山林生活

「水戸歓楽街」東照宮そばの旧私娼窟、大工町の怪しい花街

「水戸歓楽街」東照宮そばの旧私娼窟、大工町の怪しい花街

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水戸駅にいます。

こちらは水戸駅北口にある徳川光圀公と助さん格さん像です。水戸と言えば黄門様。
30年前からこちらにあるんだそう。テレビでよく見る構図ですね。実際の水戸黄門は全国を行脚したわけではなく鎌倉や江戸くらいまでしか行ってないそうです。しかも時代劇のように少人数で旅をすることもなかったのでしょう。水戸黄門の漫遊記は幕末に講談師が創作したもののようです。いつの時代も旅番組やグルメ番組は人気なんでしょう。
時代劇の水戸黄門は色々な人がやっていますが、いちばん見た黄門様は東野英治郎さんのでしょう。この銅像もテレビの影響を受けているのでしょう。果たしていつの時代の黄門様でしょうか。

こちらは水戸駅南口にある納豆の銅像です。納豆も水戸が有名です。

納豆の原料である大豆の生産量は全国で見ると北海道、宮城、佐賀がトップシェアですが、関東近県だと茨城が生産量ナンバーワンです。これが納豆が名物になった理由の一つです。
水戸納豆が有名になったのは明治になってから。鉄道が開通した際に納豆をお土産にして販売したところそれが人気となったそうです。

こちらの天狗納豆が水戸納豆の元祖の店なんだとか。こちらの創業者が幕末に納豆製造を始めたのが水戸納豆のはじまりです。今では水戸の名物と言えば納豆が最初に出てくるようになりました。そんなわけで駅前に納豆の像があるのですが、このオブジェ、心が汚れた人には納豆に見えないんです。

あきらかにこれは女性器。駅前に卑猥なオブジェを置くとはなんたることか!
北口には「肛門」が、南口には女性器が。しかもこの女性器、糸ひいてて納豆臭が...。

そんなことはありません。
これは納豆の像なんです。茨城県民のアイデンティティーである納豆。

この納豆こそ茨城県民なんです。

こんな感じで駅前から色々とすごい水戸。
関東の外れである水戸はあまり人気のない都市ってイメージがありますが、江戸時代は城下町として栄えていました。近代になってからも歓楽街があり、多くの人が行き来していたのでしょう。それは今でも残っているようです。

ってわけで本日は飲み屋街を巡ります。

こちらは水戸東照宮です。東照宮なので祀られているのは徳川家康。水戸市民からは「権現さん」と親しみやすい名で呼ばれているようです。権現さんのご利益は家内安全、商売繁盛、学業成就、商売繁盛などなどなんでも叶えてくれそうな神様。

東照宮の麓にある宮町はかつて奈良屋町と呼ばれる地域だったそうです。

こちらは宮下銀座商店街通りです。ここは東照宮の参道になっており、アーケードの中には飲み屋やスナックなどの飲食店があります。
この近くには戦前私娼窟があったそうです。

茨城県は山梨や長野、埼玉、群馬と同じように廃娼運動により1931年に廃娼県となっています。公娼は禁止され県内に遊郭はなくなりました。廃娼の理由は女性や児童の人権を守るためってことで、国際化社会に向けた取り組みだったのでしょう。しかし三大欲求の一つである性欲。性風俗を一切なくせば性暴力事件がはびこるのは目に見えることでした。そのため廃娼した県は目をつぶったのです。

公娼は禁止とする。私娼は県が管理してないからよくわからない。

公娼を廃止しましたが、民間人が売春宿を運営する形となりました。あくまでも廃娼は表向きで遊郭はなくなった廃娼県には私娼窟ができました。
私娼窟といっても「風俗店はここだよ!」と看板には出せません。そのため飲食店を装った飲食店らしからぬ飲食店が奈良屋町にあったそうです。ピンサロの走りのような店でしょうか。その店は駱駝屋と呼ばれていました。名前の由来は諸説ありますがラクダのようにゴロゴロ寝るから駱駝屋と呼ばれたそうです。

そんなところにある大衆酒場ラクダ。普通の飲み屋ですがちょっと気になります。

私娼窟があったのは東照宮の裏手でした。
何軒か飲食店らしき店はあるものの現在は住宅地となってます。

戦前は私娼窟でしたが戦後は赤線街へ。
そして売春防止法施行後に飲み屋街になりました。赤線街だった飲み屋街にはピンサロ的な店があるもんです。

おそらくこちらはサロン的な店ですが、キャンパスワンは震災の際に閉店したそうです。

赤線街の雰囲気を保っていた唯一の店でしたが、明治の名残りは令和まで持ちませんでした。
水戸市内の飲み屋街といったら大工町のほうなのでしょう。

ってわけで大工町の方に来ました。
飲み屋街って感じの看板があります。ここは旦那横丁飲食店街です。この辺りはスナック、キャバクラ、ガールズバーなどがある歓楽街となってます。

