山林生活

ハッテン場を経て生まれ変わる花街のあった西新宿十二社

ハッテン場を経て生まれ変わる花街のあった西新宿十二社

[更新日]
[著作者]

本日は新宿区西新宿に来ております。
こちらは日本最大級の超高層ビル群「新宿副都心」と呼ばれるエリアです。
右手に見えるのが新宿NSビル。左手に見えるのが東京都庁第二庁舎。
まさにコンクリートジャングル。新宿らしい街並みです。

西新宿が高層ビル街となったのは60年代以降、それ以前ここは浄水場でした。
浄水場が設置されたのは1898年。東京で初めての近代水道浄水場でしたが関東大震災以降山の手に移住者が増えたことで東村山へ移設する話が持ち上がり終戦から20年後の1965年に浄水場を移設。その後ホテルなどができ91年に都庁が完成。そして今のような街並みになりました。

こちらはかつての浄水場の航空写真です。

貯水槽があったところは低かったわけですが現在もその高低差を残したままとなってます。
なんか歴史を感じますね。

このように高層ビルが建ち並ぶ新宿副都心。
無機質な街並みっぽそうですが比較的緑も多いエリアなんです。

都庁の隣には公園があります。こちらは新宿中央公園です。
新宿は戸山公園や新宿御苑など大きな公園が多く新宿中央公園は三番目に広い公園です。

開放的で自然あふれるきれいな公園。

今はスタバなどがあって賑やかですがかつては鬱蒼としていて近寄り難い公園でした。
ホームレスがめちゃくちゃ多くてお薬を売り歩く行商人もいたし夜になると野外で致す人が現れる青姦のメッカ。そしてハッテン場。

新宿の悪い部分を詰め合わせたような公園。

公園内には公衆トイレがあります。
公園のトイレって汚いイメージがありますがさすがは新宿中央公園。掃除が行き届いててきれいです。
また利用者もきれいに使用してるのでしょう。

多目的トイレも設置されてます。
多目的トイレとは多様な利用者が安全かつ尊厳を持って排泄やケアを行えるトイレのことで法令により公共施設は設置が義務付けられてます。でも目的外利用者が多いようでこのような注意書きがあります。

キレイに使ってない人がいる!
ハッテン場だった新宿中央公園。開放的ですが冬場は寒いんでしょう。だからトイレがある。

だからの意味!

目的外の利用という具体的に書けない行為。でも場所柄なんなのか想像できる。
ある意味多目的で利用されてきたトイレ。公衆トイレでそんなことするとは...。あのお笑い芸人も軽蔑の目で見るはずです。

新宿中央公園脇に神社があります。こちらは熊野神社です。
創建は1403年。600年以上の歴史ある神社です。
十二社熊野神社とも称される神社ですがもとは角筈熊野十二社という名前で名称通り12柱の神が祀られてたそうです。明治維新後二柱を祭神とし熊野神社に改めました。現在のご祭神は櫛御気野大神、伊邪那美大神。
花園神社と並び熊野神社は新宿の総鎮守です。

熊野神社の門前は十二社と呼ばれ江戸時代は景勝地として有名だったそうです。
いわゆる歓楽街のような場所で十二社池という大きな池がありその周りに茶屋や料亭が軒を連ねてたんだとか。

池は埋め立てられて存在していませんがバス停の名称にはその名が残ってます。
この界隈は高低差がありこのバス停は高台に位置するところ。

窪地になっているこの辺りが池のあったところ。今は閑静な住宅街で池の名残はありませんが60年代頃までは池があったようです。

こちらは当時の航空写真。
かつてはこの池の周りに茶屋があったのでしょう。
茶屋や料亭があったってことはあんな店もあったんでしょうね。

新宿は甲州街道の宿場町で地名の通り新しくできた宿場でした。もともと甲州街道の最初の宿場は高井戸でしたが日本橋から16キロほど離れていたため中間の位置である青梅街道との分岐に宿場を新設。新しい宿場って意味で内藤新宿が開設されました。宿場があったのは新宿二丁目三丁目のあたり。今の二丁目はゲイタウンとなってますが江戸の頃は幕府非公認の岡場所でした。

遊郭は幕府公認の色街。性ビジネスが唯一認められた地域です。しかし江戸には吉原しか遊郭がありませんでした。新吉原があるのは台東区千束。今ですら千束は電車で行きづらい立地。なんならお店に送迎を頼むくらいの距離なのに公共交通のなかった江戸時代。遊郭に行くのに歩かなきゃならなかったのです。

