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高知の旧赤線地区「堺町」は特殊な旅館とお風呂がある街だった

高知の旧赤線地区「堺町」は特殊な旅館とお風呂がある街だった

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高知市内には明治になってから三か所に遊郭ができました。高知城の西側にあった玉水新地、東側にあった稲荷遊郭、五台山にできた吸江新地がありました。その手の歓楽街は中心地から少し外れた場所にあり当時の人からすると不便だったんでしょう。
そのため中心地にほど近い場所には表向きは料理店を装った店が乱立したそうです。

戦後、吸江新地と稲荷遊郭は戦火に見舞われ復興せず廃業。唯一残ったのが玉水新地でした。戦後は遊郭が廃止となり赤線に切り替わるのですが、高知市内には複数の赤線街ができたそうです。普通に飲食店を経営するよりはキャバクラの方が実入りがよいし、ピンサロの方がもっと稼ぎが良かったのでしょう。需要があるから供給がある。そんな感じであっちこっちにできたそうですが、今は大分落ち着いたようですね。

こちらは本町と堺町があるところです。遊歩道となっており緑豊かな街路樹です。

本町は武家屋敷がある郭中側、堺町は商人らが住む下町。この街路樹は区分けされていたからこういうのが残ってるんですね。

堺町は大坂の堺が由来のようで呉服商が多く集まったんだとか。しかしそれは過去のお話、現在の堺町は少し様子が異なるようです。

ソープランドの文字。この地域はその手の店がいくつかあるようです。この辺りは呉服商が集まる街を経て戦後赤線街となりそのままソープ街へと変貌を遂げた場所のようです。県内では唯一特殊浴場のある地域です。唯一といっても特殊浴場は6店舗しかありません。それ以外にファッションヘルスが3店舗。

かつては人気店だったのかもしれませんね。黄金の館と書いてニューゴウルドハウス。ゴールドじゃなくてゴウルドって表記が粋です。着物姿の女性は花魁をイメージしているのでしょうか。全然新しさは感じません。だいぶ前に潰れたようでそのまま放置されています。マンションに建て替えても近隣に性風俗店があるので入居者が現れない、飲食店にするのも客層が限られるため望ましくない。風俗街の土地って利用し辛いですね。

こちらの店もだいぶ前に閉店している様子です。ダイヤモンドは永遠の輝きなんてキャッチコピーがありましたが、その通りにはならなかったようで。
どうやら2011年に堺町町内で一斉捜査がありそれにより潰れた店舗があるようです。もしかしたらこちらの店はその時廃業したのかもしれませんね。

30分8000円の文字。ポッキリと書かれてあるので総額表記なのでしょう。比較的良心的な金額ではないでしょうか。

なんか昭和の雰囲気って感じ。でも昭和の雰囲気って言うけど、おそらく平成になってからなんでしょうね。

これ、ホントに平成!?

600万円で土地売り出し中です。93平米の土地。堺町は中心地までほど近く信号を渡ればはりまや橋です。そしてソープランドまで歩いて0秒の立地。なんだったら裏手の入り口とつなげることだってできそうな感じ。繁華街まで近いので立地はよいですね。いや、立地はよくないのかも。

こちらは恐らくラブホテルだったところ。高知の中心地にはこの手のホテルが少ないです。繁華街と言えばレンタルルームやこういうホテルがあるもんですが、やはり車社会ってのが理由なんでしょうね。唯一中心地から比較的近いラブホだったようですが、残念ながら潰れてしまったようです。結構大きな敷地なのでマンションができると使い勝手がよさそうですね(風俗街ですが)。

こちらにも特殊浴場があります。看板がだいぶくたびれています。
かつては遊女を置いて客に接待した浴場のことを浮世風呂と呼んでいたそうです。ソープランドって名前よりこっちの方が粋ですね。

こちらは近代的な建物で、ファッションヘルスの店がいくつかあるようです。

特殊浴場は大分前に新規出店ができなくなり新しい建物も建てられず老朽化していますが、ファッションヘルスはソープよりもあとに規制されたのでしょう。そのためまだ新しいところもあるようですが、ヘルスも数十年後には古い建物となり消えてしまうのでしょうね。

このように堺町にはいくつかの性風俗店がありますが、それに混じって旅館があります。
私は今回高知に宿泊するにあたり出来る限り安めのホテルを探しました。しかしコロナ明けで訪日外国人も増えたためホテル代が少し高くなってるんです。この手のビジネス旅館でもよいと思ったんですが、アゴダにも楽天にも案内は出ませんでした。

でもこの街には何軒か旅館があるようです。なんか特殊浴場よりも多い感じ。なんだったら風俗街っていうより旅館街って感じ。

これ、アレだな。

泊りにきたらたまたま仲居さんと恋に落ちちゃうヤツ。そして旅館なのに30分くらいで帰るやつ。
旅館やビジネス旅館を名乗るお店の入り口には女性店員を募集している張り紙がありました。男女雇用機会均等法では事業主は労働者の募集及び採用は性差なく均等な機会を与えなければなりません。旅館業務は適用外職種には当たらないため本来であればこの募集の仕方は法令違反に当たるおそれがあります。

でも女性しか従事できないのでしょうね。
どうやら高知の堺町は川崎堀之内と同様に特殊浴場とちょんの間が存在する街のようです。

見た感じだと5、6軒あるようです。ちょんの間なんで「どんな子いますか?」って聞いて値段聞いて入店するか決める形なんでしょう。

しかし町内には普通のビジネスホテルがあるから判断がかなり難しい。
フロントで「この店は恋に落ちる系ですか」って聞かなきゃわからないんです。そんで落ちる系じゃなかった場合、どれだけ恥ずかしい思いをすることか。

おそらくこちらは恋に落ちる系の店。看板、外観などが雰囲気を醸し出しています。結局は経験で判断していくしかなさそうです。

先客が二人ほどいるようです。
このあたりのちょんの間は比較的中心地に近く、近隣には特殊浴場もあるからなのかサービスに定評が高いんだとか。
そんなわけでお客さんも多く利用しているそうです。
取り締まりも厳しく営業形態としてもリスクが高く店舗の家賃や管理など金銭的な負担が多いため都市部では性風俗特殊営業、いわゆる店舗型と呼ばれるところが少なくなっております。新規出店ができないってのも理由ですが多くが無店舗型、デリバリータイプのお店にシフトしています。そのためにはデリバリー先のホテルが必要ですが、高知の中心地にはラブホがありません。一番近いのは川を渡ったところでしょうか。このようにホテル過疎地のため旅館型のちょんの間が人気なのかもしれませんね。はたまたちょんの間が人気過ぎてデリバリータイプの店が成り立たないのかもしれません。しかしグレーな商売です。一斉捜査のあとも生き残っているため法律上の問題はギリギリクリアしている、またはお目こぼしで続けられているのでしょうが、それがいつまで続くかはわかりません。もしかしたら明日、なくなってしまうかもしれないのです。そうなる前に一度行ってみるのがよいでしょう。

そういえば私は高知に延泊します。旅館があるので飛び込みで宿泊できるか聞いてみます。

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