山林生活

風船にエステにカフェオム サイゴンバックパッカー街「ブイビエン」

風船にエステにカフェオム サイゴンバックパッカー街「ブイビエン」

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私は2019年末に中国の北京からインドのビハール州まで陸路だけで行こうとしていました。ビハール州にはナーランダー大学ってのがあり、そこは三蔵法師が目指した天竺の場所でした。新幹線やバス、寝台列車などを乗り継ぎインドを目指したのですが、残念なことに所用が入り日本に帰国せねばならなくなったのです。結局インドには行けず、ミャンマーが最終目的地となりました。当然道中ベトナムは訪れており、中国の国境を越えハノイに立ち寄り、ベトナム統一鉄道でホーチミンへ行きました。ホーチミンには3日間ほど滞在しましたが、その際にバックパッカー街に宿泊しています。

こちらは一区の西部、ベンタイン市場から少し歩いたところにあるバックパッカー街、ブイビエンとファングーラオ通りです。いわゆるバンコクでいうカオサン通り的なところで、この付近には安宿やホステルなどが集まるスポットです。そして当然ながらこの手の街にはいかがわしいお店や「夕べはお楽しみでしたね」ができる連れ出し系の店がゴロゴロしている地域です。そのゴロゴロしているところ、見に来ました。

ホーチミン到着。ローカルフードチャレンジ
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サイゴン駅を降りたのは朝4時30分。ハノイ→サイゴンは一日で五本あります。夜に到着するのもありま

以前ここに立ち寄った時はハノイから寝台列車で2日かけて来ました。所詮は電車なので快適ではなく、ホーチミンに着いたときは憔悴しきってました。そのため目の前でゴロゴロしていたのにその時はゴロゴロできなかったのです。なんとなく「ここがバックパッカー街か」くらいでしか見ていませんでした。でもよくよく見ると怪しい店が結構あるのです。

まずバックパッカー街だからでしょうか。
バックパッカー、つまりバックパックを背負い各地を旅行する人を指すわけですが、旅は結構疲れるんです。重い荷物を背負い、暑くてムシムシするなか歩くため結構疲労します。そのような人たちがいるからなのか、この街にはスパを名乗る店がかなりあるようです。しかしこの街にあるスパは疲れをとるようなところではないのでしょう。そっち系のお店のようですね。

このようにホーチミンの中心地ドンコイエリアとは様子が違い、もっと人の本能が如実に表れるエリアです。

エステ、エステ、エステにエステ。まるでバックパッカーは常日頃からマッサージしているのか!ってくらいエステ店があります。でもこれだけマッサージ店が多いってことはそれなりに需要があるのでしょう。どうしてもこの手の安宿に泊まるのは男性が多いです。女性が少ない理由は単純に危険だから。女性のバックパッカーがいないわけではありませんが、女性の場合性被害に遭うリスクがあります。男性が性被害に遭う可能性もゼロではありませんが、女性よりはそういった被害は少ないでしょう。そのためこのような街に宿泊するのは男性が多く、そして男性向けのサービスを提供している店が多くなるのです。

ただ高いんでしょうね。外国人が集まるエリアです。低予算で旅行をするバックパッカーだとしてもベトナム母国の生活水準から比べれば金払いもよい人たちが集まるのでしょう。これに関してはバンコクのカオサン通りでも同じで、観光地価格になっているんです。そしてここブイビエンも観光地価格。マッサージも少しだけ高いのでしょう。

マッサージ店はその手の店として営業しているようですが、ここではカフェオムやビアオムがあるそうです。日本の業種に近いのはオッパブ、セクキャバ、ピンサロあたりでしょうか。飲んだ勢いで行く、クソみたいなソレです。そういった店がボチボチあるようですが、外国人街とはいえ治外法権ではなく、当然ベトナムの法律を遵守しています。遵守していない店はバレないように営業しているのでしょう。そんなわけで表を見ただけではわかりません。ただ、この辺りにあるっていうのは事実なようです。わからないのであれば手あたり次第突入するしかないのでしょうね。

この街は外国人観光客だけでなく若者が多く集まる地域です。日本でいう渋谷や新宿歌舞伎町のような場所。そのような場所では薬物が蔓延します。
ベトナムでは覚せい剤は当然違法ですが、大麻使用も違法となり、栽培や製造に至っては極刑になるくらい厳しい国のようです。

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タイを含む東南アジアは東アジア人だけでなく欧米人にも人気のスポットなんだそうです。年中暖かく、物価も安い

