山林生活

バンコクリトルインディアのシーク教寺院でタダめしを喰らう

バンコクリトルインディアのシーク教寺院でタダめしを喰らう

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2019年、私は中国の北京から陸路でインドを目指しました。
北京から電車に乗って上海、香港、マカオと中国大陸を巡り、ベトナムを経由しカンボジア、タイ、ミャンマーまで移動しました。

【ウ号作戦】令和のインパール作戦は失敗。総員、帰還せよ。
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今回宿泊しているホテルは日系ホテルです。そのため露天風呂があります。夜だけでなく朝ぶろも入れるようです。

しかし所用で日本に帰らなければならず、インドの手前でこの旅は終了となりました。
再チャレンジも考えましたが翌年にはミャンマーでクーデターが起こり渡航制限。そしてコロナで海外に行けない状態となっていました。
その時はそこまでインドに魅力を感じていなかったんですが、行けないとなると言われる行きたい欲が強まるのが人の性。次に行く旅行先はインドがベストとすら思っています。

中国残留孤児の街からインド人街へ 西葛西は世界で一番東にあるインドだった
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香辛料を使って料理を作る。最初の頃は時間をかけて作っていましたが慣れてくると短時間で料理が作れるようにな

海外に行けないため、日本国内にあるインド人街でインドを味わったりもしていました。

そしてここバンコクにもインド人街があるそうなのでそちらに行ってきました。場所は中華街ヤワラートの隣です。私の宿泊地はフワランポーン駅の近く。そこまで遠くないためちょっと歩きます。

中華街の中を通ります。バンコクの中華街は日本のソレとは少し違います。日本のはレストラン街みたいになっていますが、バンコクのヤワラートは生活感があります。

こちらの通りはサンペーン市場ってところ。横幅2mもない細路地の両脇に雑貨屋が軒を連ねています。
市場の長さは1kmくらい。午前中ですが結構混んでいます。

サンペーン市場を抜けた先がインド人街です。
今回、インド人街に来た理由は、シーク教の施設を見るため。そちらにお邪魔しにきました。

インド人のイメージってどうでしょうか?

頭にターバンを巻いて髭を蓄えてる。口にサーベル咥えてる。

これ、実はインド人の中では少数でターバンを巻いている人は、シーク教の信者の人のようです。シーク教では髪や髭は神から与えられたものだから切らないし剃らないんだそう。そのかわりターバンを巻いて髪をまとめているんだそう。

シーク教の信者はインドで2000万人ほど。2000万人って多いように思いますが、インドの人口は13億人なので2%にも満たない数なんです。つまり98%以上の人がターバンを巻いていないインド人ってことなんです。でもインド=ターバンが定着しているのはそれだけシーク教信者の人が海外で活躍していたからなのでしょう。

インドの宗教といえばヒンドゥー教です。インド人のおよそ8割がヒンドゥー教。次いでイスラム、キリストと続きます。ちなみにインド発祥の仏教はインドでは0.8%程度しかいません。
シーク教ができたのは15世紀末。インドは古くから宗教対立があり、イスラム教とヒンドゥー教は多神教と一神教なので水と油の関係でした。どちらの宗教にもいいところがあり悪いところがある。そのため二つの宗教のいいところだけ取って作ったのがシーク教なんでしょう(適当)。
インドではいまだにカースト制度が残っています。
農家の家は農家。このようにカーストで仕事を固定することで食料生産が落ちないようにしてあるのでしょう。合理的な側面もありますが、職業選択ができないことで生まれる弊害もあります。シク教ではカーストを採用していないためどのような仕事にも従事できます。このカーストを採用しなかったことがインド人=ターバンとなった理由の一つのようです。

19世紀、インドはイギリスの植民地でした。イギリス人がインド人を雇いたくてもカーストがあるため仕事ができない。でもシーク教はその縛りが無いためどの仕事にも従事できる。このような理由でシーク教の人が採用され、世界で働くようになったそうです。そもそもシーク教信者は教養が高く勤勉の人が多いんだとか。世の中で知られるインド人がシーク教信者だったから「インド=ターバン」なんですね。
ちなみにシーク教男性信者の名前にはシン(ライオン)が入るんだそう。そのためタイガー・ジェット・シンはシーク教信者のようです(ターバン巻いてサーベル咥えてるし)。おそらく日本人は「インド人=ターバン」ではなく「インド人=タイガー・ジェット・シン」なんでしょうね。っていうかタイガーは虎だしシンはライオンだし、なんかすげー名前だったんですね。

シーク教の施設に行く理由はもう一つあります。
どうやらここでは毎朝無料朝食を提供しているのです。朝8時ころから10時ころまで無料で食事がとれるんだとか。

シーク教は宗教やカースト、年齢、性別、社会的地位などに関係なく、すべての人が平等であるという考えがあります。その考えのもと、シーク教では毎日誰でも食べられる食堂を解放しているのです。

