制がかけられています。駐車場内に入れるのは出発20分前になってから。
施設内は撮影禁止です。20分前になり中に入りましたが結構混んでます。平日なのにこんなに混むんですね。
時間通りにバスが到着。席を指定すると別料金がかかるので席を選んでいません。
いわゆる普通のバスです。少し座席幅が狭いくらいでしょうか。
夜行バスなのでカーテンは閉まったままです。
コンセントは各座席についています。これがあるのは嬉しいですね。
車内は当然ですが禁煙。そして禁酒のようです。酒飲んで暴れられるのも危険だし、粗相をする恐れもあるからでしょう。そもそもお酒飲むとトイレが近くなります。そんなわけで水を持ってきました。10時間、この水だけで耐え凌ぎます。
東京駅で乗ったのは10人ほど。だいぶ少ないです。
私以外は20代、なんだったら10代なのでしょう。関西行きのバス。乗客の見た目は亀田興毅みたいな人と、あとは亀田興毅みたいな人。それと私の前の席は亀田興毅みたいな人が座ってました。
出発して一時間で横浜に到着。ここでは20人ほど乗り、乗車数は30人。40席あって30人なのでそこそこ乗ってます。横浜で私の隣に人が乗ってきました。
隣りの席との間にもカーテンがあるので一応個室っぽくなります。
窓の外は見えませんが、散々通ってきた道なので大体どの辺を走っているのかがわかります。24時に海老名サービスエリアに到着しました。次のサービスエリアは浜松です。少し距離があるのでトイレだけは済ませておきます。
夜のサービスエリアでよく見る光景です。休憩は短いので買い物とかはできません。トイレ行って自販機で飲み物を買うくらいでしょうか。
横浜を出て以降は移動中の車内は電気が消えます。とっとと寝るのが夜行バスで過ごす本来の姿なのでしょう。そのため車内は騒がしくないです。ただ、やっぱり狭いです。隣の席との幅も狭いんですが前の席との幅も狭いです。フットレストがありますが、フットレストを使うよりも、フットレストを上げて前の席の下に足突っ込んだほうが快適です。
それでもなかなか寝れません。ウトウトをずっと繰り返す感じ。
浜松に着いたのが02時30分。やっと中間地点に着いた感じです。ここでもトイレを済ませます。
以降も目を閉じウトウトしつづけます。
プノンペンからシェムリアップまで寝台バスで移動したことがあります。
「寝て起きたらついてるから宿代が浮く!」なんて言ってましたが、全然寝れないし身体がすげー痛いし散々でした。所詮は安い移動手段です。寝れるといってもそこまで寝れないんです。今回のバスもほんの少しだけ寝れただけ。寝れただけで疲れは取れていません。
5時30分。大津サービスエリアに到着です。少しだけ空が明るくなってきました。京都まではあと少しです。
隣りに座っていた亀田興毅みたいな人と前に座っていた亀田興毅みたいな人が京都で下車しました。隣りの席が空いたためスペースが広くなりました。この広さであれば快適に寝れそうです。今回隣りに人がいましたが座席数40席に対し乗客数は30人。10人は隣り席が空いていたようです。運がよければ快適に過ごせそうですね。
当然週末は混雑するのでしょう。それと週末はバス代が高くなります。平日であれば3000円以下で乗れます。狭くてしんどいですが、値段を考えるとこれで充分ですね。
これまで大阪へは新幹線がメインでした。このあと仕事をするならばバスはしんどいですが、遊ぶのであれば片道2720円は安いです。最近は原油高でガソリン代は高くなり、先日首都高の料金は改正されました。ちなみに千葉の山林に行くとなると片道120km。軽自動車の燃費は15km/hなので約8リットルのガソリンが必要です。リッター150円で計算すると1200円。高速代が1400円で2600円かかるんです。つまり缶コーヒー足せば大阪に行けるわけです。
そんな安い値段で大阪に行けるんなら、ちょっと遊びに大阪へ!ってこともできるわけです。若い人が夜行バスでディズニーやUSJに行くのもわかります。往復6000円で「本場のたこ焼き食べに行こう」が出来るんです。
夜行バス、アリですね。
オオサカは朝の七時。
ホテルは西成釜ヶ崎です。チェックインの時間までまだありますので、今回の目的地を目指します。