タイでは大麻が合法化されましたがベトナムでは違法です。しかし実際は街に多く出回っているようで、とくに1区のブイビエンは蔓延地域なのでしょう。路上でタバコを売っている人がいましたが、おそらく社会性のないものも取り扱ってる様子。
そもそもベトナムはタイもラオスもミャンマーも陸路でつながっています。陸路であれば山間部を通れば隣国に移動できます。ベトナムにはそうやって隣国から薬物が運ばれてくるんだとか。
ベトナムは社会主義国で本来であれば国民に貧富の差が生じないはずですが、あくまでも貧富の差が生じない社会を目指しているだけで、実態はかなり貧富の差があります。農村部では仕事がなく、貧困層が多いのも山間部の農村地域の人です。農業以外の稼ぐ手段があるとすれば、非合法な仕事になるのでしょう。ラオスやカンボジアから運ばれてくる薬物を都心部に運ぶ運び屋の仕事があるようです。

ただ当然これらの薬物は違法です。そのため法に抵触しない「薬物」が一時蔓延していたんだとか。

ブイビエンのバーやクラブでは「バルーン」というものが流行っていました。要は風船のことですが、風船の中身は亜酸化窒素、いわゆる笑気ガスが入っています。笑気ガスは麻酔などに使われますが、吸うと陶酔状態になります。お酒と違って依存性はなく、また二日酔いもないし陶酔効果も短時間のため人気があったようです。娯楽目的の笑気ガスの使用は違法ってことですが、ずっと野放しになっていたようです。ただ救急搬送などが相次いだことから取り締まりを強化しました。

日本でも1990年の中頃にマジックマッシュルームが流行った時期がありました。バルーン同様に故意に所持・使用は規制されていましたが、その当時は観賞用であれば譲渡・販売が認められており、植物観賞なんてすることのない人種が出入りする渋谷センター街の雑居ビルに水タバコと一緒に売られていました。またサブカル雑誌裏に載ってる通販ページでも合法ドラッグとして向精神薬と一緒に売られていました。ただマジックマッシュルームも死亡事故が起きて以降規制を強化。バルーンと同じように取り締まりの対象となりました。

現在もまだバルーンの摘発は頻繁にあるようですが近年では笑気ガスに代わりMDMAの摘発が増えているようです。笑気ガスを使っても逮捕されるのならば、もっと過激なものを使おうって感じでしょうか。結局薬物を規制するといたちごっこのように新たなものが出てきます。これに関してはどこの国でも同じですね。日本でも未成年者の中で風邪薬や咳止め薬のオーバードーズが深刻化しました。そのため一般市販薬についても乱用等の恐れがある薬については販売をする際に身分確認や販売量の規制をするようになっています。その規制は今年の4月からはじまりました。日本もベトナムと同じように若者にMDMAが蔓延する日が来そうですね。

ここはブイビエンの裏通りです。少し路地を入るとこのようなところがあり、日本では見れない景色が見れます。

この狭い路地、いいですよね。日本では消防法の関係でこの手の路地は少なくなっています。新宿の思い出横丁やゴールデン街は消防法ができる前に作られた町です。再建築はできないため、日本にある細路地はどんどん消えていくのでしょう。

喧嘩と火事は江戸の華と言われるように、日本は比較的火事が多い地域でした。そもそも日本家屋は木造建築。地震の多い地域は石造よりも揺れに強い木造が適していたのでしょう。しかし木造は火に弱く、江戸の頃は火災に悩まされていたそうです。火災による延焼で被害を受けたとしても損害賠償ができないってのも日常的に火事が多かったのが理由の一つ。このように日本では火災が多いため、延焼を防ぐ、また消火活動を円滑にするため狭い路地は少なくなっています。
しかしベトナムにはそのような法律がないため、この手の路地があちこちにあります。狭い路地の中を歩くのって、なんかいいですよね。夜だとすごい不安な感じですが、日中にこういった路地の中を歩き回るのはベトナム旅行の醍醐味なんじゃないでしょうか。しかもそれがバックパッカー街、風俗エステのそばで味わえるんです。

私的にはオシャレなドンコイエリアよりも、こっちの人間味あふれるブイビエンの方が好きです。恐らくこっちの方が様々なリスクがあるのでしょう。それでもこの感じ、嫌いじゃないんですよね。バンコクのカオサンは成熟していて観光地のようになっていましたが、ベトナムのブイビエンはまだそこまで確立できていない様子。東南アジアのバックパッカー街の感じを味わうならば、ここに行くべきでしょう。

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