「ただ飯食えるぜ」なんて言っている輩にも与えてくれる心の広さ、感服します。

作法に関して、ネットの情報では頭を布で隠して靴を脱がなければならないようです。早速ですが入ってみます。

施設内の建物に入ると靴を預かってくれるところがあります。
靴を差し出すと番号の書かれた札をもらえます。帰りは札を返せば靴が戻ってきます。

ターバンの代わりになるのがこちらの布。無料で貸し出してくれます。
自前の手ぬぐいやタオルを使ってもよいそうです。

4階。こちらが本堂的なところでしょうか。中央に祭壇があり脇で歌ってる人がいます。礼拝の仕方は仏教と似た感じ。膝の悪い人用に椅子も用意されています。

男性は右側、女性は左側っぽいです。男女が分けられているのはイスラム教の影響なのでしょうね。

2階。こちらが食堂となっています。
食器が置いてあり自分で皿によそうビュッフェスタイル。料理はカレーとカレー、そしてカレー。
シーク教は酒タバコ薬物以外に禁忌はないそうですが、他宗教のために肉は使わず提供される食事はベジタリアンメニューなんだとか。座る場所も女性と男性で分けていますが、これもムスリム対策なんでしょうかね。

取ったものは残さず食べる。当然こと。
しかしどんな味か不明です。びびって量は取れませんでした。ご飯とチャパティ、それに野菜カレーと豆のカレーでしょうか。

野菜カレーはうまいです。肉が無いのでコクや旨味が薄い味をイメージしていましたがしっかりと野菜のうまみがあります。唐辛子の辛さではなく別の香辛料の辛味。優しい味がします。豆のカレーは小豆っぽいです。小豆は甘いものって印象があるためちょっと変な感じ。日本人は苦手かもしれません。
周りを見たところ手で食べている人はおらず、みんなスプーンを使っています。外国では食器を持ち上げるのは不作法なのでしょうが、ここでは普通に食器を持ち上げて食べていました。差別がない宗教ってことは教養がない人も受け入れます。そのためこの辺は自由なんでしょうね。

チャイ。これがマジうまい。
日本でこれまで色々なカフェでチャイを飲んできました。「やっぱチャイっていいよね。香辛料の香りがさー」って言ってました。でも今回ここでチャイを飲んでその考えは変わりました。

日本のチャイは、香辛料風味の甘い汁でした。

日本で飲んできたのとまるで違います。すげー香辛料が強いし生姜が濃い。ショウガ汁に香辛料を足した感じ。でもそれが美味しすぎるためついついおかわりしてしまいました。チャイは各家庭で味が異なるため日本で飲むチャイもチャイなんでしょう。私はシーク教で提供しているチャイの魅力にはまりました。

そんで翌日も無料食堂へ。
ただ飯食えるから通ってるわけではありません。ここのご飯がおいしいからです。
そしてチャイがうまい。こういうチャイが日本で飲める日が来るのを期待しています。

宗教は人々が繁栄・発展するためのガイドラインだと私は考えています。生命は弱肉強食が基本原則ですが、感情のある人間は助け合いながら生きていく素晴らしい生物です。シーク教のように助け合い支え合う、弱者救済・四民平等の考えは素晴らしいです。
仏教もカーストから逃れるために作った宗教で、本来であれば分け隔てないはずですが日本の仏教はどうでしょう。シク教も仏教も考えの根底は同じなのになんだか違います。

ベンツに乗り酒を飲みステーキを食べる。そのような日本のお坊さんもいます。
お経を読んで何十万、戒名つけて何十万。戒名は金額で変わるなんて話も聞きます。本来であれば宗教は心の支えなのに、その部分が蔑ろにされているのです。日本人が信心深くないのもなんとなくわかる気がします。
それに比べるとシク教はしっかりとした理念があり、それに沿った布教活動をしています。宗派や人種に関係なく生活が苦しい人に手を差し伸べてくれるすばらしさ。私はそのようなシク教の考え方に感動しました。この考え方が世界に広がることを願っています。

んで、明日のカレーは何かな??

信仰心が低いと明日のカレーの献立が気になるだけでした。

こちらはインド人街にあるショッピングモール。インディアエンポリウム。最上階にフードコートがありインド料理が食べられるそうです。

周りを少し歩きましたがインド人街というわりにそこまでインドインドしていませんでした。でも多くのインド人がこの辺りには住んでいるんでしょう。

インド、やっぱり行くべきですね。
仏教の聖地天竺も行かなければなりませんが、シーク教総本山のあるアムリトサルにもいかなきゃですね。デリーも行きたいし売春窟のソナガチも行ってみたい。インドは長旅となりそうです。

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