それは萎えますよね萎えないけど。

だから各所に幕府非公認の色街があったのです。新宿はまさにそのために用意された街でした。
新宿は日本橋から数えて一つ目の宿場町。距離はおよそ8kmで2時間程度で行けます。当然そんなところに宿泊する人はいません。だから休憩できる宿場があったのです。

これは江戸時代のラブホ街。
新宿は江戸時代からエロの街だったのです。

そんなのが内藤新宿にはあったんですね。でも宿場のあったのは新宿二丁目のあたり。十二社は西新宿4丁目のあたりです。同じ新宿を冠してますが距離は2km離れてます。

都市部って電車移動が主ですが中途半端な距離って移動しづらいんです。歩くかタクシーを使うか。でも歩くと20分以上かかる距離。それは江戸時代も同じで2kmは遠かったのでしょう。そんなわけで十二社にも茶屋を設けそっち系のサービスを提供してたのでしょう。わざわざ町の中心に行かずとも遊べた。新宿は江戸の頃からエロの街だった。

江戸時代景勝地だった十二社は明治になり花街へ。100軒の茶屋や料亭が軒を連ねたそうです。
空襲で被災するも戦後は温泉を掘削。十二社の花街は最盛期を迎えます。しかし時代の変化とともに客足が遠のき料亭・待合は減少。十二社の街並みは住宅街に変わり花街は縮小。ほかの花街同様にバブルを迎える前、80年代半ばに十二社花街は消滅しました。

新宿副都心、高層ビル群の奥の方。
今じゃそんな様子はありませんがかつては花街色町だったんですね。だったら今でも茶屋的な店があるんじゃないかと血眼になり探しもしたのですがそういう店はなくあったのはマンションタイプのメンエスくらい。

メンエスはあるんだ...。

かつてはそういう街でしたが今はそういう店がここにはないのです。

メンエスがあるのに?

そう、西新宿に住む人、働く人は都市部にいるのに不遇な状況に晒されてるのです。

メンエスあるけど...。

こちらは十二社通り沿いにあるマンションですがかつて十二社温泉という浴場がありました。私は閉業直前に一度だけ入浴してます。花街の名残と知ったのはだいぶあとになってから。その温泉ももうありません。

温泉の隣にはきれいなホテルがあります。これも花街の名残でしょうか。
新宿は外国人観光客に人気で宿泊施設も多いです。実際に都内の民泊登録数は一番多くそれが今問題となっています。この界隈にも大小さまざまなホテルがありその多くは訪日外国人向けです。こちらのホテルも外国人向けのようですが以前は新宿ニューシティホテルって名前で出張族向けのビジネスホテルでした。

官公庁だけでなくオフィスも多いため多くのサラリーマンが行き来する西新宿。
地方からの出張族も多いのでしょう。そのため西新宿にはビジホが各所にありここもビジネスマン向けのホテルでした。
少しさびれた雰囲気があったホテル。駅も繁華街もちょっと離れてるため不人気ではありましたが腐っても新宿。結構穴場の出張者向けのビジホだったんです。

私も新宿に住んでいた頃に何度か利用してます。
新宿に住んでたのに?
そうそう新宿住んでいましたが宿泊してました。

西新宿だとニューシティかワシントンホテル、この二つのホテルがリーズナブルで、そして呼べるんです。

ビジネスマン向けのホテルじゃなかった。
出張族向けじゃなく出張呼ぶ向けのホテル。
デリヘルマン向けのホテルだった!

こちらは熊野神社前の交差点です。
オフィスビルと住居が混在するエリアで交差点の西側には西新宿五丁目駅があります。ここは新宿区の一番西側に位置するところで新宿区と渋谷区と中野区がごちゃっとあるエリア。

十二社通りから路地に入ると住宅街になります。
西新宿ってタワーマンションが多いですが一軒家が結構あるんです。この地区は新宿副都心計画から外れた地域のため昔ながらの街並みが残ってます。区画整理がされておらず細い路地が多めです。古い建物も多く雰囲気よさげ。でもこの景色も変わっていくのでしょう。

新宿区の端っこですがここは副都心のそば。買い手はいくらでもいます。
十二社通り沿いにはタワマンが建ってます。新宿西口も現在再開発中です。この界隈も日々街並みが変わっておりこの街路も消えてなくなるかもしれません。

そしてこちらもなくなるお店です。
公衆浴場 羽衣湯です。
物価統制令による価格統制の対象となる代わりに税金や水道代の優遇等が受けられる公衆浴場。
しかしそれだけではやっていけないのでしょう。ピーク時は2600軒以上あった都内の銭湯は現在417まで減ってしまいました。近年は毎年20軒ほど閉店しているようです。そしてこちらの羽衣湯も設備老朽化と燃料費高騰が理由で閉業することに。

