タイ⇒ミャンマーの陸路国境越え。ミャワディからその先へ
バスが到着したのは朝です。
これより国境に向かいます。ただ、歩いていける距離ではないようです。現地の人は乗り合いトラックの荷台に乗っているようですが乗り方が不明。そのため適当なバイクタクシーを捕まえてそれに乗ります。金額は不明です。その辺のおばちゃんのバイクタクシーにお願いしました。「ゲート!」って伝えるだけで乗れます。
ベトナムですらヘルメット着用だったのに乗客にヘルメットは渡されません。
運転手はがっつりヘルメットをかぶっています。バス停留所から5キロほどでしょうか。朝の風は結構寒いです。ノンヘルでこの速度は初めてです。どれくらいの速度が出ているのか気になったためメーターを見たのですが、壊れていました。60kmくらい出ていたはずです。
途中検問がありましたがおばちゃんパワーでスルーしていきます。信号も赤ですがガンガン進みます。そんなワイルドな運転でほかの人よりも早く到着しました。費用は100バーツ。ネットで調べると乗り合いトラックが20バーツ。乗り合いタクシーが50バーツ位のようです。
ボッタクリ大歓迎。
これよりタイの出国およびミャンマーの入国を行います。
まずはタイの出国です。おそらくであろう場所に並んでいると職員に「あっちに並べ」と指をさされます。さされた場所はタイの入国ゲートです。並んでいる人数は少なく10分後に自分の番に。しかしパスポートを見るなり別の窓口を案内されます。そちらで10分ほど並びパスポートを見せるとここも違う模様。というより案内されたのはタイ人専用のタイ入国窓口、外国人専用のタイ入国窓口です。英語で表記されているので間違っているのがわかります。これから出国するのにそちらに案内されたのです。散々振り回された挙句結局元のところに戻ってくることに。あっちに並べと言ったスタッフが申し訳ないと思ったのか優先的に出国手続きをしてもらえました。手続き自体は何の不都合もなく指紋をとってスタンプを押してもらうだけです。
陸路の国境越えってなんも問題ないんですね。もっと厳格なもんだと思っていましたが検査官によっては日本語で「こんにちわ」と言ってくれる人もいます。これまでは国際バスを使ったりしていたわけで、今回が一番それっぽい陸路入国なんじゃないでしょうか。
こちらが国境の橋です。多摩川の橋のほうがもう少ししっかりしてます。
川の向こうがミャンマーで手前がタイなんでしょうが普通に船で渡っている人も。今回ちゃんと出国手続きのところに立ち寄りましたが、立ち寄らずともそのまま通り抜けることが可能っぽいです。結構そういう人が多そうです。
橋を渡り今度はミャンマーの入国手続きです。
外国人専用の入り口に近づくとスタッフらしき人に「これを書け」と入国カードを渡されます。入国カードというよりただのコピーされた紙です。書く内容はいつもの入出国カードと同じです。出国カードらしきものはありません。
ネットで調べたところ空路だとこれらの書類は書かないようです。陸路だと必要です。
書類を書くと今度は部屋に案内されます。どうやらこちらで入国手続きを行うようです。立って並ぶのではなく席も用意され一人ずつ入国手続きを行っていきます。写真を撮りパスポートを見てスタンプを押してもらいます。私含め10人ほど入国する外国人がいましたが全員欧米人っぽいです。
現在ミャンマー入国は日本、韓国、香港、マカオ以外の人はビザが必要です。そのためみんなビザのコピーを持っていました。ビザなしは私だけです。
ここも何の問題もなく手続きが終了。これでミャンマー入国となります。
入国するなり声をかけられます。「ヤンゴン!ヤンゴン!」こんな感じで声をかけられます。どちらにしてもお金がないので「ノーマネー」と伝えて追い払います。まずは両替。とりあえず手持ちのバーツをミャンマーのお金チャットに両替します。国境の両替所なので不安しかないですが提示されたレートはとくに問題ありませんでしたので一部のバーツを残して両替しました。
このあと、次に進むバスを選びます。
予定であればミャンマー第一の街であるヤンゴンに行き、次は首都のネピドーという感じで動こうと思っていました。でも歩みをもっと早く進めたいと思い、バンコク滞在の際に色々と調べていました。
ミャンマーからインドに渡るためにはこれまで通り国境に行かなければならないのですが、どうやらヤンゴンやネピドーからは国境行きのバスが無いようなのです。国境のあるタムーという街に行くためにはミャンマー第二の都市マンダレーに行かなければならないようです。マンダレーからタムーに行きそしてインドの国境へ行く流れです。それであれば直接マンダレーに行った方がよいんじゃないか?という考えが生まれました。
この旅は急ぐ旅ではありません。予定では三か月ほどかけていく方針でした。
しかし11月中に帰らなければならない事情が生まれました。
そんなわけなのでできるだけ早くインド入りを果たしたかったのです。
これからマンダレーに行ければ翌日には現地に着きます。そして次の日に国境を越えてインパールへ。インドは鉄道移動です。先が見えないため早めにインドに行きたい。そんなわけで早足で進めていました。
私「マンダレー!マンダレー!」
