高知市の歓楽街「柳町」でやきとんを喰う
こちらは高知市の中心にあるはりまや橋です。日本三大がっかり観光スポットの一つにあたるはりまや橋。
江戸の頃はこのあたりに堀川が流れていました。堀川を挟んで店を構えていた「播磨屋」と「櫃屋」が商売を円滑にするため私設で橋を架けたのがはりまや橋の由来なんだとか。すでに堀川は埋め立てられ公園となっています。橋の下には演出のために水が流れています。そもそもこの橋、レプリカで平成10年に作られたものなんだとか。レプリカなのはガッカリ。
現在のはりまや橋はレプリカの隣にあります。こちらを朱色に塗ればよかったのに、なんか橋が二つあってどっちが観光スポットなのかわからないです。これがガッカリの理由でしょう。
そしてはりまや橋の神髄は地下にあります。
はりまや橋の下には地下通路があります。はりまや通りは交通量も多く電車も走っています。地下であれば信号待ちをすることなく反対側に渡れます。そしてどうやらこの地下道に別のはりまや橋があるんだとか。
こちらが別のはりまや橋です。地上にあるのは平成10年に架設されたもの。地下にあるのは昭和41年のものでこちらもレプリカ。結局レピリカしか存在しない。これもガッカリの原因の一つ。
そして地下道は雨風が凌げるためお住まいをお持ちでない方たちの休憩スポットになっています。これもガッカリスポット。
高知は地方都市のわりにホームレスが多い気がします。高知県は大阪、北海道に次ぐ第三位の生活保護受給率です。仕事がないのが理由なのかそれとも暖かい地域が理由なのか。生活に困窮している人が多いようです。
こちらは街の中心地「帯屋町商店街」です。商店街はアーケードになっていていろんなお店があります。
もともとこのあたりは郭中と呼ばれる地域で高知城の外郭で武家の居住地域だったそうです。商店街が多かったのははりまや橋の東側にあるはりまや橋商店街でした。かつては中種商店街と呼ばれ賑わっていたのですが昭和24年に火災により全焼。その際に商店が帯屋町の方に移転したそうです。
現在の街の中心は帯屋町のあたりですが、利用者はそこまで多くはありません。岐阜の柳ケ瀬ほどではないですが、人通りはまばらでシャッターが下りている店もちらほらあります。一時は栄えたようですが今は衰退しているようです。
イオンモールができると、街は衰退する。
高知は交通網があまり発達しておらず、中心地にとさでんが走っていますが、それ以外の地域はバスになります。しかしそのバスも本数が少なく利便性が悪いため高知は自動車保有率が高いです。駐車場の無い中心地に行くよりもロードサイド型で駐車場が無料、その場所に行けば全てが揃えられるショッピングモールが利便性がよいのでしょう。私も高知滞在中にイオンモールを利用しましたが使い勝手が良く「休日はイオンモールに行く」ってのも理解できます。車で行けて雨に濡れない。お店も見やすいですからね。
このように最近はイオンにお客をとられている状況ですが、かつての帯屋町は人混みができるほどにぎやかだったそうです。店ができれば人が集まり、人が集まれば飲み屋ができる。このあたりはいつしか飲み屋街へと発展しました。
こちらは飲み屋街「柳町」です。柳町と書いてありますがこの付近にはそのような町名はありません。住所だと追手筋か帯屋町ってところ。もともとこの通りには柳が生えていたため柳町通りと呼ばれていたそうです。この通りを中心に飲み屋街が広がっています。
キャバクラ、ガールズバー、スナック、パブ。一通りのお店が揃っていて店舗数も結構多めです。
酒造も多く地酒も多い。そして飲兵衛が多くいる土佐高知。高知県はスナックの人口割合が五番目に多い地域なんだそう。
ちなみに一番は宮崎県です。
スナックの大半がこの柳町界隈に集まっているのでしょう。武家屋敷だったところがスナック街になってるようです。
こちらは高知55番街と書かれています。55番と書かれていますが、住所は55番地ではありません。
この細路地、いいですね。消防法の関係でこのような路地は新設できません。そのため貴重な場所です。
こちらはおびや町小路。
こちらの路地も雰囲気がよいです。
ただ日中だと雰囲気が分かりませんね。やはり夜の街は夜徘徊するのが一番です。
ってことで夜の高知の街を散策します。
高知は東京より西側にあるため日の入りが20分ほど遅いです。東京の日の入りは18時20分ですが、高知は19時でもまだ明るいです。
飲み屋がそろそろ始まる時間ですが平日のためか人通りはそこまで多くありません。コロナの影響もあったのでしょうが空き店舗が結構目立ちます。看板は出ているが潰れている店もチラホラあります。
自粛要請の頃よりかは人の出は多くなっているものの飲み会文化が衰退した今、飲食業界は厳しい環境に置かれそうですね。飲兵衛が多いと言われている高知でもこの状況を打破するのは容易ではないのでしょう。店舗の空き状況は横ばいで新規出店がまだ少ないようです。とくに接客の伴う夜間飲食店はこれからが勝負所って感じでしょうね。
高知55番街です。ネオンが良い雰囲気ですね。怪しい路地裏感があって素敵です。
ただこちらも比較的静かです。週末になれば賑わうのでしょうか。
せっかく夜の街を徘徊しているんです。ここいらで夕食をとります。本日はおびや町小路で晩御飯を食べます。
行った店はこちらです。医食同源の店「関羽」と書かれています。
「医食同源」は中国の「食薬同源」からくる造語。そうなると三国志に出てくる武将「関羽」の名を店名にしていてもおかしくありません。やきとん大好き人間にはうってつけの店です。高知名物とか関係ないけどこの店を選びました。
創業は40年ほど経っているようですが、お店はリフォームして新しくなっているようです。やきとん屋って床も壁も脂まみれで小汚い店が多いですが、こちらはキレイなお店です。
お店は恐らく父親と子供で経営しているようです。お父さんが焼き場を管理。
店に入って店名がなぜ「関羽」なのか理解しました。お父さん、白髭を生やしており雰囲気が関羽っぽい。とりあえずビールを頼みます。焼きトン屋なので豚の臓物を主に扱う店。レバー、ハツ、タン、シロ。
食薬同源には同物同治という考え方があります。体の不調な部分を治すには、調子の悪い部分と同じところを食べるのが良いという考え方。例えば肝臓が悪い時はレバーを食べる、腸が悪い時はシロを食べるのがよいでしょう。
ってわけで調子の悪いところ、食べましょう!
残念ですがこの店には豚の陰茎が置いてありませんでした。つまり調子が悪いままです。
注文はレバー、ハツ、ネギマ、ルート串。結構ハードボイルドな焼き方。この焦げたくらいがちょうどよいんです。
特に美味しかったのがこの「ルート串」です。部位は不明。なんとなくハラミに近い感じだけどだいぶ弾力があります。舌の根元部分をタンルートと呼ぶためそちらの肉なのかもしれません。美味しくておかわりしてしまいました。
こちらは人参酒です。高麗人参っぽいやつが入っています。
クコの実の味が強く甘めですが美味しいです。ソーダで割って飲むのもありかもしれませんが、同店にソーダがあるのか不明です。
こちらの店は人気店のようで行列ができることもあるんだとか。
そのためあまりのんびりできませんでしたが美味しいやきとんがいただけました。高知名物ではありませんが名物とは関係のない店に行くのもよいですよね。
ちなみに高麗人参は精力剤の効果が期待できるそうです。
ってわけで私はこれよりはりまや橋を渡り堺町に行ってきます。