かつては諸事情で立ち寄ってなかった羽衣湯。
ですが3年前に立ち寄って以降何度か来ています。
今日は最後のひとっ風呂浴びに来ました。

創業1950年の羽衣湯。
98年に建て直してるので建物はキレイ。でもこれも見納め。
大都会新宿にある銭湯。ちなみに最寄り駅は西新宿五丁目駅ですが銭湯の住所は渋谷区です。

新宿じゃなかった。

サウナ込みで1200円。入浴料が600円にサウナ代が600円。
スーパー銭湯と大差ない値段。でも設備はスーパー銭湯並み。羽衣湯はよくある公衆浴場と違い露天風呂があったりジェットバスがあったりとアミューズメント要素強め。

サウナは大きくありませんがなかなかの高温。そして休憩室もちゃんと用意されています。
オープンすぐに行ったのですが結構な混み具合。タワマンもあるし住宅が多い地域。一番風呂に入りに来る人も多いのでしょう。これだけ混んでるのに店を畳まなければならない。銭湯経営ってのは難しいんですね。

羽衣湯は昔から知ってましたがかつては良い噂を聞かなかったので避けてました。避けてた理由はハッテン場として有名だったから。

アミューズメント要素強め!

全員が裸の公衆浴場。
そういう人たちが出入りすることも当然あります。
私は比較的銭湯に行っており過去にそういうのを目撃したこともあります。
名古屋の某入浴施設のように施設管理者が許可してるなら構いませんが禁止してるのにそんな不衛生な行為。
マジでやめてもらいたいです。中央公園のトイレじゃダメだったのか。羽衣湯はハッテン場でした。

でも2021年に逮捕者が出て以降は減少。今は普通の銭湯になりました。
モラル節操のないLGBTのお客様の入浴お断り。
過去にそういうことがあったからか張り紙にはこのように書かれています。
ジェンダー平等や多様性の尊重において自治体でもLGBTに寛容な渋谷区。その渋谷区にある羽衣湯ですが厳しい対応。
いやこれはLGBT関係なく犯罪抑止のため。
ここは入浴施設。だから多目的トイレのように使うべきではない!ですよねスケベさん。

芸人「ワタベだよ!」

かつてはそんな感じでしたが今は普通の公衆浴場。なんかジロジロ見てくるおっさんはいます。

そういうのはいるんだ...。モラル節操がない件。

ちんちん見てくる人を時折見かけますが、

チンチンを覗くとき、チンチンもまたこちらを覗いてるのだ。
風呂が好き兄ちゃん。

フリードリヒ・ニーチェみたいな言い方。

まぁジロジロ見るおっさんなんてほかの銭湯でもよく見かけます。

よく見かけるんだ。

関連記事

ビルの隙間に住む人たち。ホームレス村の住人こそ新宿の目
ビルの隙間に住む人たち。ホームレス村の住人こそ新宿の目

こちらは新宿の地下街にあるパブリックアート「新宿の目」です。アーティスト宮下芳子さん制作のレリーフです。 ...

 
町田市にあるデザイナーズ銭湯「大蔵湯」へ
町田市にあるデザイナーズ銭湯「大蔵湯」へ

狩猟免許の更新に時間がかかると思っていたのですが10分程度で終わってしまいました。わざわざ2時間もかけてきた相模原のハズレ。...

 
【さらざんまい】アウトドアグッズも手に入る合羽橋道具街
【さらざんまい】アウトドアグッズも手に入る合羽橋道具街

浅草に行くのに南千住から山谷を周り、そして吉原へ。かなり遠回りとなっています。危うく吉原に立ち寄って帰るところでした。 で...

 
SDGsを目指せ!荒川にある胞衣工場と三河島汚水処分場
SDGsを目指せ!荒川にある胞衣工場と三河島汚水処分場

三ノ輪駅前に来ました。 この駅はこれまで何度も利用しています。いつも迷うんです。入谷で降りて裏手から行...

 
鳩は幸せを呼んだのか。向島にある赤線街跡「鳩の街」を散策
鳩は幸せを呼んだのか。向島にある赤線街跡「鳩の街」を散策

本日は浅草にいます。 これより以前よりずっと気になっていた場所があるためそちらに向かいます。 その前に、せっ...

 

Profile

Author:

山林生活

山林生活を目指す。
でも都市型生活、旅行を中心にブログを書いてます。⇒プロフィール

お気に入りRSS