行先はマンダレーです。大声で叫ぶと人が寄ってきます。「お前、マンダレー行きたいのか?ならこっち来い!」みたいなニュアンスで声をかけられます。たぶんついていけばボッタくられるのでしょう。でもぼったくりは新宿で慣れっこです。
ぼったくりでも親身に接していれば心が開くんです。
知らない街の知らない人についていきます。
そうすると子連れのお母さんのところへ。お母さん曰く「マンダレー行は23時出発」とのこと。今は朝の6時30分過ぎです。つまり16時間ここで待たなければなりません。さすがにその時間までこの国境で待つのはしんどいです。
ヤンゴン行きの場合はどうなのかと聞いたところ、出発は9時とのこと。だったらヤンゴンに行って、そしてそこからマンダレーに行った方がよさそうな気がしてきました。そのためヤンゴン行きを予約します。費用は15000チャット。約1000円くらいでしょうか。
バス乗り場は別の場所のようで7時半になったらここに来てほしいと言われます。
とくに何かすることもありません。ただバスの休憩所からトイレに行っていませんでした。そのためトイレの場所をお母さんに聞きます。そうすると近くの男性がトイレまで案内してくれるとのこと。ちょっとだけ歩き路地裏に行きます。そして少し広い空き地を指さされます。
ここはトイレじゃなく空き地ですが。
私は比較的野グソ経験があるためそこまで不安はありませんが、一般の人にとっては厳しいですよね。今回は大ではなかったのでよかったです。別にその辺でしても大丈夫のようです。
先程のお母さんのところに戻るとこれよりバス停まで行くとのこと。国境に来たのと同じようにバイクタクシーで向かいます。
時速40kmほどで走行。そして国境の時と同じようにバイクのメータは壊れています。
メーターってそんな頻度で壊れないと思うんですが、なんでこんなにメーター壊れたバイクに当たるんでしょうか。そして客はノンヘルなのに結構とばすんです。
バス停に着いたのは8時過ぎ。出発まで一時間ほど待ちます。座って待ってろといわれてバス会社の入り口で待ちます。
他にも乗客が数人います。同じバスに乗る人でしょう。ちなみにほかのバスの人の支払っている金額は12000チャット。つまり私はお母さんに3000チャット騙されたようです。まぁ手数料ということで別に構いません。
昔のバンコクの感じです。
けっこうな蠅の量です。最初はまとわりつく蠅を追い払っていたのですが30分ほどで慣れてしまいました。
最近のバンコクは蠅が少なくなりました。昔は多かったですが衛生面が高くなったのでしょうね。しかしミャンマーは蠅だらけです。何もないところには蠅はわかないと思うんですが、あたりを見渡すと赤い汁があります。
これ、唾液です。
ミャンマーは噛みタバコ文化があるようです。厳密にはタバコではなく檳榔という植物を使った嗜好品です。日本ではあまりなじみがないです。アルカロイドを含む種子に石灰を混ぜてキンマと呼ばれるコショウ科の葉っぱで巻いたものを口の中に出でてガムのように噛むそうです。ミャンマーではビンロウと言わずに巻く葉っぱの名前からキンマと呼ばれているようです。アルカロイドを口内で摂取することで軽い興奮状態になるんだとか。要は薬物です。
肉体労働をする人に人気のようで、バスの荷積みをしている人全員が使用していました。
口が真っ赤な人はビンロウを吸っている人です。そして唾を吐くので真っ赤な汁がその辺にあります。そしてそこにハエがたかっているんです。赤いところはもれなく唾液を吐かれたところなんですが、そこに皆さん座っているんです。
唾液だろうが糞尿だろうが人からでたもの。それは涙だって同じ。
涙が汚いと思いますか?つまり涙と同じ唾液も別に汚くない。汚いと思ってる私が間違っているだけです。
きましたね。ついにきました。
こちらバス会社のトイレです。紙が無いとかそういう次元ではありません。
使い方が不明。
恐らく用を足した後は桶を使って不浄の手を発動させるのでしょう。ふん尿だって自分の中から出たものなのでキレイなはず!
使用方法は不明ですがお手洗い自体はかなりきれいです。
出発時間の10分前となりました。そうするとスタッフの人たちがあわただしくなります。
バスは8時の時点で止まっていましたが、10分前になってから積み荷の作業を始めていきます。さっき赤い唾吐いたところに客の荷物を置いていきます。預けなくてよかったです。
まだ何も積んでいませんがすでに出発時間を過ぎています。それでもゆっくりとした作業です。
なんとなくそうなるのはわかっていました。
基本的に海外の交通機関は大幅に遅れるのは常識です。でもこれまで大幅な遅れがありませんでした。その理由は始発駅から乗っていたから。
道が混んでいて到着が遅れることはありますが出発は定刻通り出るのです。遅れる理由がないから定刻通りなんです。しかし始発駅ですらこのように遅れるミャンマーはまだ発展途上国なのでしょうね。余るほど時間があったんだからその時に荷物を乗っけておけばスムーズに出発できたのでしょうが、そういうことをしないようです。出発が9時ではなく9時に搭乗開始なのでしょう。荷物を積める係も9時からしか働かないのでしょうね。
ていうか、今から車の整備する!?
エンジン部分を開けてベルト交換しています。
出発時間が過ぎてからこんな作業をはじめたので出発は一時間後となりました。
やっと国境の町から旅立つことができます。