ベトナム式米焼酎「ルオウ・ネプ(Rượu nếp)」
ベトナムはビールが安いのでどうしてもそちらを飲みがちとなってしまいますが、せっかく海外にいるわけです。地元の酒、飲みたいじゃないですか!でもどこの国に行ってもあるのはウォッカか焼酎、ラム酒ばかり。もうね、ウォッカは飽きたんですよ。なんかもっと違ったお酒を飲んでみたいんですよね。ってことでスーパーを渡り歩きました。
そこで見つけたのがこちらのお酒です。
こちらのお酒はルオウ・ネプというものでベトナム語でルオウは酒、ネプはもち米って意味で、原料は米またはもち米を使っているそうです。
もち米を醸造、蒸留した蒸留酒。いわゆる焼酎でライスウォッカに該当するものです。
やっぱり焼酎かウォッカ!
まぁどこの国でもこうなるんです。
そういえばタイのお酒ラオカオも焼酎でしたね。
ラオカオの意味はカオが米でラオが酒でした。ルオウとラオ、なんか似てます。そもそも蒸留酒の文化は中東から伝わりました。14世紀ごろには中国で白酒が製造されていたことから恐らくルオウ・ネプもその頃が起源になるのでしょうか。
ルオウネプはホーチミンの西側、メコンデルタのある地域で作られています。今回購入したやつはRuou Phu Le Corporationってところが作っているお酒で工場はベンチェ省バーチー県のフーレー村にあるそうです。この付近でとれたもち米を使用して作るんだとか。375mlで値段は240円ほど。
先日飲んだメンウォッカの原料も米。ただメンウォッカは連続式蒸留に対しルオウ・ネプは単式蒸溜で作られます。いわゆる米焼酎に近いやつです。
さて、飲んでみます。
アルコール臭さはなく米の香りがします。なんとなく米焼酎っぽい感じ。そもそも原料がもち米なので近い感じになりますよね。度数が29%なのでこれも焼酎っぽい。味は甘みが強いです。白岳とかそっち系に近い味わいです。
タイのラオカオも米焼酎に分類されるのですが、あちらのはどちらかというと泡盛に近いです。そもそも泡盛の原料はタイ米を使用しているため味が似るんです。そのためクセが強い味だったのですが、ベトナムのルオウネプはマイルドで泡盛のような荒々しさがないんです。製造方法などは同じだと思いますが、もち米を使っているからでしょうか。ルオウネプは少し上品な味です。度数は29%ありますが、そこまでアルコールを強く感じません。比較的スッキリ飲めます。
ベトナムにはハノイビール製造する半官半民企業HALICO社が販売しているネプモイってのがあり、そちらの方が人気のお酒のようです。ネプモイはうるち米を使用しているそうですが、もち米の香りを添加しているみたいです。おそらくもともとの蒸留酒はもち米主体だったのでしょう。もち米の方が糖度が高く、醸造に適しています。ただ収穫量や原料の値段からうるち米が主体となったのかもしれませんね。
ネプモイもスーパーマーケットで売っていたのですが700mlサイズしかなかったため諦めました。そもそもネプモイだったら日本で普通に買えるっぽいので。
アルコール度数が高いお酒はすぐに消費できないためそれがなくなるまでずっと同じ酒を飲むことになります。海外では宅飲みをするよりBARのようなところに行く方がよいのかもしれませんね。でもBARにこの手の酒が置いてあるのでしょうか。なんとなくですが屋台とかチープな店でしか取り扱っていないような感じがします。そもそもベトナムはビールを飲むのが普通なのでしょう。この手の酒はとりあえず酔うための酒みたいな感じです。先日呑んだウォッカもそしてこのルオウ・ネプも不味くはないんですが、また飲みたくなるお酒かっていうと微妙なところ。クセがないから飲みやすいんですがクセがない分魅力を感じないんです。
ウォッカは何も割らずにストレートで飲むのが基本。そのためこのような形は無粋ですが、やっぱり味付きが良いんです。そんなわけでコーラで割ります。
社会主義の象徴であるウォッカと、資本主義の象徴であるコーラ。その二つを組み合わせる罪なカクテル。コーラの味が強いためどうしても資本主義に染まってしまいます。この飲み方も不味くはないのですが、コーラにアルコールが入ってるだけの味です。やっぱりベトナムで飲むのはビールがよいのでしょうね。
本日のアテは久しぶりのオレオ。海外旅行に行くと必ず買ってたオレオ。今回初めて買いました。オレオの良いところはどこの国に行っても味がオレオなんです。そのため間違いがない。そして腹に貯まるし食べ応えもあり、間食としても有能でこのように酒のつまみにもできます。オールラウンド系の食べ物なんです。そんなわけで移動する旅の時は必ずバックパックの中に潜ませていましたが、今回はマニラとホーチミンに滞在したため買いませんでした。
でも困った時のオレオ。ベトナム米焼酎にも相性が良いです。ほぼコーラとオレオみたいになってますが。