大工町の名の通りここは水戸城建設の際に職業集団が集まった街でした。
町が変貌したのは明治の後期、日露戦争後、水戸市街地西側に歩兵隊の駐屯地ができます。
遊郭は早々に廃止されたものの花街として大工町は人気の街となりました。当然シモの世話をしてくれる店もあったのでしょう。結局のところお上が管理しないとこのように無法地帯になってしまうのです。ここ以外にも谷中町ってところに私娼窟があったようです。

現在も大工町にはウーロン茶くらいしか出さない飲食店が数軒残っています。
廃娼県を目指し女性の人権回復を目指した結果がこれなんでしょう。

またこれはどこの飲み屋街でも同じですがフィリピンやタイのお店が多めです。

飲み屋街ではこの国旗を目にしない日はありません。

この店に至っては何でもありのグローバルパブ。大工町では世界一周旅行が味わえます。

そんなグローバルな飲み屋もありますが、割烹料理や料亭のような店もあります。昔は那珂川でウナギが獲れたそうで、創業200年以上、江戸時代の頃から続く老舗うなぎ屋もあります。うな丼の発祥地は龍ケ崎市の牛久沼らしいです。ウナギで有名なところだと静岡の浜松や高知の四万十が有名ですが、天然ウナギの漁獲高は茨城県が第一位なんだとか。

茨城県内にある河川はウナギが育つ環境が整っており、水戸の近くを流れる那珂川も最適な場所なんでしょうね。

ウナギ食べたいけど、流石は老舗料亭。お財布と相談し、今回は辞退しました。

夜の大工町にきました。やっぱりネオン街はネオンが灯ってからの方が魅力的です。

ガラスの動物園。美しくも脆いガラス細工で出来た動物園。魅力的な店名です。
オーナーが演劇好きなのか、それとも別に意味があるのか。名前からはどのような店なのかが判断できませんが、パブ&サパーって書いてあるのでパブ兼サパークラブってことなんでしょう。

平日で日が落ちてからそこまで時間は経っていません。そのためオープンしてない店もあるし、人通りも少ないです。閑散としていますが大工町には多くの飲み屋があるんです。週末は飲みに来る人が多くなるのでしょうね。

せっかくなんで大工町で一杯ひっかけます。本当はウナギ食べたいけど、今日は中華にします(今日も)。町内にあるラーメン店です。こちらは創業70年の老舗ラーメン店「青い灯」。青は原発を抱える茨城県の希望のともしびなんでしょうね。
明け方まで営業しているので飲んだ後にシメで食べに来る人が多く、この店ではカレーコロッケが美味しいんだそう。

とりあえずビールです。
普段は瓶ビールです。瓶ビールを注文する理由はビアサーバーを掃除していないところがあるからです。
とくに冬場は掃除してない店は結構多く、掃除していないと味や品質が落ちます。でも瓶ビールであれば心配ありません。

今日は生ビールが安かったのでこれを選びました。
正直なところ掃除してようがしてなかろうが味の違いはそこまでわかりません。安く飲めるなら品質が落ちてても構いません。

こちらはビールのお供の三種盛りです。
想像とは違う三種盛り。ラーメン屋なのでチャーシュー、メンマ、煮卵だと思ってました。

でもこれはこれで悪くないです。

コロッケとラーメン。ラーメンはあっさり目の醤油味ですが炭水化物&炭水化物です。
これ、飲んだ後に食べるにしては結構な量です。

江戸の頃に大都市として発展した水戸、それはいまでも継承しているようです。
駅前には怪しいオブジェがあり、歓楽街にも怪しいお店がありました。私娼窟はなくなりましたが風俗街の天王町は健在です。
このように怪しい感じがあるのが水戸の魅力なんでしょう。案外楽しめるところのようです。

茨城県は魅力度ランキングが万年最下位でした。
でも近年は最下位から脱出しています。まぁ昨年は46位なので下から二番目。最下位は松雪泰子も出身地を公表してない佐賀なんだとか。
茨城はまだまだブービーではありますが、魅力が全くないわけではありません。

水戸黄門や納豆に頼らずとも水戸にはもっとよいところがあるんです。
大工町の小さなスナックで土建屋の社長とママのデュエットをBGMに大してうまくもない水割りを飲むってのもよい過ごし方ではないでしょうか。

大工町の夜は始まったばかり。夜の街が私を呼んでいます。

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